サヤ取りはどうやって利益を出すのか【NYダウー日経225編】
今回は、サヤ取りで利益が出る仕組みについてまとめました。
サヤの拡大・縮小を利益に変えていくためには、両建てポジションが基本になります。
なぜ、両建てポジションで利益がでてくるという流れをまとめました。
サヤとは価格差のこと
前回買いていなかったのですが、「そもそもサヤって何だ?」という疑問もあるかもしれません。
サヤ取りの「サヤ」というのは「価格差」のことです。
この価格差はNYダウと日経225の値とともに日々変動しています。
その価格差変動を利益に変えていくのがサヤ取りという運用法です。
サヤ取り どんな売買をするのか
NYダウー日経225サヤ取りがどのような売買をしていくのかについて今回はご説明します。
サヤ取りは、その性質上「両建て売買」が通常の姿になっています。
ちょっとややこしい感じがするかもしれませんが、仕掛け方は2種類しかありません。
「拡大を狙った仕掛け」と「縮小を狙った仕掛け」の2種類です。
- 拡大を狙った仕掛け
- 縮小を狙った仕掛け
サヤの変動自体「拡大」と「縮小」の2種類だけです。そして、それぞれを取る仕掛け方も一つあるだけです。
この2つの仕掛けを、日々のサヤ変動をみながら、「拡大の流れなのか縮小の流れなのか」を見て仕掛けていきます。
この流れは、「売り」と「買い」しかない通常の裁量トレードとほとんど同じです。
裁量トレードの「売り」「買い」の判断が、サヤ取りでは「拡大」「縮小」に変わっただけです。
NYダウー日経225 利益の出る仕組み
仕掛けの形は、図をもとに「利益をどうやって出すのか」について説明させていただきます。
数字を入れた方がわかりやすいと思うので、大雑把ですがこんな感じにします。
- NYダウ 25000
- 日経225 22000
- サヤ 25000−22000=3000
現在のNYダウと日経225のサヤが3000と仮定します。
このサヤが今後「拡大」と見るタイミングでは「拡大を狙った仕掛け」を入れていきます。
逆に、「縮小」と見るタイミングでは「縮小を狙った仕掛け」を入れていきます。
「拡大」とみるか「縮小」とみるかで、作るポジションが違ってきます。
まずは、「拡大を狙った仕掛け」からご説明します。
拡大を狙った仕掛け
これは、サヤが拡大するときのNYダウと日経225の値動きのイメージ図です。
値動きにはいくつかのパターンがあるのですが、「拡大狙い」のポジションの作り方は同じです。
なので、ここでは一番わかりやすい「買いポジションも売りポジションも利益になるパターン」を図にしています。
これを「基本パターン」としておきます。
- NYダウが上昇
- 日経225が下落
こう動いてくれれば、拡大狙いの仕掛けで利益が出せます。
この拡大で利益を狙う時には次のような仕掛けを入れます。
- NYダウ買い
- 日経225売り
先程仮定したのNYダウと日経225の値で損益を計算してみます。
- NYダウ 25000
- 日経225 22000
- サヤ 25000−22000=3000
ここで図の通り「NYダウが上昇」「日経225が下落」したとします。
例えば、こうです。
- NYダウ 25000⇒27000に上昇
- 日経225 22000⇒20000に下落
- サヤ 27000ー20000=7000
この場合、サヤは3000から7000に拡大しています。
サヤ取りポジションを1枚保有していたとすれば、売買はこうなります。
NYダウ 27000売り決済
- 収支:27000−25000=利益2000
- 利益額:2000×100=20万円
日経225 20000買い決済
- 収支:22000−20000=利益2000
- 利益額:2000×100=20万円
くりっく株365の1枚の約定代金は、売買値の100倍です。
22000の日経225を売買する場合、100倍の220万円の売買をしているということです。
なので、2000の利益幅で100倍の20万円の利益を出すことが出来ます。
今回の場合、買いポジションで20万円・売りポジションで20万円・合計40万円の利益になっています。
