百害あって一利なし FXで儲かってもあまり話してはいけない理由
誰でも、大きく利益がでているときなどは自慢したりひけらかしたくなるものです。そういうときに思い出して頂きたい言葉です。
五輪書 渡辺誠訳より
世の中の芸の世界を見るに、自分の芸を売り物に作り上げて、自身も商売人になりきって、所持する道具も美々しく飾っている者がいる。花と実二つを比べれば、これは花よりも実が少ないのである。
兵法の道において、趣向を凝らし、はでに演出し、技術をひけらかし、道場などと称し、この道をそこで教えるものあり。また、習って自分のためにしようとする者もある。
誰かの言葉に「生兵法は大怪我のもと」とあるが、まさにそのとおりである。
これを読んだだけでも「FXでもあるんだよな」と感じた方も多いのではないでしょうか。
FX 宣伝の弊害
宮本武蔵の生きた時代は、剣を教える道場が、活況となりはじめた時期でもあります。
しかしながら、派手な宣伝をするものほど怪しげなものも多く、中身のないものも多かったようです。そのパフォー万スによって大怪我をする人たちもいました。
この中には浪人となった武士が仕官活動をするために行っていた者も多数いたようです。
仕官活動というのは、浪人となった武士が、再び大名に召抱えてもらうための活動です。武士の就活ってところです。
その武士の就活がなぜ危ないかというと、「自分が強い」と宣伝するわけなので、「じゃあ勝負しろ」という人がでてきて試合となるからです。
試合といっても、当時は真剣でやるので命がけなんですよね。
さすがに、FXでは、命をとられるようなことはありません。でも、軽い気持ちでやった会話が大怪我のもととなることがあります。
自分で自分の首を絞める
運用技術が上がってきて利益がでるようになってくると誰かに見せたくなるというのは、人間のサガのようなものかもしれません。
私がメルマガやブログを書いているのもその気持ちがあるからだと思います。
でも、今の私は親兄弟や友人にはFXや投資の話はしません。ただ、私が証券会社に勤務していたこともあり、投資に詳しいことは知っているので「わからない事があれば質問してくる」といううことはあります。
先日も月利1%という海外ファンドの投資話の相談を受けました。最近、この手の話が増えているようで沢山くるとその友人は話していました。
昔は「株やFXの話をしたいけど我慢する」のが大変でした。
なんでそんなに我慢するんだ?
こう思われるかもしれません。自分を宣伝して運用に良い影響はほとんど無いからなのです。
思いつくだけでも4つくらいの弊害があります。
- 自分を実力以上に見せたくなる。
- 変に当たってしまうと自分を勘違いしてしまう。。
- 「上がる」「下がる」を人前で宣言することで相場観を縛ってしまう。
- 友人知人に誤解される。
株やFXの話を始めてしまうと、どうしても「どの通貨」とか「売り」か「買い」かの話になっていきます。この予想は、そのあとの自分自身の相場観に影響を与えてしまいます。
「豪ドルは買い」といった翌日に、場帖記入していて「あっ、そろそろ買いはヤバいかも」と感じることがあります。でも、このときに「昨日、豪ドル買いって言ってしまったな」という言葉が頭の中に残っていて売買判断に微妙な影響を与えてしまったりします。
その微妙な影響で損切りが遅れたりすることで、大きな損失の原因となることもあります。
まさに「自分で自分の首を絞める」ような状況です。
なぜか悪く見られる投資家
そして、FXや株式投資をやっているというのは「友人知人に誤解され易い」という部分もあります。昔ほどではないのですが、今でおFXや株をやっているというのは悪いイメージとなることが多いようです。
たまに「職場にFXをやっているのを知られたくないのですがどうすればいいでしょうか」というメールがくることがあります。
利益が出ると税金を払うことになるので、勤め先にFXをやっているのがバレるということを気にする方が少なからずいます。私がサラリーマン時代に勤めていた生命保険会社も支社によっては、そういう雰囲気がありました。
なので、職場仲間とも投資の話をしたことはほとんどありません。
FXで利益を出したことや相場観を語っても一時的に羨望のまなざしを受ける程度のことで、長い目でみるとデメリットのほうが多い気がします。
私も、最初の頃は利益がでて人に話していたのですが、いつの頃か気持ちを抑えるようになりました。ちょっと気持ちを抑えて日々の作業を粛々と続けていくほうが落ち着いて資産を増やしていくのには向いているようです。
目次 FX五輪書
FXで利益を出すといっても、特に変わったことをやっているわけではなく基本を大切にしながら日々同じことを繰り返しているだけです。私の運用の基礎部分の大枠は亀千人投資術にまとめてあります。
私がFXで利益を出すためにやっている行動と考え方を宮本武蔵野「五輪書(ごりんのしょ)」を元にまとめたのが今回の連載です。
- 第1回FX五輪書 剣の達人がおしえるFX成功法
- 第2回宮本武蔵とは
- 第3回FXは頑張りすぎると失敗するのはなぜか
- 第4回一芸を磨くことがFX成功につながる
- 第5回FX運用法 役割と磨き方
- 第6回FXで儲かってもあまり話してはいけない理由
- 第7回道を具体的にするFX売買道具の役割
- 第8回師は針 弟子は糸
- 第9回運用力を高める4つのポイント
- 第10回水辺よりも水中が大事
- 第11回FXポジション操作の理想形
- 第12回読者よりの質問:損きりのやり方
- 第13回FXにおける2つの刀とは
- 第14回FX何をやてもダメ・・と思ったら読む記事
- 第15回FX運用法の長所を活かすにはどうするか
- 第16回FX本では教えてくれない利益を伸ばす方法
- 第17回場帖・グラフ 一日一分の記入環境について
- 第18回他人を批判するデメリット
- 第19回場帖トレーダーにオススメ 4冊の教科書
- 第20回FX運用法の探し方 グーグル検証方法
- 第21回場帖記入 2年続けるとわかる事
- 第22回「勝率100%」や「元本保証」の悪質商法にひっかからない方法
- 第23回絶好調は破滅の入り口
- 第24回FX年間利益1億のイメージ
- 第25回最後に勝ち組になれる人
- 第26回FX 運用法の見極め