FXオプションメモ 〜暴落相場対応としての使い方
暴落相場で恐怖におののいた経験は、投資家の誰もが経験するところです。オプションを使えば、その恐怖を軽減できます。私も次の暴落相場などでは、手持ち豪ドル円買いポジションのヘッジとしてオプション活用を検討中なのです。この記事は、私自身のルールを作っていくためのメモ的存在です。
FXオプションは、サクソバンクFXが提供しています。
暴落相場対応 方法は大きく2つ
暴落相場に対応する方法は、大きく2つあります。
- コール・オプション売り
- プット・オプション買い
コール・オプションの売り
ポジション作成時の85円のコール・オプションがプレミアム(売買代金のこと)が1.00だったとすると、コール・オプション(買う権利)を売ることで、権利行使日に豪ドル円が84円以下であれば10万通貨で10万円受け取れます。
他の為替値であれば、以下のような収支となります。
- 90円:(85+1−90)×10万通貨=−400,000円
- 88円:(85+1−88)×10万通貨=−200,000円
- 86円:(85+1−86)×10万通貨=0円
- 84円:プレミアム1円×10万通貨=100.000円
- 80円:プレミアム1円×10万通貨=100,000円
下げの見通しが少し狂っても豪ドル円が86円以内であれば利益となります。
仮に大きく狂って豪ドル円が大幅に上昇するようであれば、FXの売りポジション10万通貨とほぼ同じスピードで損失が増えていくことになります。
コール・オプション売りは、利益が限定されるものの利益を出しやすいのがメリットですが、見通しが狂ったときの損失は通常のFXポジションと同じ規模になるというリスクがあります。
プット・オプション買いの場合
プット・オプション買いポジション作成時の85円のプット・オプションがプレミアム(売買代金のこと)が1.00だったとします。この場合、権利行使日にプレミアム代金以上に下落していれば利益がでる形になります。
プット・オプション(売る権利)を買いでも似たような設定で試算してみましょう。、
- 90円:プレミアム代金1円×10万通貨=−100,000円
- 88円:プレミアム代金1円×10万通貨=−100,000円
- 86円:プレミアム代金1円×10万通貨=−100,000円
- 85円:プレミアム代金1円×10万通貨=−100,000円
- 84円:(85−1−84)×10万通貨=0円
- 80円:(85−1−80)×10万通貨=400,000円
プット・オプション買いは、メリットとリスクが「コール・オプションの売りに比べて逆転する感じになります。
先程のコール・オプションの売りと「利益の出方」「損失の出方」「収支0円となる為替値」などを比較すると、その特徴がわかりやすいと思います。
プット・オプションの損失は最大10万円に限定されます。仮に、大幅に見通しが狂っても大損することはなくなるというのが大きなメリットです。更に、大きく下落するようであればFXの売りポジションとほぼ同じ形で利益が増えていくことになります。
その代わり、利益となる水準はコール・オプション売りよりも下になります。
FXオプションは、この辺の特徴を把握しながら、使い分けていくことになります。
私のFXオプション活用の目的の一つは「暴落相場への対応」です。
私は、豪ドル円買いポジションを常時保有しています。例え「もっと下げ下げそうだ」と感じていてもある程度のポジションは保有し続けるルールでやっている運用法がいくつかあるためです。十分な資金的余裕を持たせているとはいえ、大きな暴落相場では少々不安な気持ちになることもあります。
もう少しストレス減らしたいんですよね。
そして、「大きな下げ相場では、たまに利益も得られるといいかもしれない」とも思っています。FXの売りポジションで下げ相場を攻めると、反動高した場合には相応の損失を計上してしまうことになります。
買いポジションを保有したまま、売りポジションで攻めると両建てポジションとなることもあって、ポジション操作を間違えると全体がグチャグチャになってしまうこともあります。
損失を限定させ、あわやくば利益も得たい。
こういう趣旨だと、先程のケースでは「プット・オプション買い」の方が合うかなと思っています。
方針が「プット・オプション買い」と決まったら、次は「どのプット・オプションで攻めるべきか」ということになります。
「為替値」と「期限」が細かく分かれているんです。
現実のプット・オプション プレミアム
これ、2018年2月19日の現実のプット・オプションの提供値の一部です。
豪ドル円が84円前後のときのものですので、84円がストライクゾーンとして黄色くなっています。
この84円部分は権利行使値と呼ばれています。83円・82円と一定値幅ごとに権利行使値が縦に並んでいます。
左にある0.948というのがプレミアムです。10万通貨売買する場合はこの10万倍という計算式になります。0.948×10万通貨=94,800円という感じです。売買は1万単位でできます。
売買するFXオプションにはすべて期日があります。
この0.948の上に「07−3−2018」となっています。説明不要かもしれませんが、「2018年3月7日」の意味です。この列は、3月7日に期限が到来するプット・オプションのプレミアムということになります。
つまり「2018年3月7日期限 豪ドル円84円のプット・オプションのプレミアム代金が0.948」という読み方をします。
このプット・オプションを買って、純粋に利益が出始めるのはここから豪ドル円が更に0.948円以上下げてからです。
暴落相場では一気に下げることもある値幅ですが、往来相場突入になるとこのプレミアム回収分下げずに期限がくることもある微妙なところです。
ただ、プット・オプション活用の趣旨は、「暴落相場突入したときの恐怖を減らしたい」ということですので、これで良いかなと思っています。
この84円の権利行使値のプット・オプションは0.948ですが82円の権利行使値のプット・オプションは0・379です。
「82円 プレミアム0.379」のプット・オプションは豪ドル円が81.621よりも下がらないと利益にはなりません。でも、暴落相場へのリスクヘッジであれば、万が一の安心料としてこのプット・オプションを買っておくというのも有効かなと考えています。
このプット・オプションのプレミアム代金は、10万通貨数万円と見ると高い気もするのですが、日割りにするとそれほどでもないこともあります。
考え方として、「ちょっと高いマイナススワップポイント累積分」という見方もできます。買いポジションに貯めておいたスワップポイントをこういう時期に使っていくような発想で使っていこうかとも考えています。
幸い、豪ドル円は、まだ暴落相場が到来するような感じではありません。こういう余裕のある穏やかな時期にこそ、しっかりと次の一手を考えておくつもりです。
FXオプションは、安定運用のために有効に使えそうです。