FX税金をゼロにする方法と留意点 2017
FXの税金を出来るだけ払わずに済ますという要望はかなりあります。条件さえ揃えば可能なのですが、留意点も多いのでまとめておきます。
FX税金ゼロの基準
FXは基本的に確定申告をしたほうが有利になります。ただ税金ゼロの範囲に利益を抑えたいというニーズもあります。その際の無税枠は職業によって違ってきます。
- サラリーマン 雑所得20万円以内
- 専業主婦・自営業 住民税基礎控除33万円以内
それぞれ留意点があります。
サラリーマンの雑所得20万円は全雑所得を併せた金額です。正確にはこう書かれています。
- 給与を1か所から受けていて、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く)の合計額が20万円以下の人
- 給与を2か所以上から受けていて、年末調整をされなかった給与の収入金額と、各種の所得金額(給与所得、退職所得を除く。)との合計額が20万円以下の人
なので、単純に「FXの利益が20万円以下だから問題なし」とはなりません。FX・ソーシャルレンティング・アフィリエイトなど他分野の収入も合計して20万円以下となる必要があります。
また、医療費控除や住宅ローン控除などで確定申告が必要となる方はこの20万円の枠は使えません。この20万円は、正確には「確定申告不要枠」なので確定申告が必要な方は使えないということになります。
そして、「年末調整をしていない方は利用できません」。サラリーマンであれば、基本的に勤務先で年末調整をしている思われるのですが、雇用形態によってそうではないときもあります。
専業主婦・自営業でも基礎控除の範囲内であれば税金ゼロになるのですが、これも他の所得を合算してということになります。
自営業の方は、収入がないと生活していけないということにもなるので実際にはFXで1円でも利益が出たら申告をする必要がでてきます。
こういった感じなので、実際に税金ゼロに出来る方は限られます。
ただ、FX以外に何も収入がない専業主婦の方など問題なくこの枠が使える方も存在します。その時に、有効活用できるのがスワップポイント振替制度です。
スワップポイント振替制度の活用
前回、スワップポイント振替制度についてご紹介しました。
前回記事: FXスワップポイント税金2017 振替制度と代用有価証券制度の活用
スワップポイント振替制度は、こういうときに有効活用できます。そのやり方は、下記にてまとめてあります。
スワップポイントは、数年前に比べると大分低くなりました。そのため大き目のポジションでも税金のかからない範囲に収まることも多くなっています。そういう視点で考えれば、この税金のかからない範囲でやる方法が有効になるケースは数年前よりも多いかもしれません。
でも、金利情勢に左右されるスワップポイントは年間受取額の調整は難しいところがあります。
スワップポイント振替制度のあるFX口座なら、その点便利です。
仮に、その年に100万円スワップポイントが発生してもその年は30万円だけスワップポイント振替制度を使うということもできるからです。
この方法でも、ポジションを決済して利益がドカンとでた年には、きっちりと税金を払うことになります。でも、それ以外の数年は税金の節約ができます。ずっと続けていくとその節約分はかなりの金額になります。
毎年30万円ずつ無税枠を活用したとすれば、毎年約6万円の税金節約になります。これを5年続ければ30万円の節約になります。
このスワップポイント振替制度を使った方法は、いずれ使えなくなる可能性もあります。課税側の論理として租税回避行為・繰延行為とみなされるやり方は規制されることがあるからです。
ただ、それも「規制によってどれだけ税金が増えるか」がポイントになるはずです。
FXでスワップ投資をする人は昔に比べればかなり減りました。
派手な売買を好む方も多く、利益を敢えて無税枠に収めようとしている方もそんなに多くはないのかもしれません。税制の改正や規制は、それを実施することで大きな税収アップが望めそうなもので実施される傾向があります。その意味では、人気後退気味のスワップ投資の節税法などは「規制するほどのことはない」という判断の元、ここで紹介した方法が規制が入らずずっと使えるかもしれません。
もしも、制度変更があればこれまで通りメルマガにてお知らせしていきます。以上、税金ゼロ枠が活用できそうな方の参考になれば幸いです。
無理に税金をゼロに抑える運用はおすすめしません
「今年の利益は無税枠を超えそうだから、もう利益を出さないようにしよう」
FX投資家の中には、このような発想でわざと利益を小さくしようとする方がいます。私は、スワップ投資以外でこのようなパターンの運用をするのは止めた方が良いと思っています。
- 利益を抑えるのは誰でもできる。
- 損失を抑えるのはどんな達人でも難しい。
- なので、利益を抑えていたら大損したときの取り返しが効かなくなる。
こういう流れによる大損パターンは、意外にあるのです。FXブログで運用公開している方の中にも、このパターンでやられている方が結構います。
スワップ投資でもそうですが、FXで大きく稼げそうなときはきっちりと稼いでおくべきです。税金を気にして利益を少なくしてしまうのは、本末転倒とも言える行為です。大きく稼げるチャンスの年は、税金をきっちりは払うつもりでしっかりと稼ぎましょう。
FX税金2017 目次
- 第1回FX税金対策開始は2月が最適
- 第2回2017年FX税金基本事項 マイナンバー元年
- 第3回値洗い制度(ロールオーバー形式)と建値維持形式の違い FX税金重要ポイント
- 第4回FX確定申告2017 書類記入手順と税金を減らすポイントのまとめ
- 第5回FX スワップポイント税金 2017
- 第6回FX税金をゼロにする方法と留意点 2017年版
- 第7回FX損失繰越2017年 やらずば後悔する理由
- 第8回専業トレーダーが税金・公的負担で覚悟しておくべき現実
- 第9回FX公的負担からみたサラリーマン⇒FXトレーダー独立目安
- 第10回専業トレーダーになって良かった 独立して良かった事
- 第11回FX損益合算 投資運用を勝利に導くための税金戦略
- 第12回ふるさと納税2017 FX利益利用時の注意点
- 第13回iDeCo(イデコ)2017 FX節税オススメ手段
- 第14回NISAとジュニアNISA 積立資金2倍計画実行中
- 最終回NISAとiDeCo(イデコ)で資産2倍の思惑
- 読者の声専業主婦の株式投資 特定口座「源泉あり」「源泉なし」どっちにすべき?