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精神的レバレッジとプロスペクト理論

机上の計算では軽視しがちなのが精神的レバレッジです。でも、長期保有前提の運用では、この精神的レバレッジの理解が成否の鍵を握ります。この純ドルコスト平均法でも、その理解が大切となります。

精神的レバレッジはみな違う

前回記事で注意して頂きたいことがあります。

 

このレバレッジ2倍は、私の基準にすぎない

 

こことっても重要です。

 

私は、前回資金管理ルール 純ドルコスト平均法改正点その1で書いた水準を守っていけば、どんな円高でも耐え抜いていけるという自信があります。でも、同じ基準でやっていると中には耐え切れずに大きな損きりとなる方もいるかもしれないと思うのです。

 

精神的レバレッジは、投資家それぞれで違います。

 

精神的レバレッジとは、含み損をどこまで耐えられるかという基準です。

 

買い値から20円下げるまでは強制ロスカットされないというポジションを作ったとしても19円まで我慢していられる方は僅かです。業者の強制ロスカット基準にひっかからないからといって大きな含み損を抱えると平然としてはいられないのが普通の投資家の心理です。

 

レバレッジ4倍で強制ロスカットされるようなことがあれば、運用資金は4分の1くらいに減ります。これまで苦労して貯めた資金が一挙に消えてしまう恐れがでてくると、大抵の投資家はその途中段階で損きり判断をすることになります。

 

その損きり判断をしたくなる水準がそれぞれの精神的レバレッジといえます。私の場合、豪ドル90円くらいの水準であれば大体以下のような感じです。

 

  • レバレッジ3倍運用だったら15円くらいの下落には耐えられる。(強制ロスカット水準は、約26.4円下落)
  • レバレッジ2倍運用だったら30円くらいの下落には耐えられる。(強制ロスカットは、約41.4円下落)
  • レバレッジ1.5倍運用だったら40円くらいの下落には耐えられる。(強制ロスカットは、約56.4円下落)

 

いずれの場合も強制ロスカットまで我慢することはとてもできません。精神的な部分なので、いつもここまで耐えられるかどうかはわかりませんが、この辺が私の限界だろうと思っています。

 

 

純ドルコスト平均法だけでなく、スワップ投資のほうな長期間ポジションを保有する運用をするときは、この辺の理解は必須です。

 

孫子の兵法を持ち出せば・・・・「己を知る」・・・・ということです。

損失に弱いのが普通

プロスペクト理論

強制ロスカットされないから耐えられるというのは、人間の弱さを理解していない机上の考えにすぎません。プロスペクト理論を持ち出すまでもなく、人間は損失に弱く出来ています。

 

参考:プロスペクト理論

 

私自身、リーマンショック時にはまだまだ余裕のあったポジションを精神的に耐えられずに損きりした苦い経験があります。資金管理ルールをつくるときは、この点も考慮してください。

 

まだ、それほど大きな損きり経験のない方も多いだろうと思います。そ方は、私の基準よりももう少し余裕をもたせるように設定するほうが良いかもしれません。

 

読者の中にも、ドルコスト平均法てきな運用をされている方が結構います。その方は、私のやり方をそのままやるのではなく、頭の中である程度シミュレーションをしていただきたいのです。

 

  • 買い値から40円くらい下げる可能性がないとはいえない。
  • その時、私は耐え抜けるだろうか?

 

例えば、購入の仕方によっては買い平均値が100円台の後に短期間で豪ドルが70円台や60円台に突入することもあるかもしれません。中国経済の影響を強く受ける豪ドルは、現実にその可能性はないとはいえません。

 

ということで、安易に考えている方がいるといけないと思いちょっと脅してしまいました。

 

でも、本当の最悪の状況を想定して、それを受け入れる対策が出来ればあとはあまり心配は要りません。現実には、この仮定した最悪の状況はまず起きません。

 

  • レバレッジ4倍で2年間買い進むというのは豪ドルが2年間暴落し続けないと起きない。
  • 豪ドルが仮に2年間暴落したとすれば、豪ドル値は20円や30円まで下がる。その時点で買い平均値が80円台ということもありえない。

 

ただ、何が起きるかわからないのが相場ですけどね。

 

豪ドルは、日本でFXが始まるまえには200円していた時期もあります。そこから50円台まで落ちたことがあるので、過去の値動きと教訓は記憶しておくべきです。私の純ドルコスト平均法口座のレバレッジは、2013年12月現在2.85倍です。

 

まだ2年は経過していませんが、出来るだけ予備資金を使わずに相場の波を乗り切っていける体制を来年以降整えていく予定にしています。


目標利回りと目標金額

目標額を1億円に引き上げたことも既に書いたとおりです。1億円といっても長期運用前提であれば、年利10〜20%で達成はできます。

 

参考:1億円までの道

 

運用利益は、毎年かなりのデコボコがあるだろうと思っています。でも、平均で20%以上をキープできるような運用が続けていける可能性も充分あると思っています。

 

とはいっても、一年間豪ドルが下げ続けて利益確定ができない事もあるかもしれません。毎月やることはとても地味なことばかりなので、将来大きく育つのを楽しみにしながら続けてまいります。

純ドルコスト平均法2014年 目次

2013/12/21


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