大阪堂島米相場と純ドルコスト平均法 1億円ためてみよう第8回
純ドルコスト平均法は、堂島の米相場の相場格言「運・鈍・根」を実現するための要素を含んだ形でやっています。
「運・鈍・根」を実現したドルコスト平均法
私のドルコスト平均法は、豪ドル円で行っているサヤすべり取りのやり方も取り入れた形で行っています。サヤすべり取りの基礎は、●●▲■にまとめてあり連載でもたびたび取り扱ってきているので、すでにご存知の方が多いと思います。
参考:亀千人投資術 詳細
サヤすべり取りについて触れられているものは、林先生の本以外ではほとんどないのですが、最近1冊みつけました。その部分を少し紹介させていただきます。
運勢に関係なく儲ける人もいる。目立たない。たいくつするほど面白くない。ひたすらサヤすべりで稼ぐ。当てもの売買をやらない。人がみたら愚純なるやり方であろう。米相場の江戸時代から、この世界は「運・鈍・根」という(成功の秘伝) 〜相場開眼より引用
注目して頂きたいのは、一番最後の一文です。「運・鈍・根」を具現する投資法の一つがサヤすべり取りだという意味になっています。
実は、これは純ドルコスト平均法のやり方もこの考えにそうものです。純ドルコスト平均法にも「運・鈍・根」を実現する仕組みを入れてあるのです。
「運・鈍・根」とは
「運・鈍・根」は、大阪堂島の米相場の有名な格言のひとつです。相場成功の基本原則としてよく使われています。「運・鈍・根」の各語について「相場開眼」ではこう説明されています。
- 運・・・・天のいたずら
- 鈍・・・・賢くない側の行動
- 根・・・・根気
この相場格言は、この「運・鈍・根」を実現できて利益をだせるやり方を続けていくことが相場で資産を作る一番手堅い方法だと教えてくれています。これは、私なりの解釈ですけどね。純ドルコスト平均法で当てはめていくとこうなります。
毎月の積立をずっと続けていくのに一番大事なのは、この根気です。毎月毎月の作業は慣れてくると無味乾燥なもので飽きやすいところがあります。
それでも、コツコツ続けていくことで将来の資産作りができます。
このドルコスト平均法は、するどい閃きや相場観は必要としません。毎月買い続けるためには、むしろ相場変動に鈍いくらいのほうが向きます。
上げ下げの予測をせずに買うので、相場観を入れすぎず、できるだけ鈍感にやっていく方がうまくできます。
高いときは買い数量を減らし、安いときは買い数量を増やす。ドルコスト平均法では、自然にこの買い方ができます。こうして、買い平均値を下げておき、スワップポイントを受取りながら上昇期を待ちます。
「人事を尽くして天命を待つ」というこの状態は、「運=天のいたずら」を待つような感じと重なります。
下げ相場できっちりと買い平均値を下げておけば、いずれ「運=天のいたずら」の時が訪れます。
以上が、純ドルコスト平均法的「運・鈍・根」ということになります。
この「運・鈍・根」を説明すると、昔の米相場がとてもノンビリしているというイメージを持ってしまうかもしれません。この言葉だけみるとそう感じるかもしれませんが、現実はまるで違います。
当時の米相場の世界は、「一夜大名 一夜乞食」という格言が残るほど浮き沈みの激しい世界でした。相場に全財産そして命を賭けている方も多く、相場暴落時には取引所近くの橋から飛び降りて自殺する人もあり、死体で川がせき止められたという逸話も残っているほどです。
米相場でも現代のような短期売買が大流行したことが何度もあります。でも、その大流行で最後まで短期売買で生き残った人はほとんどいません。
これは、相場の歴史からの教訓です。大阪堂島の相場格言「運・鈍・根」は、その激しい興亡史を通じて最後に生き残っている投資家の共通項であるということは心に刻むべき事項です。
この点は、今のFXとも似ていますね。
時の流れとともに、流行のFX運用法は変化しています。でも、スワップ投資中心で基本をしっかりと守っている人たちは堅実に資産を増やし続けています。
私のサヤすべり取りは、米相場でも行われていたやり方に源流があります。そのやり方をFXに応用してやっているのが私のスワップ投資です。今も昔も「儲かるやり方」は共通しているのだと改めて感じる次第です。
あとは実践で証明
今後も「運・鈍・根」を守って続けていくことで、運用資産は徐々に増えていくことになるでしょう。今のところは順調です。
とはいえ、この純ドルコスト平均法自体は実践して2年程度ですので、これだけで今後もこの調子でやっていけると断言はできません。
私はこれまでかれこれ10年以上ドルコスト平均法で利益をだしてきたという経験があります。この経験を活かして純ドルコスト平均法も「運・鈍・根」を実現できる運用法として育てていくつもりでいます。
当然ながら、実際の運用をしながらそれを証明していくことになります。
ドルコスト平均法のメリットや効果についての説明はここまでです。次回より売買ルールに入っていきます。
1億円ためてみよう 目次
- 第1回:「メルマガ読者1億円計画」
- 第2回:月1万円積立で1億円となるペース維持
- 第3回:誰にでもできてあまり差がでない資産運用
- 第4回:メリットその2:豪ドルの相場観ほぼ不要
- 第5回:メリットその3:自分のペースでできる
- 第6回:大損失とドルコスト平均法
- 第7回:FXで儲からない理由とドルコスト平均法
- 第8回:大阪堂島米相場と純ドルコスト平均法
- 第9回:資金管理ルール2014
- 第10回:予備資金をお忘れなく
- 第11回:売買ルール
- 第12回:買い平均値を基準に判断
- 第13回:レバレッジ4倍を投下するタイミング
- 第14回:豪ドル円暴落周期性のまとめ
- 第15回:3年目以降の大損防止ルール
- 第16回:利益確定ルール留意事項
- 第17回:高値掴み防止ルール
- 第18回:全ポジション決済のルール
- 第19回:FX利益確定 2000pips狙いの理由
- 第20回:ドルコスト平均法 損きり不要の理由
- 第21回:円安で焦るときのFX対処法
- 第22回:FXでのルール破りするときの考え方
- 第23回:低スワップポイント時代の対応
- 第24回:低レバレッジが大勝利の鍵
- 第25回:暴落相場で勝負できるための3つの要素
- 第26回:場帖・グラフ使ってドルコスト平均法をしたい方へ
- 第27回:円安インフレ時代への準備はできていますか
純ドルコスト運用法の運用ルール及び成績は以下のページにてまとめてあります。