異業者両建での成功・失敗の目安
異業者両建取引とも呼ばれているスワップポイントサヤ取りの連載です。
今回は、両建ポジションを作った際の成功・失敗の目安についてご説明します。といっても、簡単なことです。スプレッドが狭く作れれば成功ですが、その目安が最初のうちはわかりにくいと思います。
既にご理解されている部分かもしれません。ただ、ポジションを作ってから悩んでしまうケースもあるので参考になればと思います。
両建ポジションスプレッド差の目安
もし、このスワップポイントサヤ取りで技術のようなものがあるとすれば、「いかに両建売買でスプレッドを狭くするか」というところです。
腕を磨いていくうえでもうまく出来たかどうかの目安は必要です。
でも、スプレッドが各社違うせいか、両建ポジションを作った後に混乱してしまうようなケースも多いようです。
今回の計算式を覚えておけば、その両建ポジションがうまく出来たかどうかの基準ともなるかと思います。
この計算式は、簡単です。
(A社スプレッド + B社スプレッツド) ÷ 2 = ●●銭
ポジションを作る前に、この式にあてはめて計算してみてください。
多分、この計算式で問題はないと思います。ただ数学に強いほうではないのでおかしな点があればご指摘頂ければ助かります。
私は、両建ポジションを作った後このスプレッドを一応の目安としています。
計算例
例えば、よく使う組合せの一つ「買い:大証FXー売り:DMMFX」の場合はこうです。
(1.0銭 + 1.9銭) ÷ 2 = 約1.45銭
両建ポジションを1.4銭以内で作れれば一応成功としています。大証FXは固定スプレッドではないので、時間帯によってスプレッドは1〜3銭くらいの幅で動きます、私は基本的に1銭が多くなる昼以降にポジションを作るようにしているので計算では1銭としました。
大証FXとFXプライム byGMOの場合はこうなります。
(1.0銭 + 3.0銭) ÷ 2 = 2.0銭
この間紹介した私のポジションはこうなっています。最近追加したポジションもあるのですが、複雑になるのでここでは最初のポジションだけで説明します。
- ポジション数 100万
- 買いポジション 大証FX 10.85円
- 売りポジション DMMFX 10.837円
- スプレッド差 1.3銭
先程計算した大証FXーDMMFXの目安が1.4銭ですのでそれよりもちょっと狭いので、私の中ではうまく出来たと思っています。ポジションをつくった時のスプレッドが2〜3銭になることもありますし、逆に0銭やマイナススプレッドでうまく出来ることもたまにあります。
決済時にも同様で、出来るだけ両方のポジションのスプレッドを狭く出来ればそれだけ利益が増えます。
連載で何度か書いていますが、両建ポジションの理想は「買いポジション=売りポジション」以上の条件でつくることです。上記ポジションでいけば、売りポジションが10.85円以上で作れれば理想的な状態です。
でも、南アフリカランドの両建でこの条件をいつも実現するのはかなり困難です。なので、くれぐれもこの理想形にはこだわらないようにしてください。
そして、ここで紹介した目安にもこだわりすぎないようにして下さい。
相場の神様は、とてもイジワルです。投資家が「こうなって欲しい」という方向にはなかなか動いてくれないときがあります。
無理しないでいきましょうね。
参考 豪ドルの場合
参考までに、豪ドルなどでスワッツプ金利サヤ取りをする際の両建スプレッド目安は「買いポジション値=売りポジション値」です。豪ドルなど主要通貨でこの運用法をやるときは、スプレッドが狭いので充分に狙えます。
買いポジションよりも売りポジションを高値で作ることもそれほど難しくはありません。
運用通貨によってこの辺は、いろいろと違ってくる部分です。
スワップポイントサヤ取り 目次
FX業者のスワップポイント差を利用した運用法、スワップポイントサヤ取りの連載です。為替リスクほぼゼロで利益を出していくのがこの運用法の長所です。2つのFX業者を使って行う運用法で、現在の通貨ペア別の最適組合せは以下を参考にされてください。
確実性が高い分だけ、利益率は低くなるのですが、安全重視の運用をしたい方に合います。ただ安全性確保には基本事項を守っていく必要があります。まずは、以下の記事で基本事項の確認ができます。
- 第1回サヤ取り 最強伝説
- 第2回スワップポイントサヤ取りとは?
- 第3回サヤ取り業者選定と最近の傾向
- 第4回FX売りポジション用 有力業者2社比較
- 第5回スワップポイントサヤ取り ポジション作成の目安
- 第6回FX両建て必勝維持のための300万決済
- 第7回資金管理編 基本形
- 第8回異業者両建て 銀行選びが案外重要
- 第9回FX両建て 資金移動のイメージ
- 第10回資金移動
- 第11回為替リスクほぼゼロであるがゆえの欠点
- 第12回FX含み益ポジションからの資金移動について
- 第13回スワップポイントサヤ取り 4つのリスク
- 第14回南アフリカランド円両建て スプレッドにご注意
- 第15回両建で失敗する人はほとんどこのリスクに引っかかる
- 第16回両建ポジション作成 4つのステップ
- 第17回異業者両建利益計算誤解の主因 評価損益計算方法
- 第18回両建運用 入出金にご注意 口座凍結・過去に遡って無効も有
- 第19回両建ポジションのスプレッドを狭くする工夫
- 第20回異業者両建での成功・失敗の目安
- 第21回南アフリカランド円暴落 じつはチャンス
- 第22回ゆるい円高は有利? FX両建都市伝説検証
- 第23回大証FXの運命とポジション作成お得な日
- 第24回FX両建て 利益を増やすための応用編
- 第25回南アフリカランド円売買タイミング検証
- 第26回南アフリカランド円買いで勝てるシナリオ作れず断念
- 第27回南アフリカランド円FX業者 裁量トレードはここを使う
- 第28回スワップポイントサヤ取り 手順まとめ
- 第29回株券担保FX スワップポイントサヤ取り編
- 第30回代用有価証券でFX両建 メリット・デメリット
- 第31回スワップポイントサヤ取り 最終回