FX運用法の長所を活かすにはどうするか
FXには様々な運用法があり、それぞれ得手不得手があります。長所を活かす運用が出来れば利益を出し易いことは容易に想像できます。
でも、これは「言う易し、行うは難し」でもあります。
では、具体的にどうすれば良いのかについて五輪書をもとに書かせて頂きます。
長所を活かす戦い方
五輪書 渡辺誠訳より(一部加筆修正)
太刀は広い空間、脇差は狭い空間で使うのが、まず刀法としては自然である。太刀一つよりも大小二つを用いるほうが良い局面としては、大勢の敵に一人で対するとき、それから、屋内などに立てこもった者を仕留めるときなどがある。
このようなことは詳細にかきつける紙数がないので、「一」を知って「万」を知ってもらいたい。兵法の道を実戦できる者は、一つも残さずこの事を読み取ることができるはずだ。
太刀は広い空間、脇差は狭い空間で使うという具合に、刀にはそれぞれに長所と短所がありその長所を活かした使い方をしなければいけない。
これらはしごく当然のようでありながら、意外に出来ないものです。宮本武蔵の二刀流にも当然長所と短所があります。片手で太刀を持つので、自由が効く反面、両手で刀を持った者に力負けして一太刀で斬られてしまう可能性もあります。
- 長所と短所は一体である。
- 長所を活かす戦い方を覚える
宮本武蔵がこの部分で書きたいのはこの2点だだろうと感じています。
FXの運用でもこの2点はそのまま通用する大事な部分です。
- 自分の運用法の長所と短所を把握する。
- 長所を活かす戦い方を心がける。
これについて考えることはそれほど難しいものではありません。
例えば、スワップ投資は、スワップポイントが受け取れる側のポジションが中心となります。豪ドル円であれば、買いポジションでスワップポイントが受け取れるので、当然ながら上げ相場には強く下げ相場には弱いことになります。
これが「スワップ投資の長所と短所」です。
「長所を活かす戦い方」は、高値圏ではポジションを出来るだけ持たずに、下げてきた底値圏で大きく作るようなポジション操作をしていくことになります。
簡単ですねぇ。
でも、うまく実行していくのはなかなか出来ないものです。
この単純な理屈を、実際に実現していくために「場帖・グラフ」が役に立ちます。
高値掴みを減らす
利益を伸ばす
私の場合、日々の記入を続けていくことで、この2点の効果がでてきました。
高値掴みを減らす場帖・グラフ
場帖・グラフを描くというのは最初は抵抗があるかもしれません。でも、慣れてくるとその効果を実感できるようになります。一番最初に感じるのがこの効果かもしれません。
「売買に焦りが無くなっていく」
単純な話ですが、場帖・グラフを描くことで明らかな高値圏が実感としてわかるようになります。そのため、明らかな高値圏で買いポジションを作ることは少なくなります。
買いポジションを作るとしても、「お試し」的な小さなポジションで済ますため致命的な大怪我はしなくなっていきます。
慎重になりすぎてほとんど買えない時もありますが「大怪我をしない」方を重視すべきだろうと思っています。
為替相場はそう簡単に閉鎖されることはありません。一回や二回逃しても、いずれ好機は訪れます。資金さえあれば、その好機に動いて利益を出せます。
無理な売買をして大怪我をしてしまえば、好機が訪れても参加することさえ出来なくなってしまいます。
昔の私のように・・・・
亀千人投資術のページに書いたことは、すべて事実です。資金を失ってしまえば、もはや運用は出来ません。私も、一度退場したあとは復活するための資金を稼ぐために数年コツコツ貯金を続けました。
私のようにならないためにも、しっかりと日々の作業をしていくことが大事です。
わかっていても手が出る理由
場帖・グラフを使わなくても「明らかな高値圏」はある程度の方はわかります。
でも、わかっていてもなぜか売買してしまうものです。
例えば、豪ドルが高値を更新していて、ちょっと下げる局面があったとします。こういう時には「絶好の買い場」として買いに走りたくなるものですが、これが「高値掴み」の典型的なパターンとなってしまいます。
人間の心理とは弱いもので、高値圏特有の周囲の熱気に影響されてしまうところがあります。
無論、失敗したらすぐに損きりが実行できる方であれば、こういう買い方をしても大怪我はしなくて済みますが、迅速に流れに対応できるかたは少ないのが現実です。
投資を始めた頃の私がその典型でした。
遊んでいる資金があると勿体ない気持ちになって、常に何かしらの売買をしたくなります。その結果は、高値掴みだらけとなり身動きが取れなくなりました。
こんな事を繰り返していけば、いきつく先は決まっています。
一体、何が違うのでしょうね?
絶対的な基準の有無
この両者の違いは「絶対的な基準の有無」にあります。
私の場合「場帖・グラフ」が絶対的な基準となります。この基準をしっかりと守っている限り、大怪我せずにやっていけるという安心感があります。
ところが、昔の私のように絶対的な基準といえるものがない場合はどうしても不安定な状態が続きます。その不安定さが、ついついやってはいけないはずの売買を誘発してしまうのだという気がします。
場帖・グラフを使わなくても、別の絶対的な基準やしっかりとしたルールを持っている方は、やはり手堅い売買をします。
FXで利益を出していく方法は無限にあります。
ただ、利益を出していくために大事な共通部分があり、その一つがここにあるのだと感じています。
目次 FX五輪書
FXで利益を出すといっても、特に変わったことをやっているわけではなく基本を大切にしながら日々同じことを繰り返しているだけです。私の運用の基礎部分の大枠は亀千人投資術にまとめてあります。
私がFXで利益を出すためにやっている行動と考え方を宮本武蔵野「五輪書(ごりんのしょ)」を元にまとめたのが今回の連載です。
- 第1回FX五輪書 剣の達人がおしえるFX成功法
- 第2回宮本武蔵とは
- 第3回FXは頑張りすぎると失敗するのはなぜか
- 第4回一芸を磨くことがFX成功につながる
- 第5回FX運用法 役割と磨き方
- 第6回FXで儲かってもあまり話してはいけない理由
- 第7回道を具体的にするFX売買道具の役割
- 第8回師は針 弟子は糸
- 第9回運用力を高める4つのポイント
- 第10回水辺よりも水中が大事
- 第11回FXポジション操作の理想形
- 第12回読者よりの質問:損きりのやり方
- 第13回FXにおける2つの刀とは
- 第14回FX何をやてもダメ・・と思ったら読む記事
- 第15回FX運用法の長所を活かすにはどうするか
- 第16回FX本では教えてくれない利益を伸ばす方法
- 第17回場帖・グラフ 一日一分の記入環境について
- 第18回他人を批判するデメリット
- 第19回場帖トレーダーにオススメ 4冊の教科書
- 第20回FX運用法の探し方 グーグル検証方法
- 第21回場帖記入 2年続けるとわかる事
- 第22回「勝率100%」や「元本保証」の悪質商法にひっかからない方法
- 第23回絶好調は破滅の入り口
- 第24回FX年間利益1億のイメージ
- 第25回最後に勝ち組になれる人
- 第26回FX 運用法の見極め