CFD取引と現物株比較 「円安」「円高」で儲かるのはどっち?
CFD取引の損益計算は口座によって異なります。現物株の場合も含めて3者を比較してみました。
くりっく株365 日本円で収支計算できるという意味
くりっく株365の収支計算は、基本的に日本円で行われます。配当相当額だけは、現地配当を日本円に換算する形で発生するようなのですが、売買損益などは日本円でわかり易くなっています。
でも、この違いってホームページ読んでいるだけではよくわかりません。
絶対的有利なものはないとしても、「どういう局面で有利なのか」「どういう局面で不利なのか」といった長所短所は把握しておかねばなりません。結論から書くと、CFD取引は、同じ銘柄を売買していて同じ値幅をとっても収支が口座によって違ってきます。
CFD取引での為替影響度には2種類のタイプがあります。ただ、外国株投資の視点で考えると比較対象として「外国現物株取引」も入れたほうが良いので、ここでは「CFD取引と外国株現物株取引」=「外国株投資」という枠組みで比較させていただきます。
外国株投資では、収支計算での為替の影響度が3つのパターンに分かれます。まずは、その違いから始めましょう。
外国株為替影響度 3つのタイプ
CFD取引でNYダウの売買をしていて100ポイント幅の利益を取ったときに、口座によって利益額が違ってきます。この現象、CFD取引に慣れていないうちはちょっと混乱したりします。
特に、利益のときは「まあ、いいや」で済ませたりもするのですが、損失の時は「なんでだよ。こんなに損していないぞ!」という気持ちになってしまうものです。
この原因のほとんどは「為替影響度の違い」です。私の知る限り、外国株投資で為替影響度の種類は3つあります。為替影響を受ける要素は2つあります。
- 約定代金
- 売買損益
この2つを軸で考えると3つのタイプの違いがはっきりと見えてきます。
「約定代金」「売買損益」ともに外貨で計算される口座です。この口座は、売買の際に為替の影響を強く受けます。大き目の為替変動があると、株価変動がなくても損益が変動するというよう現象も起きてしまいます。
その結果、株価が上昇しているのに為替の影響で売買損益はマイナスということもあります。
マネックス証券やSBI証券などで提供している「外国現物株取引」がこのタイプです。米国株や中国株など世界各国の株式を証券会社で購入する場合は、「株価変動損益+為替変動損益」の合計額が総合損益となります。
決済時の「売買損益」にその時点の為替値をかけて収支計算するのがこのタイプです。売買損益部分だけなので、先程の「Aタイプ」よりも為替の影響はかなり限定されます。
Bタイプでは、株価が上昇していれば為替がどんなに動こうとマイナスになるようなことはありません。GMOクリック証券CFD取引口座などがBタイプに入ります。
売買損益で為替の影響をほとんど受けないのがCタイプです。例えば、100の利益がでたらそのまま100が利益となります。くりっく株365がこのタイプです。
こう書くだけだと混乱するだけなので、実際に計算してみましょう。
3タイプの収支計算例
3タイプの違いをNYダウの数字を丸くして比較してみましょう。2015年2016年のNYダウの大雑把な数字はこんな感じでした。
2015年
- NYダウ値 17900
- 米ドル円値 120円
2016年10月
- NYダウ値 18100
- 米ドル円値 105円
*違いを分かりやすくするため、丸い数字にしてあります。
2015年から2016年にかけてNYダウは200ポイントほど上昇、円相場は15円ほど円高になっています。2015年に買いポジションを作り、今月決済した場合の収支がどうなるのかを計算します。
2015年購入時
- 17900×120円=2,148,000円
2016年売却時
- 18100×105円=1,900,500円
- 合計収支
- 1,900,500円ー2,148,000円=ー247,500円
株価は上昇したものの、米ドル円が円高となっているため日本円ベースにすると損失が出ることになります。
- (18100−17900)×105円=21,000円
Bタイプは、ポジション作成時と決済時の株価の差額に為替値をかけて損益を出します。損益計算で為替の影響はあるものの、株価が利益となっているのであれば、為替の影響があっても損失になってしまうことはありません。
- (18100−17900)×100倍=20,000円
Cタイプは、株価の差が単純に利益となります。100倍というのは比較上損益額を合わせるためのものですが、くりっく株365の損益計算も同様に100倍となっています。
こんな感じで、A・B・Cのそれぞれで収支が違ってくるのが確認できるかなと思います。BとCでは、それほど違わないと思われたかもしれません。でも、これは現状の米ドル円が100円近辺にいるからです。
FTSE100などの英ポンドベースの株価指数などでは、もっと大きな差が出てきます。
この比較表では大きなマイナスとなったAタイプですが、これはここ1年「円高傾向」が続いているためです。相場が円安傾向となれば、収支は逆転して株価が上昇しなくても大幅な利益となることもあります。
Aタイプがもっとも為替の影響を受けやすくなっています。今回の記事タイトル「円高」「円安」で儲かるのは」の答えはAタイプということになります。無論、儲かるというのは裏を返せば、逆方向では大きく負けるという意味でもあります。
ブログ過去記事で、他の要素も含めたものもあるので参考になるかと思います。
くりっく株365 単純でわかりやすい収支計算
話をくりっく株365に戻します。
先程書いたように、くりっく株365の収支計算は、17900で買って18100で売ったら差額の200に対して100倍するという単純な仕組みになっています。
この計算方法は、日本株売買や日経225先物と一緒です。
この計算方式は、NYダウやFTSE100など海外の株価指数を日本株と同じ感覚で売買できます。この単純さは、サヤ取りや両建てなどちょっと特殊な売買をするときにも重宝します。
CFD取引2017年 目次
- 第1回CFD取引 税金面の優位性と2016年振り返り
- 第2回CFD取引口座選びで重視した4ポイント
- 第3回くりっく株365 たった4銘柄でも人気定着
- 第4回CFD取引と現物株比較
- 第5回くりっく株365はなぜ高レバレッジで取引が可能なのか?
- 第6回くりっく株365配当投資 6つのメリット 前編
- 第7回配当頻度と無期限保有可能 株365配当投資6つのメリット後編
- 第8回くりっく株365 リスクヘッジ手段としての使い方 3つの優位性
- 第9回FXとCFD 相関係数を利用した異銘柄売り
- 第10回くりっく株365 3つの両建て向け制度
- 第11回くりっく株365「転売・買戻しの申告」 3つの優位性
- 第12回CFD取引 調整額からみた分類 両建て派必須知識
- 第13回CFD取引資金 数百円からできるTwitter(ツイッター)
- 第14回GMOクリック証券CFD取引 2つのデメリット
- 第15回CFD取引 スプレッドと売り派のメリット
- 第16回配当相当額を狙ったくりっく株365 NYダウ運用
- 第17回日経225をNYダウ暴落用に使う2つのメリット
- 第18回FX投資家がCFD取引でも成功しやすいのはなぜか?
- 第19回CFDコーン 売り有利の理由
- 第20回コーンサヤすべり取り 売買道具
- 第21回サヤすべり取り 2つの収益源
- 第22回サヤすべり取りが流行らない理由
- 第23回サヤすべり取り レバレッジ1倍でも破滅する仕組
- 第24回大富豪の投資法「サヤすべり取り」 2つの意味
- 第25回CFD取引農産物銘柄 他とは違う重要な変動要因とは
- 第26回順ザヤと逆ザヤ サヤすべり取り売買の基本
- 第27回コーンサヤすべり取り リスク管理とレバレッジ
- 最終回「勝ち易い時に勝てばよい」 CFD取引2017
2017年現在、使用している3つのCFD口座