両建すると損した気分になるのはなぜ 4つのデメリット |FX版つなぎ売り
利益増加の両建てについてのメリットについて前回書かせて頂きました。このやり方には当然デメリットもあります。
- 上昇すると損をした気分になる。
- 慣れないうちは逆に興奮することもある。
- スプレッドコスト
- 証拠金が多目に必要なこともある。
これらについても1つづつ補足させて頂きます。
上昇すると損をした気分になる。
両建てでこの心理状態が結構やっかいです。
このやり方は、両建にして為替リスクほぼゼロの状態になります。この状況で毎日スワップポイント差分の利益が得られるという仕組みです。
ですので、この後豪ドルが大きく下げても損をすることはないのですが、逆に上昇してもポジション全体としては為替利益は増えません。
前回下げ相場の時に使ったポジション状況でご説明します。
- 93.5円 20万豪ドル買いポジション 含み益 約60万円
- 96.6円 20万豪ドル売りポジション 含み益 0円
- 合計損益 約60万円
この後下げても全体の収支が変わらないというのは前回やりました。逆に5円上昇したときにはこうなります。
- 買いポジション 含み益60万円⇒含み益 約160万円
- 売りポジション 0円⇒含み損 約100万円
- 合計損益 約60万円
上昇した場合でもポジション全体の利益60万円は変わりません。
そんなの当然だろ。
こう言われてもしまいそうですが、ここが人間心理の不思議なところです。
大体以下の傾向があります。
両建てにした後下がるとなぜかうれしい
両建てにした後上がるとなぜか悔しい
元々決済してポジションゼロにするような局面で両建てをしているはずなので、気持ち的には「ポジションゼロでスッキリ」といいたいことろですが、そうはいきません。
まあ、買いポジションをそのまま決済した後でも売った後に上がると悔しい気持ちが出ますので、この気持ちを完全に消すのは難しいのかもしれません。
この心理は両建てに慣れてきたつもりの私もたまにあります。
そういう気持ちのときは両建したときの気持ちを思い出して自分に言い聞かせ納得させるようにしています。
「どうせ、決済予定だったから同じ事じゃないか。それでも、単純に決済したときよりはスワップポイント差分の利益が追加で入ってきている。今回はこれで我慢しよう。もし、まだ上げると判断すればこれから買いポジションを増やすと言う手もある」
こんな具合です。
多分、両建が初めての方などは売りポジションを作った後に上昇するとほぼ間違いなく「損をした気分」になります。
あまりにその気分が強いときは、今後のトレードに悪影響が出るかもしれませんので、この両建ては今後やらない方が良いと思います。
慣れないうちは逆に興奮することもある。
この間「両建ては冷静になれる」と書きましたが、逆に興奮するときがあります。
特に、初めてやった場合や久々にやったときなどはそうです。
実際、この間の私がそうです。
参考記事:豪ドル20万買い決済 利益と反省点
このケースでは、一時的に40万豪ドルまで売りポジションを持っています。当初の予定が20万豪ドルですので、途中で方針変更するべきではありません。
このまま40万売っていたら結構儲かっているのですが、それは結果論であり、そういう考えを認めていくと運用が崩れていくため厳しくやる必要があります。
いずれにせよ、当初に決めた数量を途中で変えるような事をしているといずれ運用がメチャクチャになります。
特に、こういう低リスクでやる運用は方針堅持が大切です。
スプレッドコスト
私は、この2社間の両建を「為替リスクほぼゼロ」と呼びます。この「ほぼ」をつける一番の理由がここです。
DMMFXのスプレッド
DMMFXの豪ドルスプレッドは1.0銭(原則固定)です。2つのFX業者を使うという事はこの部分がコスト負担となります。
ほとんど同じ値段でポジションを作る両建の場合、このコストの重みはよくわかります。
翌日にスワップポイント差分の利益が増えていてもスプレッド分を埋めるまではトータル損失となるからです。
ただ、今回の「利益増加のための両建」では、あまり気にならないかもしれません。買いポジションには含み益が乗っているようなときに両建するのが今回のやり方ですので、買いポジションと売りポジションの約定値に大きな差があるので比較しにくいからです。
実際、私も気になりませんでした。
でも、なかには気にされる方もいるかもしれないので指摘だけはしておきます。
証拠金が多目に必要なこともある
この両建ては、買いポジション口座のほかに売りポジション用口座にも証拠金の入金が必要になります。ですので、場合によっては多目の証拠金が必要になることもあります。
レバレッジ3倍程度であれば、利益の乗っている買いポジション口座の証拠金が余っているはずなのでそれを動かせば当面大丈夫です。ただ、数ヶ月以上両建てを維持するようなときは値が大きく動くので、片方に多目の証拠金を入れる必要性もでてきます。
2社を使った両建てのときは、この資金管理・資金移動をしっかりとやることが重要になります。
為替リスクほぼゼロ状態を維持するためにもここは大切です。
豪ドルが10円以上動くようなときには、証拠金が用意できないこともあるかもしれません。その際は、両建ポジションを解消するときでもあります。
この辺は柔軟に対応していきます。
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