次に縮小を狙った仕掛けについてです。
縮小を狙った仕掛け
縮小を狙う時には、拡大狙いの逆になります。
- NYダウ下落
- 日経225上昇
このサヤ縮小を利益に変えていく仕掛けがこれです。
- NYダウ売り
- 日経225買い
拡大同様、同じ仮定値で損益計算してみましょう。
- NYダウ 25000
- 日経225 22000
- サヤ 25000−22000=3000
ここで図の通り「NYダウが下落」「日経225が上昇」したとします。
例えば、こうです。
- NYダウ 25000⇒23000に下落
- 日経225 22000⇒24000に上昇
- サヤ 23000ー24000=−1000
この場合、サヤは3000から−1000に縮小しています。
サヤ取りポジションを1枚保有していたとすれば、売買はこうなります。
NYダウ 23000買い決済
- 収支:25000−23000=利益2000
- 利益額:2000×100=20万円
日経225 24000買い決済
- 収支:24000−22000=利益2000
- 利益額:2000×100=20万円
サヤの変動幅は拡大時と同じ4000ですので、合計利益額も同じ40万円となります。
今回のは、「縮小」「拡大」ともに「買いポジション」「売りポジション」の両方が利益になるパターンです。
現実の売買では、他にも2つのパターンがあります。
上げでも下げでも利益を狙えるのがサヤ取りの魅力
縮小・拡大の流れを掴みながら、これらの両建てポジションを入れていくことで、利益を出していくのがサヤ取りです。
いつも、ここで示したような「両建てポジションどちらも利益になる」という形だといいんですけどね。
現実には、この基本パターンとなることは少ないです。
そ、そうなの?
そうなんです。
でも、安心してください。
どういう値動きになろうと、拡大狙いで仕掛けてサヤが拡大してくれれば利益になるというのは一緒です。
実際には、拡大・縮小ともに3つのパターンがあります。
- 基本パターン
- 上げ相場パターン
- 下げ相場パターン
拡大・縮小ともに「上げ相場」でも「下げ相場」でも利益を出すことが出来ます。
なので、下げ相場が続いても、ある程度安定した利益を出していける可能性が高いのがサヤ取りの良いことろでもあります。
次回その3つのパターンについて説明させていただきます。
NYダウー日経225サヤ取り 目次
- 第1回:サヤ取りが大富豪の運用法と言われる3つの理由
- 第2回:サヤ取りはどうやって利益を出すのか【NYダウー日経225編】
- 第3回:拡大で利益を出す3つのパターン
- 第4回:縮小で利益を出す3つのパターン
- 第5回:くりっく株365 サヤ取りをする際に抑えておくべき事
- 第6回:GMOクリック証券CFD取引 高スペックを活かすための注意点
- 第7回:NYダウー日経225サヤ取り 2口座比較とメイン口座について
- 第8回:サヤ取りの特徴その1:低リスクについての中身
- 第9回:特徴その2:利益は確実? 勝率90%の実績をどう評価するべきか
- 第10回:特徴その3:心理的負担の軽さとはどのようなものか?
- 第11回:特徴その4:過大な周辺知識と努力を必要としない。
- 第12回:特徴その5;儲かるが面白くない
- 第13回:【日々の作業】NYダウー日経225サヤ取り実践内容
- 第14回:【場帳記入のポイント】NYダウー日経225サヤ取り
- 第15回:NYダウー日経225サヤ取り用チャートの使い方
- 第16回:【玉帳記入とポイント】NYダウー日経225サヤ取り
- 第17回:玉帳は本当に役に立つのか? ・・・誰もが持つ疑問と本当の使い方
- 第18回:利益を増やすための玉帳の活用手順
- 第19回:売買ルール編 資金管理ルール サヤ変動2000の余裕とは
- 第20回:売買ルール仕掛け編 分割売買が基本
- 第21回:売買ルール決済編 損きりと利益確定の考え方
- 第22回:売買ルール禁止事項編 サヤ取りでやってはいけない3つの事
- 第23回:サヤ取り大失敗の教訓【NYダウー日経225サヤ取り】
実際の売買