損失繰越はやらねば大損です
2017年3月15日にこの記事を書いています。先週末で2016年分の確定申告は終了しています。でも、もしもやっていないのであれば今からでもやっておいて欲しい事があります。それは損失繰越です。損失繰越なんて名前を聞くだけでも嫌になる方もいらっしゃるかもしれませんが、これは翌年以降儲けた時のための布石としても非常に重要なことです。
翌年以降どうすれば良いのかについてもまとめてみました。
今回は、損失繰越についてしつこく書かせていただきます。
損失繰越をやっておけば良かったと後悔する方多し
今年は損失だったから確定申告はしないという方もいるかもしれません。
毎年書いていますが、損失の年は「損失繰越」をしておくべきです。
そういうのは先週までに書くべきじゃないの?
もう手遅れじゃん!
ご意見ごもっともです。
でも、この時期に損失繰越について強調するのには意味があります。確定申告時期に損失繰越を強調しても、やらない人はやらないからです。
損失繰越の重要性は、もう5年以上も前から訴え続けています。私のブログ・メルマガ読者であればおそらく定着している知識のはずです。それでも、損失繰越をやらない方は多く、翌年以降利益が出てから「損失繰越をしておけばよかった」と後悔する方が多いのです。
そこで2017年は、確定申告の時期が終わって落ち着いてから「とっても重要な事を忘れていますよ!」と注意喚起することで、行動を即すという効果を狙ってみました・。確定申告後に手続きをするということもできるようです。私はやった事がないのですが、読者から「お願いしたらできました」というメールを頂いたことがあります。
参考:国税庁参考ページ:No.2024?確定申告を忘れたとき
もしも、2016年度が損失だったのであれば、損失繰越はやっておいた方が絶対に得です。
諦めないでくださいね。
今回の記事を読んで「やはりやっておこう!」という気持ちになったら、まずは税務署に相談してみてください。
では、「損失繰越の効果」の復習をしてみましょう。
損失繰越の復習
では、基礎知識の確認です。
2016年に残念ながら300万円ほどマイナスだったとします。2017年に400万円の利益になった場合でかんがえてみます。
2016年:損失300万円なので税金ゼロ⇒確定申告にて損失繰越
- 2017年:利益400万円
- 課税利益 400−300=100万円
- 納税額 100×20.315%=20.315万円
2016年:損失300万円なので税金ゼロ⇒確定申告でなにもせず
- 2017年:利益400万円
- 課税利益 400万円
- 納税額 400×20.315%=81.26万円
税金60万円の差は凄く大きいですよね。
損失を出した年は、損失繰越をしようとすまいと税金ゼロは一緒です。でも、その後3年間に利益を出したときの税金額が大きく異なります。
損失繰越の効果継続要件 翌年も確定申告必須
損失繰越の効果は3年間です。この効果を継続させるためには、毎年確定申告をする必要があります。
例えば専業主婦の方などで「今年は無税の範囲内に利益が収まりそうだから、確定申告はしなくても良いだろう」なんてケースです。
でも、この場合でも確定申告で損失繰越をしておかないと残っている損失繰越分が無駄になってしまいます。
また、こんなサラリーマンでも同様のケースがあるかもしれません。
サラリーマンの方が100万円の損失繰越をしたようなときです。
翌年のFX利益は19万円で他に雑所得は何もなければ、確定申告不要枠の範囲内です。
他に確定申告をする用事が無ければ、そのまま「確定申告をしない」で済ますこともできます。この辺は、前回記事FX税金をゼロにする方法と留意点で書いた部分です。
でも、ここで確定申告をせず損失繰越もしないで済ますとその効果は切れてしまいます。
つまり、その翌年に100万円くらいFX利益が出たときには損失繰越の枠を使うことはできません。
単純に利益100万円に税金がかかることになります。
もしも、19万円の年も損失繰越をしていれば、翌年は100−19=81万円の損失繰越の枠が残っています。100万円の利益であれば、100−81=19万円が申告上の利益となりますので税金を大幅に圧縮できることになったはずです。
損失繰越をやるかやらないかで、翌年以降の税金に本当に大きな差が出ます。
損失繰越 損をするのは投資家 喜ぶのは誰?
「損失繰越なんで面倒臭い」
こう思っている方は沢山います。特に今まで確定申告をしたことがない人ほど嫌がります。
でも、何事も経験です。
FXは利益が出れば、基本的に確定申告をしなければいけません。その意味では損失繰越をやりながら、慣れておくという感覚で取組むとよいです。
ここで面倒がって本当に損をするのは他でもない貴方自身です。そして、喜ぶのは税金を徴収する側の人々です。損失繰越をせずに済ますというのは、将来払う税金を増やし、税金を徴収する側の人々を喜ばす行為にすぎません。
そんなに、喜ばせてどうするんですか?
私は、そこまで税金を払うのは嫌です。
翌年以降の対策 損失繰越を取り返すには
FXは、欲さえ出さなければ利益を出していくのは難しくありません。その証拠に、私が公開している口座もほとんどが利益を出しています。
あまりに短期で成果を出そうとされていませんか?
いきなり資産を2倍・3倍にしようとすると、どうしても無理が出てしまいます。
損失を出した翌年は、少し堅実にやって調子を整えておくという考え方でも良いと思います。じっくりやることで見えてくるものだってあります。そうすれば、損失繰越をした分は翌年以降の利益として有効に活用していけます。合計でみれば、税金もかなり節約できるはずです。
損失繰越は、やっておかないと後で本当に悔しい思いをします。2016年分の損失を損失繰越しないでしまった方は、今からでも手続きできるかどうか確認をされることを強くおすすめいたします。
損失繰越 まとめ
損失繰越の仕組み、重要性についてまとめました。翌年以降、FXで大きな利益を出すつもりだからこそ損失繰越はしっかりとやっておきましょう。
FX税金2017 目次
- 第1回FX税金対策開始は2月が最適
- 第2回2017年FX税金基本事項 マイナンバー元年
- 第3回値洗い制度(ロールオーバー形式)と建値維持形式の違い FX税金重要ポイント
- 第4回FX確定申告2017 書類記入手順と税金を減らすポイントのまとめ
- 第5回FX スワップポイント税金 2017
- 第6回FX税金をゼロにする方法と留意点 2017年版
- 第7回FX損失繰越2017年 やらずば後悔する理由
- 第8回専業トレーダーが税金・公的負担で覚悟しておくべき現実
- 第9回FX公的負担からみたサラリーマン⇒FXトレーダー独立目安
- 第10回専業トレーダーになって良かった 独立して良かった事
- 第11回FX損益合算 投資運用を勝利に導くための税金戦略
- 第12回ふるさと納税2017 FX利益利用時の注意点
- 第13回iDeCo(イデコ)2017 FX節税オススメ手段
- 第14回NISAとジュニアNISA 積立資金2倍計画実行中
- 最終回NISAとiDeCo(イデコ)で資産2倍の思惑
- 読者の声専業主婦の株式投資 特定口座「源泉あり」「源泉なし」どっちにすべき?