CFD取引 価格調整額・権利調整額・金利調整額からみた分類
前回までくりっく株365の特徴を中心にまとめてきました。今回より、CFD取引もう一つの主力口座GMOクリック証券CFD口座です。
投資家にとって有難い特徴を持つ口座ですが、銘柄によって適用される各種調整額が違っています。大まかな違いをまとめてみました。
GMOクリック証券CFD口座 取扱銘柄の特徴
連載第2回で、CFD口座選びで重視している4つのポイントについて触れました。
全ての条件を満たす口座はなかなかありません。くりっく株365も取扱銘柄は4銘柄だけのため、4番目の「取扱銘柄は出来れば多い方が良い」という条件は満たしていません。でも、GMOクリック証券は上記4条件を全て満たします。おそらく、日本のCFD口座で4条件すべて満たすのはこの口座だけです。
ただ、銘柄によって取引条件の違いがあるので注意が必要です。
GMOクリック証券CFD口座には、価格調整額・金利調整額・権利調整額の3つの調整額があります。これらは、それぞれ性質が違います
- 価格調整額・・売買同値
- 権利調整額・・株式の配当に相当。買いで受取・売りで支払
- 金利調整額・・現状買いでも売りでも徴収される。
売買銘柄によってこの中の1つあるいは2つが適用されるということになっています。そのため、最初のうちはこの違いがわかりにくいところです。ここで簡単にまとめておきますので、参考になれば幸いです。
追記:GMOクリック証券のHPでこれらの相関をまとめた表がありました。
この表をみながら後半の説明をお読みいただけるとわかり易いと思います。
GMOクリック証券 取扱銘柄 4つのカテゴリー
GMOクリック証券CFD口座の取扱銘柄は大きく4つのカテゴリーに分かれています。
- 株価指数CFD
- 商品CFD
- バラエティCFD
- 株式CFD
カテゴリー内でも適用される各種調整額の内容が銘柄ごとに異なっています。大体、以下の内容を抑えておけば理解しやすいと思います。
世界主要国の株価指数が揃っています。株価指数先物を元に値を提供しているタイプとETF(株価指数連動型)を元に値を提供しているタイプに分かれます。
それぞれ以下の特徴があります。
- 株価指数先物系⇒日本・米国など世界経済に影響力の強い国の株価指数が中心
- ETF(株価指数連動型)系⇒インドネシア・タイ・オランダ・メキシコなど新興国・経済規模が少し小さ目の国の株価指数が中心
この2つの違いは、「価格調整額・金利調整額・権利調整額などの各種調整額の受払の差」となってあらわれます。具体的には、こうです。
- 株価指数先物系⇒価格調整額だけのため調整額売買同値
- ETF(株価指数連動型)系⇒金利調整額、権利調整額の受払いがあり、受取<支払となります。
受取<支払の関係が、一番わかり易いのは「同じ銘柄を両建てした時」です。
「株価指数先物系」の米国30や日本225は、各種調整額が売買同値のため、両建てポジションを長期保有しても保有コストゼロ円でコスト負担はありません。
これに対して「ETF(株価指数連動型)系」のトルコやタイなどは、各種調整額が「受取<支払」となっているため、両建てポジションを長期保有すると、受取と支払の差額分だけ負担金が発生し続けていくことになります。
現在私が売買で使っているのは、「株価指数先物系」が中心です。
商品先物系のCFDカテゴリーです。銘柄によって調整額の受け払いが違ってきます。
- 原油・天然ガス・コーン・大豆⇒価格調整額の受払いがあります。価格調整額の受払いは売買同値のため両建て系運用では保有コストが余計にかかることはありません。
- 金スポット、銀スポット、白金スポット⇒金利調整額の受払いがあります。金利調整額は受取<支払となっているため両建て系運用では保有コストが多目に必要になります。
荒れ相場になると急騰するVIX指数や通常の値動きの2倍・3倍の値動きをする原油3倍など、高リスク・高リターンを狙える銘柄が揃っています。
不動産リートなどもこのカテゴリーで扱っています。
米国VIだけ売買同値の価格調整額扱いとなっています。そのほかの銘柄では金利調整額、権利調整額の受払いが発生します。両建てでの長期保有ではコストがさむ形になります。
ただ、不動産リート以外は短期勝負の銘柄が多いのであまり気にする必要はないかもしれません。
米国・中国の個別銘柄の売買ができます。アマゾン・コカコーラなどの著名企業が中心で金利調整額、権利調整額の受払いが発生します。一方、金利調整額は買いポジションで毎日支払いが発生します。
長期保有すると金利調整額>権利調整額となる銘柄が多いので、配当目的の運用には向きません。
逆に、レバレッジを効かせた売買ができるので、短期で大きく稼ぐのに向きます。
以上が、GMOクリック証券CFD取引取扱銘柄の各種調整額からみた大まかな内容となります。私のCFD取引は、両建てやサヤ取りを多用するため「価格調整額のみで受払いが売買同値」となる銘柄を中心にやっています。
CFD取引2017年 目次
- 第1回CFD取引 税金面の優位性と2016年振り返り
- 第2回CFD取引口座選びで重視した4ポイント
- 第3回くりっく株365 たった4銘柄でも人気定着
- 第4回CFD取引と現物株比較
- 第5回くりっく株365はなぜ高レバレッジで取引が可能なのか?
- 第6回くりっく株365配当投資 6つのメリット 前編
- 第7回配当頻度と無期限保有可能 株365配当投資6つのメリット後編
- 第8回くりっく株365 リスクヘッジ手段としての使い方 3つの優位性
- 第9回FXとCFD 相関係数を利用した異銘柄売り
- 第10回くりっく株365 3つの両建て向け制度
- 第11回くりっく株365「転売・買戻しの申告」 3つの優位性
- 第12回CFD取引 調整額からみた分類 両建て派必須知識
- 第13回CFD取引資金 数百円からできるTwitter(ツイッター)
- 第14回GMOクリック証券CFD取引 2つのデメリット
- 第15回CFD取引 スプレッドと売り派のメリット
- 第16回配当相当額を狙ったくりっく株365 NYダウ運用
- 第17回日経225をNYダウ暴落用に使う2つのメリット
- 第18回FX投資家がCFD取引でも成功しやすいのはなぜか?
- 第19回CFDコーン 売り有利の理由
- 第20回コーンサヤすべり取り 売買道具
- 第21回サヤすべり取り 2つの収益源
- 第22回サヤすべり取りが流行らない理由
- 第23回サヤすべり取り レバレッジ1倍でも破滅する仕組
- 第24回大富豪の投資法「サヤすべり取り」 2つの意味
- 第25回CFD取引農産物銘柄 他とは違う重要な変動要因とは
- 第26回順ザヤと逆ザヤ サヤすべり取り売買の基本
- 第27回コーンサヤすべり取り リスク管理とレバレッジ
- 最終回「勝ち易い時に勝てばよい」 CFD取引2017
2017年現在、使用している3つのCFD口座