30分でできるMT4EAパラメーター変更 MT4入門第13回
ここでは5本移動平均線を使っているけど10本にしたらどうなるだろう?
チャートをみながら、こんな疑問を持ったことは誰でもあると思います。MT4では、ちょっとした知識があればこういう変更は簡単に出来てしまいます。今回は、移動平均線の期間変更をしてバックテストしてみましょう。この操作が出来ると10本の移動平均線の期間を15や20にするとEAの損益がどう変化するかが確認できるようになります。
最初は30分くらいかかりますが、慣れてしまえば数分です。教科書本「FXメタトレーダー入門」では、244ページ以降の部分です。
移動平均線の期間変更
では、EAのパラメーターを変更してみましょう。使うEAは、豊嶋先生の「FXメタトレーダー入門」購入者に提供されている「MACross_Exp.mq4」を使用しています。前回のバックテストで使ったのと同じEAです。このEAは2本の移動平均線が交差したときに売買が発生する仕組みになっています。プログラムでは、短期線10本、長期線40本となっています。
まず米ドル円(USDJPY)1時間足、2013年1月〜12月で普通にバックテストをします。バックテストの仕方は5分でできるMT4バックテストの手順で確認できます。私のMT4ではこういう結果になりました。
+1699.09ですのでこのままでも悪くないですね。でも、もっと良い組合せを探してみましょう。
バックテストに使用したストラテジーテスター画面の右側に「エキスパート設定」というボタンがあります。これをクリックします。
クリックして開いたなかの「パラメーターの入力」というタブをクリックすると変更可能な変数が表示されます。このEAでは、
FastMA_Period以下4つの変数が変更可能であることが確認できます。でも、この変数の意味がわからないと迂闊に変更は出来ませんよね。この確認はプログラムをみて行います。
プログラムを見るには「メタエディター(MetaEditor)」を起動させます。MT4画面上部にあるこのアイコンをクリックします。ちなみに、MT4のバージョンが違うとこのアイコンがダイヤの形になっていてちょっと違いますのでご注意ください。
開いたらExpertフォルダの中から「MACross_Exp.mq4」という名前のEAを探します。見つけたらダブルクリックするとこの画面のような文字だらけのプログラム内容が画面に表示されます。このプログラムの//パラメーターという赤枠で囲んだ部分をご覧下さい。
ここで各変数の意味が確認できます。
- FastMA_Period = 短期移動平均の期間
- SlowMA_Period = 長期移動平均の期間
- Lots = 売買ロット数
- Slippage = スリッページ
移動平均線の期間を変えるのであれば、FastMA_PeriodとSlowMA_Periodの2つの変数を変更すればいいのだということがわかります。豊嶋先生の本で提供されているEAはシンプルでわかりやすいので基本的にここで変数内容が確認できます。もしもここでわからない場合は、プログラムをみることになります。
一番簡単なのは、プログラムの中にある「int start()」の中をみることです。ここでは、iMA(NULL,0,FastMA_Period,0,MODE_SMA,PRICE_CLOSE,1)という感じで使われています。このFastMA_Periodのある場所は期間を示す場所なので、この変数は移動平均線の期間を示しているのだと確認ができます。
このiMA()などについてはこの連載で後で説明させていただきます。ここでは、こういう部分で確認するのだということだけ理解しておけば充分です。
変数の意味確認が出来たら変更してみましょう。
MT4画面に戻り、先ほどのパラメーター設定を開きます。そしてSlowMA_Periodを20に変更してみましょう。「バリュー」という部分の数字40をクリックして20と入力するだけです。変更したらOKボタンを押します。あとは、先ほどと同じ条件でバックテストをするだけです。
先ほどの変数変更後のバックテスト結果です。利益が+1699.09⇒+2002.14に増加しています。慣れるためにいろんなポターンで試してみて下さい。
