FXスワップポイントの税金 2017
FXの魅力の一つでもあるスワップポイント、いつ課税されるのかも大切なポイントです。2017年の最新状況をまとめました。
2種類あるスワップポイントの税金
スワップポイントの税金について復習しておきましょう。FXでポジションを保有し続けると、スワップポイントが発生します。私のような長期保有ポジションが多い場合、累積したスワップポイントは結構な金額になります。低金利でスワップポイントが大幅に減ったとはいえ、2017年3月段階で数百万円のスワップポイント累積があります。
「この口座のスワップポイントはいつ課税されるのか?」
「ふるさと納税」などの節税策を行う上でも、これを把握しておくことは重要です。
このスワップポイントを利益として認識するタイミングはFX口座によって大きく2つに分けられます。
- 決済時スワップポイント課税タイプ
- 未決済でもスワップポイント課税タイプ
この詳細は、過去記事でまとめてありますので知識があやふやな方はご参照ください。
参考記事:スワップポイントの税金 まとめ
スワップポイントも世界的低金利の影響を受けて、ここ数年でかなり少なくなりました。そのせいか、この辺を意識する方も減ったような気がします。それでも、無税の範囲でFXをやる場合には使うFX口座の選定は税金がどうなるのかが最重要事項です。
パターンにご注意
基本的に「スワップポイント引出し可能」と宣伝しているFX口座は「未決済でもスワップポイント課税タイプ」に入ります。
ただ、これには例外もあります。問い合わせも多く、ちょっと誤解されているのがです。ではスワップポイントについてこう説明されています。
公式ページの「よくある質問」の中ではこう書かれています。
回答:スワップポイントや為替損益の評価損益は、有効証拠金に反映されますので、可能です。ただし、口座維持率(有効証拠金÷取引証拠金)が100%以下の場合は、出金できません。
これだけ読むと、が未決済でもスワップポイント課税タイプのFX口座だと勘違いしてしまいそうです。
これについては、公式ページ内の税金の質問の中ではこう解説されています。
回答:課税対象となる損益は、1月1日から12月31日の間での決済損益となりますので、未決済のポジションにおける含み益とそのスワップポイントは、課税対象になりません。
赤字の部分にを読めば、決済時スワップポイント課税タイプであることが確認できます。
この説明に従って、未決済のスワップポイントを引き出す使い方をする場合は充分にご注意ください。
スワップポイントを貯め続けて、それをほとんど引き出した後に決済した場合、手元にお金が残っていないのに多額の税金だけがかかるというケースがあり得るからです。スワップポイントも数年貯め続ければかなりの金額になります。
課税時期がいつになるかは、大切なポイントです。
スワップポイント振替制度の活用
FX口座の中には、未決済スワップポイントを完全に引出し可能にする振替制度をもっているところもあります。もともとは「未決済ポジションのスワップポイントだけを引き出したい」という要望に応じてできた制度です。
この制度、税金上も振替制度を使うかどうかでスワップポイントの扱いが違ってきます。
振替制度を使わずそのままの場合 | 未決済ポジションのスワップポイントはポジション決済した年に課税対象となる。 |
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振替制度を使って引出し可能にした場合 | 振替えたスワップポイントは振替た年に課税対象となる |
この制度を利用すると「決済時スワップポイント課税」だったスワップポイントが振替制度を使った年の課税対象利益となります。なかなか便利な制度ですが、今のところ振替制度を持つのは以下の3社です。
スワップポイント水準でみると、3社の中では外為どっとコム社とマネーパートナーズnano口座が高目です。ただ、どの口座も業界全体でみるとそれほど高い水準ではありません。
振替制度を持つFX口座は、税金をギリギリに抑えるような使い方をする場合にとても便利です。そのせいか、スワップポイントの水準がそれほど高くなくてもスワップ放置系投資家に根強い人気があります。
これらの口座のスワップポイントがなかなか高い水準にならないのは、振替制度で高人気という理由もあるのかもしれません。
マネーパートナーズの合わせ技
振替制度を持つマネーパートナーズは、もう一つ面白い制度を持っています。
「株券を代用有価証券としてFX証拠金の担保にできる」
代用有価証券ができるFX口座も数口座しかありません。マネーパートナーズは、その数口座の一つなのです。マネーパートナーズには「マネーパートナーズ」と「マネーパートナーズnano」の2種類のFX口座があります。代用有価証券が使えるのは「マネーパートナーズ」口座のほうです。
この制度を利用すれば、株式投資をしている方は、現金不要で株券を担保にFXのポジションを持つことができます。私も数年前より利用しています。
「代用有価証券」と「振替制度」の両方ができると、いろいろと有効な運用ができます。
- 現金不要でFX売買ができる。
- 低レバレッジでスワップポジションを持つと、配当金の上乗せ的にスワップポイントを受け取れる。
- スワップポイントが貯まったら振替えて株式購入資金にできる。
「FXポジションと株式」両方を長期保有したままで「配当金+スワップポイント」の2つの収入源を作るやり方です。
こんな具合に、FXと株式を融合した複利運用的なやり方が可能となります。
FX税金2017 目次
- 第1回FX税金対策開始は2月が最適
- 第2回2017年FX税金基本事項 マイナンバー元年
- 第3回値洗い制度(ロールオーバー形式)と建値維持形式の違い FX税金重要ポイント
- 第4回FX確定申告2017 書類記入手順と税金を減らすポイントのまとめ
- 第5回FX スワップポイント税金 2017
- 第6回FX税金をゼロにする方法と留意点 2017年版
- 第7回FX損失繰越2017年 やらずば後悔する理由
- 第8回専業トレーダーが税金・公的負担で覚悟しておくべき現実
- 第9回FX公的負担からみたサラリーマン⇒FXトレーダー独立目安
- 第10回専業トレーダーになって良かった 独立して良かった事
- 第11回FX損益合算 投資運用を勝利に導くための税金戦略
- 第12回ふるさと納税2017 FX利益利用時の注意点
- 第13回iDeCo(イデコ)2017 FX節税オススメ手段
- 第14回NISAとジュニアNISA 積立資金2倍計画実行中
- 最終回NISAとiDeCo(イデコ)で資産2倍の思惑
- 読者の声専業主婦の株式投資 特定口座「源泉あり」「源泉なし」どっちにすべき?