暴落相場で勝負できるための3つの要素 1億円ためてみよう第25回
暴落相場でしっかりと買うというのは、スワップ投資家の永遠のテーマのようなところがあります。ほとんどの場合、高値圏でつくった買いポジションの含み損膨張で苦しんだりすることで買いポジションを増加させて勝負しようなどという気持ちが萎えてしまうからです。
私自身もそういう経験を何度もしてきました。現在も暴落相場で少しは買えるようになったものの、まだまだ満足に買えるレベルまではいっていません。でも、暴落相場でしっかりと勝負できれば最終的な利益額は何倍にもなることも体験できるようになってきています。
今回は、私が下げ相場で買い続けられるようになった理由をまとめました。
下げ相場で勝負できるための3つの要素
今回が、純ドルコスト平均法実践上の心理的な注意点の最後です。
「下げたら大きく買える仕組みを維持する」
連載の中でも、重複する部分が多いのはわかっているのですが、忘れないで欲しい部分なのでもう一度書かせていただきます。ドルコスト平均法は下げたときが真の稼ぎ場であり、そこでしっかりと買える準備が大切であることを前2回で書きました。でも、実際に勝負するには3つの要素に留意する必要があります。
下げ相場で勝負するための3要素とはこれです。
- 資金的余裕
- 心理的余裕
- 売買ルール
これら3つが揃ったときに「大底圏でしっかりと買える」ようになると私は思っています。この3つの要素は、3段階の形で考えるとわかりやすくなります。
株でもFXでもそうなのですが、大きく下げたときに「買いたいけど資金がない」という経験をすることがあります。それまでの下げてほとんどの資金を使ってしまい、底をついてしまうケースです。
「もっとお金があればここは絶対買いだよな!」
下げ相場をみながら、こんな悔しい思いをした経験は誰しも一度はあるでしょう。暴落相場では含み損が急激に膨らんでいることも多いため、相場が転換するまでは夜も眠れず苦しんでしまうこともあります。
でも、人間は賢いのでこういう経験を何度もすると段々と資金的余裕が作れるようになります。
しかしながら、経験豊富な方は既にお気づきでしょうが、資金的余裕ができるようになっても、「大底圏でしっかりと買える」ようにはなりません。
資金的余裕が作れるようになって「大底圏でしっかりと買える」ためには、別の要素が必要だからです。
資金的余裕ができて大きく下げても買えない大きな原因は「心理的余裕」が無いためでもあります。
それは、「暴落」や「含み損膨張」への恐怖心が強くなりすぎるために起きる現象です。ここをクリアしないと、下げ相場で資金的余裕があっても、買う勇気がだせず、指をくわえてみているだけとなります。
この心理的余裕は、スワップ投資家にはとても重要な要素となります。
スワップポイントを受取れるポジション中心で大きく稼ぐためには、ある程度下げたところまで待って、しっかりと買えるようになる必要があるからです。ある程度下げたところまで待てるようになれば、大損はしなくなり、精神的には安定した運用ができます。
大きく下げたところで大きく買うための心理的余裕を作りには、もう少し訓練や練習が必要です。例えば、サヤすべり取りであれば、それは日々1分の場帖・グラフ記入ということになります。
この練習方法は、投資法によっても違うため場帖・グラフにこだわる必要はありません。こういう日々の練習が自然に心理的余裕を作る効果をもたらします。
純ドルコスト平均法では、場帖・グラフを使用せずに心理的余裕を作っていくために別の方法を使っています。
練習と同様の効果を期待できるのが「売買ルール」です。売買ルールの長所の一つは「自分の背中を押してくれること」です。資金的余力はあるけど、心理的余裕がなくどうしても買えないということが誰にでもあります。
あまり無理をする必要はありません。
でも、いずれは「勝負どころではしっかりと勝負できる」ようになるのが理想です。純ドルコスト平均法は、それを意識した売買ルールをいくつもいれています。
- 高値圏では大きく買わない。
- 大底圏では大きく買う。
- 毎月買い続けるので自然に大底圏を拾える
本当の稼ぎ場が暴落相場であることは、既に書きました。売買ルール全体が、その稼ぎ場で勝負できる心理的余裕を作ることを意識したものにしています。
こういう売買ルールがあることで、暴落相場のなかで更に大きく下げそうな時でも自分の中に「冷静なときに作った自分のルールがそういっているんだ。買うしかない」という気持ちにさせてくれます。
この売買ルールの一押しが、後からみれば大きな利益を生み出してくれます。
少しづつ慣れていけばよい
でも、いきなり全てをうまくやることはできないはずです。この売買がうまく回っていくためには、ある程度の慣れが必要です。この3要素を意識していなくても問題はありません。自然にこの流れが会得出来るようになるのがドルコスト平均法の長所だからです。
スワップ投資初心者の方は、純ドルコスト平均法を始めて最初の下げはどうしても怖いだろうと思います。無理はする必要はありません。最初の下げは売買数量をルール以下に減らして様子をみてもいいんです。
純ドルコスト平均法は、長期間続けることで大きな資産を作っていくやり方です。
この投資法での私の運用資産は、まだ250万円程度です。でも、去年の連載時にはまだ100万円無かったんです。他のFX投資法に比べれば、増え方はゆっくりかもしれません。でも、積立形式で誰にでも出来る方法として継続していけそうな手応えは感じています。
一緒に積立をしている皆様、将来のためにしっかりとやっていきましょう。
1億円ためてみよう 目次
- 第1回:「メルマガ読者1億円計画」
- 第2回:月1万円積立で1億円となるペース維持
- 第3回:誰にでもできてあまり差がでない資産運用
- 第4回:メリットその2:豪ドルの相場観ほぼ不要
- 第5回:メリットその3:自分のペースでできる
- 第6回:大損失とドルコスト平均法
- 第7回:FXで儲からない理由とドルコスト平均法
- 第8回:大阪堂島米相場と純ドルコスト平均法
- 第9回:資金管理ルール2014
- 第10回:予備資金をお忘れなく
- 第11回:売買ルール
- 第12回:買い平均値を基準に判断
- 第13回:レバレッジ4倍を投下するタイミング
- 第14回:豪ドル円暴落周期性のまとめ
- 第15回:3年目以降の大損防止ルール
- 第16回:利益確定ルール留意事項
- 第17回:高値掴み防止ルール
- 第18回:全ポジション決済のルール
- 第19回:FX利益確定 2000pips狙いの理由
- 第20回:ドルコスト平均法 損きり不要の理由
- 第21回:円安で焦るときのFX対処法
- 第22回:FXでのルール破りするときの考え方
- 第23回:低スワップポイント時代の対応
- 第24回:低レバレッジが大勝利の鍵
- 第25回:暴落相場で勝負できるための3つの要素
- 第26回:場帖・グラフ使ってドルコスト平均法をしたい方へ
- 第27回:円安インフレ時代への準備はできていますか
純ドルコスト運用法の運用ルール及び成績は以下のページにてまとめてあります。