MT4 質問しても回答が理解できない
MT4のプログラムを初めてみたとき、見た瞬間に「こんなのどうやって覚えるんだ」と気が遠くなる気分になりました。
こういう気持ちになったのは、私だけではないと思います。
でも、心配は要りません。その内容が完璧にわからなくてもEAは作れます。わからない部分も、EA作りをコツコツ続けていくうちにわかるようになっていくので問題ありません。
大事なのは、わからない事が出来たら検索して自分の頭で考えてみる習慣をつくることです。
質問はそれからです。
ブロガーさんの中には、質問に対して丁寧に答えてくださる方がいます。でも、自分の理解が進まないうちに質問してもその回答の意味がわかりません(汗)。
まずは、基本手順どおりにやって覚えましょう。
それと、同じ条件でやってもバックテスト結果が違うこともよくあります。これは、MT4業者さんでスプレッドや使っているデータが違うことやバックテストに使うデータが一部抜けていることがあるためです。ここでは、結果にあまりこだわらずに操作を覚えることに集中してください。
パラメーター変更は自作EA作りの第一歩
私は、今回のパラメーターの変更が自作EA作りの第一歩だと思っています。いろんな組合せでバックテストをしてみて数字がどう変わっていくのか遊び感覚でやってみてください。ここで沢山遊んでおくことが後々重要になってくきます。
ここは、「子供の成長」とちょっと似ていますね。
「沢山遊ぶことが子供の成長のために大切」
大体の育児書にはこれに似たようなことが書かれています。2歳までの息子をみていて「親の愛情」と「遊ぶこと」の2点がいかに重要なのかがよくわかりました。親の愛情が注がれることで子供は意欲的になりよく遊びスクスク成長すると言われています。
子供は、親に喜んでもらおうとか楽しいといった理由で遊んでいるだけなのでその意味などはわかっていません。でも、その遊びが運動能力だけでなく脳も活発にして大きな成長へと繋がっていきます。
親の愛情が注がれなければどうなるかは、ドイツのフリードリヒ大王の実験が有名です。
虐待も何もしていないのに、1歳までに全員亡くなってしまったんですよね。
我が子は、いろいろな事情があり生後6ヶ月くらいまでは親の愛情が薄い子でした。
そのせいか、いまでも成長は遅れ目です。まあ、遅めながらも障害もなく順調です。振り返ってみると、生後6ヶ月くらいまであまり遊ばなかったことが大きかったのかもしれないという気もします。今は家を壊しそうな勢いで遊んでいるのでもう心配はしていないですけどね。
あっ、FXから話がそれてしまいましたね。
元に戻します。
この後の最適化と今回のバックテストは、時間をみつけて沢山やっておくと良いです。そして、気づいたことがあればノートにメモをしておきましょう。
EAつくりは一種の数字の組合せのようなものです。良い数字の組み合わせをみつけるためには、定番パターンとともに「ひらめき」のようなものも必要となります。
EAつくりに何が正解ということはないのですが、普段からいろんな数字の組合せを試しておくことで、これらの基礎力を少しずつ養成していけると思います。
MT4入門 目次
MT4入門の目次です。
- 第1回日本人投資家のFX運用力はここ数年でかなりアップした
- 第2回MT4勉強 恩師MT4ブログとMT4教科書本
- 第3回MT4「表示通貨ペアの組合せ」
- 第4回MT4「罫線分析ツール」のチャート表示手順
- 第5回MT4定型チャート保存 自分だけの指標登録に便利な機能
- 第6回EAアイデアは「三上」活用がカギ 三上とは?
- 第7回MT4カスタムインジケータから表示する方法
- 第8回カスタムインジケーター MT4表示手順書
- 第9回GMMAをMT4に表示する手順
- 第10回MT4コンパイルの意味と手順
- 第11回MT4EA稼動までの8ステップ
- 第12回5分でできるMT4バックテストの手順
- 第13回30分でできるMT4EAパラメーター変更
- 第14回「MT4で文字化け」したら読む記事
- 第15回MT4最適化手順とマイナス結果表示の意味
- 第16回MT4無料EAだれでもできる大量入手法