「師は針 弟子は糸」FX運用技術を学ぶ根本
今回は運用法を習得する姿勢についてです。宮本武蔵は「針と糸の関係」に例えて説明しています。
師弟関係の基本が「針と糸」
五輪書 渡辺誠訳より(一部加筆修正)
私は兵法の道を大工の道にたとえて述べようと思う。力のある一族などを「●●家」などと流派などの意味も含めて用いられるので、兵法もこれに通じる部分がある。
兵法を学ぶ志のある者は、この書に私が述べる事を玩味してもらいたい。
そして、師弟の関係が「針と糸」のようなものである、と心つもりして師より伝授された習訓にしたがって、不断に稽古を積み上げてもらいたい。
「師は針、弟子は糸」
糸は針穴に通されて、針の動きに従っていくことで衣類が出来上がります。
宮本武蔵は、師弟関係を針と糸のようなものだと言います。師より伝授されたものを針と動きを同じくする糸の如く忠実に実行できるように稽古すべしといことです。
ここには「わかる」と「出来る」の違いも含まれていると感じます。
スポーツでもFXも似ていると思うのは、本を読めば「正しいやり方・理想的なやり方」を理解するのはそれほど難しくはありません。
例えば・・・・
- 空手の型や正しい突き・蹴り方など。
- テニスの理想的なスイング
- ゴルフのスイング
これらは、本を読めば誰でもイメージが沸きます。
ここは一番初期の「わかる」の段階です。
でも、すぐにその通りにやることはまず出来ません。本を読むだけでもなかなか出来ないので、高い授業料を払って道場やスクールに通う方も沢山います。
というよりも、スポーツは本気でやろうとする人はほぼ100%が道場やスクールなどに通っています。
それでも「出来る」となるまでは相当の年月が必要となります。
FXにおける「針と糸」
FXの運用技術上達の流れも似ています。
「うねり取り」などが良い例です。この運用法を理解し「わかる」の段階にいくのは比較的簡単です。
- 相場変動である程度上げ下げが周期的で掴みやすいものがある。
- それらの動きにポジションを載せながら売買をする。
- 売買道具としては場帖・グラフを使用する。
ここまでは、多分私のメルマガやサイトをサラッと読むだけでもわかります。
でも、「わかる」だけでは当然利益はでません。
ここから「出来る」にいくための流れをつくることが大切です。
その流れが宮本武蔵の「針と糸」の関係と重なります。
FXでちょっと不利なのは、正しい運用法を教えてくれるスクールのようなものを見つけるのが困難なところです。
私の場合、代わりとなってくるのがそれぞれの運用法の「教科書本」です。
私が相場運用の師匠と仰ぐのは故林輝太郎先生です。残念ながら、昨年亡くなられていますが、今でも私の心の中には先生がいます。
私は、林先生や板垣先生の本を教科書本としてやってきました。
この25年間、ずっと同じようなことをやってきているのですが先生に直接会いに行ったのは数回です。それも、場帖・グラフ用紙を買いにいったりする程度で、グラフの書き方(ボールパンの選び方や線の修正の仕方)を教わりました。
具体的な場帖の見方などは、聞いたことはありません。当時は「そんな事本に書いてある。読み取りが足らんね」と言われるのが怖かったという持ちもあったのかもしれません。
いずれにせよ、ほとんど教科書本の読み取りだけでやってきて、本を師としてやってきたといっても過言ではありません。
私が「わかる」から「出来る」へと成長する流れに乗れてこれたのはこれらの本のお陰です。
自動売買でも針と糸を意識
この関係は、運用法が異なっても成り立つと思っています。
今取り組んでいるMT4のEAつくりでも、勉強会の主催者の方を師としてそこでテキストとして豊嶋先生の著作を教科書本として学んでいます。
わからなくなれば、本を読み直しながらEAつくりを続けているところです。
勉強会が始まって半年くらいですが、やっとEAらしきものが作れるようになってきたところです。4つくらいのEAを始動させて実戦に使えるようにしていくつもりでいます。
おそらくスキャルピングなどにも「針と糸」の関係は成り立つはずです。
単純なことほど出来ないという現実
「針と糸」の関係というのは、成功者のやっていることを忠実に真似ていくということでもあります。
これは単純なのですが忠実にやっていくのは出来そうでなかなか出来ません。
私も邪心のようなものがでてしまい、横道にそれることがよくありました。今でも、たまに横道にそれてしまうのですが、その度に痛い目をみては元の道に戻ると言う事を繰り返しています。
こんな愚か者ですが、それでも利益は出せるようになってきました。
それが、横道にそれながらも正しい道を歩いているという証明なのかもしれません。
こんな私ですが、これからも一緒に利益増加の道を皆さんと歩き続けられればと思っています。
目次 FX五輪書
FXで利益を出すといっても、特に変わったことをやっているわけではなく基本を大切にしながら日々同じことを繰り返しているだけです。私の運用の基礎部分の大枠は亀千人投資術にまとめてあります。
私がFXで利益を出すためにやっている行動と考え方を宮本武蔵野「五輪書(ごりんのしょ)」を元にまとめたのが今回の連載です。
- 第1回FX五輪書 剣の達人がおしえるFX成功法
- 第2回宮本武蔵とは
- 第3回FXは頑張りすぎると失敗するのはなぜか
- 第4回一芸を磨くことがFX成功につながる
- 第5回FX運用法 役割と磨き方
- 第6回FXで儲かってもあまり話してはいけない理由
- 第7回道を具体的にするFX売買道具の役割
- 第8回師は針 弟子は糸
- 第9回運用力を高める4つのポイント
- 第10回水辺よりも水中が大事
- 第11回FXポジション操作の理想形
- 第12回読者よりの質問:損きりのやり方
- 第13回FXにおける2つの刀とは
- 第14回FX何をやてもダメ・・と思ったら読む記事
- 第15回FX運用法の長所を活かすにはどうするか
- 第16回FX本では教えてくれない利益を伸ばす方法
- 第17回場帖・グラフ 一日一分の記入環境について
- 第18回他人を批判するデメリット
- 第19回場帖トレーダーにオススメ 4冊の教科書
- 第20回FX運用法の探し方 グーグル検証方法
- 第21回場帖記入 2年続けるとわかる事
- 第22回「勝率100%」や「元本保証」の悪質商法にひっかからない方法
- 第23回絶好調は破滅の入り口
- 第24回FX年間利益1億のイメージ
- 第25回最後に勝ち組になれる人
- 第26回FX 運用法の見極め