FXオプション 魅力と破綻リスク
FXオプションには大きな魅力があります。その反面、大きな損失を経験している人も多いという大きな破綻リスクも持っています。今回の記事が、FXオプション正しい理解のための一助となれば幸いです。
今回連載記事を初めて読まれる方へ
当連載を初めて読まれる方は第一回からお読みになることをおすすめします。
このページの中ほどにある「2018年度 純ドルコスト平均法FX積立2018」が当連載の目次となっております。
FXオプションの魅力
今の私にとって、FXオプションの魅力は2つあります。
- リスク限定で利益を追いかけられる。
- 手持ちポジションを活かして収益を増やす形を作れる。
コール及びプットともに、「買い」ポジションはリスク限定して利益を追いかけることができます。
これに対して、「売り」ポジションはリスクはあるものの利益を出しやすい仕組みになっています。
FXもFXオプションも同じ為替レートを利用した投資商品です。
なので、リスクの度合いは本来FXとFXオプションは同じです。損益の違う2つの投資商品を組み合わせれば、目的に応じた柔軟な運用が出来るようになります。
組み合わせが無数にありすぎて使いこなすのは難しく感じている方もいるかたもしれません。
私も最初はそう思いました。
でも、今は違います。
「使い方を限定して、ルールを作って工夫していけばよい」
FXオプションは、魅力的な使い方が沢山あります。でも、あれもこれもと手を出していたら、多分利益にはなかなかつながりません。
手法研究に夢中になりすぎると、「利益を出す」という本当の目的がおろそかになってしまいがちだからです。
私はこの考え方に基づいて、「FX積立のヘッジ」「サヤすべり取りの収益向上」に限定してFXオプションの活用を検証しているところです。
FX積立でのFXオプション活用アイデア
細かい説明は割愛させていただきますが、「カバード・コール」と呼ばれる方法を軸にルールをまとめているところです。
「カバード・コール」概要は、先日の記事にまとめてあります。
具体的には、SBIFXトレード口座の豪ドル円買いポジションはそのまま保有してサクソバンクFX口座で「コールオプションの売り」を仕掛けていく形になります。
豪ドル円買いポジションを残したまま、利益を上乗せしていくやり方です。
下げ相場で利益を出していくFXオプションとしては、「プット・オプションの買い」と「コール・オプションの売り」の2つがあります。
この両者の違いは以下の記事も参考になるかと思います。
「プット・オプションの買い」は、利益になる確率は低目なのですが、下げ相場で大きな利益を狙うのに向いています。
これに対して、「コール・オプションの売り」は利益額は少な目なのですが利益になる確率は高目という特徴があります。
FXの買いポジションを残したままで利益を上乗せしていくのであれば、「コール・オプションの売り」を使うの方が合っていると感じています。
こんな形で、FXオプションを使って「買いポジションを保有したまま利益を増やす」ことを2018年から始める予定です。
繰り返しとなりますが、いまFX積立をしている人がすぐにオプションを始める必要はありません。
まずは、私の売買を通じて、どういう売買をしてどういう成績となるのかをみて下さい。
軽くみてはいけないFXオプションリスク
もしも、今回の連載でFXオプションにご興味を持たれたのであれば、まずやって欲しいことがあります。
ネット上で、オプション運用の失敗例をみておいて欲しいのです。
「オプション 大損」「オプション 失敗」「オプション 破産」などのキーワードで検索すればいろいろと出てくるはずです。
結構な方が、大きな損失を出しているということも確認できます。特に、「どのような相場展開・どのようなポジション戦略で大損したのか」は事例のポイントを抜き出して整理しておくのをおすすめします。
オプションは魔法の杖ではありません。
証券会社の中にも、オプション運用の失敗が原因で経営が傾いたところがいくつもあります。
実は、表には出ていませんがFX会社の中にもオプション運用が失敗で経営が傾き買収されてしまったところもあるのです。
どれだけのリスクがあるのかを、まずはしっかりと頭に焼き付けておいてください。
私がオプションを知ったのは、20数年前です。大学卒業して証券会社に入ったころに日経225オプション取引に出会い、一時は夢中になりました。
当時のお客様を通じて何度か取引も経験しています。
それからずっと多くの事例を見続けてきたのでオプションの怖さはよく理解しているつもりです。
オプションはいわば「劇薬」です。
でも、劇薬も使い方次第では「良薬」となります。
良薬として使う基本原則は、「量を抑えて使用すること」です。
FXオプションも、安全にやるためにはこの使い方が正解です。
私は、FXポジションを主役としてFXオプションを活用していきます。
FXポジションを超えるような過剰なポジションは持たない方針です。
オプションの使い方も、3つくらいに絞って複雑なポジションは避けます。
使い方を絞り込む理由は、複雑なポジションに夢中になってしまうと、どんどんポジションが膨らんでしまってしまうリスクを避けるためでもあります。FXポジションの収益を安定させることを第一目標にして活用していく予定でいます。
純ドルコスト平均法FX積立2018 目次
- 第1回資産加速への課題 純ドルコスト平均法FX積立2018
- 第2回気づきその1:決済なくとも積立複利5%確保
- 第3回気づきその2:下げ相場でも攻めていけた
- 第4回気づき3・気づき4:なぜ、FX積立は誰にでもできるのか?
- 第5回体験してわかったデメリット部分:気づきその5・その6
- 第6回FX積立の複利運用体制整う 気づきその7
- 第7回リアルFX積立 ドルコスト平均法効果比較 気づきその8
- 第8回純ドルコスト平均法FX積立毎月5分の手順 2018年版
- 第9回FX積立 2つのルール追加と課題
- 第10回FX積立のためのFXオプション知識
- 第11回FXオプション 4つの基本パターン損益の出方整理
- 第12回FXオプション 魅力と破綻リスク
- 第13回FX積立でのFXオプション活用ルール
- 最終回FX積立とループイフダン 成功の共通項
- 番外編FX積立 利益確定後の買い方 3つのポイント