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高金利通貨でのカバードコールの仕掛け方

高金利通貨FXポジションのヘッジとしてFXオプションを使う際に注意すべき点があります。この記事でまとめてみました。

トルコリラ・南アフリカランド・メキシコペソで仕掛ける場合

前回、スワップ投資用長期保有ポジションでのカバードコール戦略について書かせて頂きました。

 

豪ドル円やNZドル円などは、前回カバードコール FXでの現実的な使い方のやり方で書いたように、保有買いポジションを活用してカバードコール戦略で利益を上乗せしていく道が開けてくるはずです。

 

他のスワップ投資人気通貨、南アフリカランド円・トルコリラ円・メキシコペソ円でも似たようなことが可能なのですが、全く同じ方法という訳にはいきません。

 

FXオプションでは、この3通貨ペアの取扱いがないためです。

 

幸い、USDZAR・USDTRY・USDMXNの取扱いはありますのでこれらの通貨ペアを使うことで、南アフリカランド円・トルコリラ円・メキシコペrソ円ポジションでカバードコールに似た効果を出すことができます。

 

今回は、その方法をご紹介させていただきます。

 

3通貨ペア代表としてトルコリラ円で説明させていただきます。他の2通貨ペアは、この方法をそのまま為替レートなどを置き換えて考えて頂ければ大丈夫です。

トルコリラ円でのカバードコール戦略

トルコリラ円かいポジションを使ったカバードコール戦略は、下記ページでも紹介しています。

 

トルコリラ急落対策に有効 FXオプション2つの戦略

 

2つの戦略の一つが「カバードコール戦略」です。

 

TRYJPYは、USDTRYにかなり連動しています。トルコリラ急落・暴落時にその悪影響を最小限に抑えるために今回の戦略は有効です。

 

この方法を活用するうえで、留意点は3つあります。

 

  • コールとプットが反対になる。
  • 売買数量の調整必要。
  • 完全にカバーという訳にはいかない。

 

記事でも書いていますが、TRYJPYとUSDTRYでは、トルコリラの位置が逆のため、「トルコリラ下落」による値動きも逆になります。

 

トルコリラ下落=TRYJPY下げ=USDTRY上げ

 

これによって、FXオプションでもトルコリラ下落対策として「カバードコール戦略」で取るポジションは「プットオプション売り」となります。

 

売買数量も単純にFX1万通貨にFXオプション1万通貨ではありません。

 

現在のUSDTRYレートでいくと以下のようになります。

 

  • FX:トルコリラ円6.3万通貨買いポジション
  • FXオプション:USDTRY1万通貨プットオプション売り

 

これでほぼ同数量のポジションという具合です。

 

「カバードコール戦略」と同じ考えですが、仕掛けとしてはプットオプションを使うので、「カバードプット」という形になります。

 

そして3番目としては、通貨ペアの違いがあるので完全にカバーという訳にはいかないということがあります。

 

具体的には、米ドル円レートの影響も受けます。

 

トルコリラ円買いポジション全部について、この戦略でFXオプションでヘッジを入れるかどうかは、一考の余地があります。

 

USDTRYプットオプション売りは、トルコリラ上昇局面には含み損が発生するからです。

 

全て、プットオプション売りでカバーするとトルコリラが上昇局面に入ったときの買いポジション利益がFXオプション損失と相殺されるという事態も有り得ます。

 

トルコリラ円買いポジションを長期保有している方は、トルコリラ上昇期を待っている訳でもあるので、どこまでこのFXオプションを活用するかは状況に応じて判断していくことになります。なお、トルコリラが暴落に近い下げを演じるようなときは、先程のURLリンク先ページの2番目の「コールオプション買い」の方が有効になります。

 

参考までに、2つの戦略の違いを比較してみましょう。

トルコリラ 2戦略比較

先程のURLリンク先ページで紹介している戦略は以下の2つです。

 

  • 戦略1:プットオプション売り
  • 戦略2:コールオプション買い

 

両方とも、トルコリラ円買いポジションを長期保有中で「目先下落しそうだ」と判断しているときに使う戦略です。

 

勝算

 

両者の勝算、つまり「勝ち易さ」の比較です。

 

  • 戦略1:概ね勝率50%以上で勝ち易い
  • 戦略2:概ね勝率50%以下で勝ちにくい

 

実際の勝ち易さは、「権利行使価格」と「期日」の設定で変わってきます。

 

それでも、戦略1の場合は「現実には横ばいでほとんど下落しなかった」という時でも利益が出ます。

 

これに対して戦略2は、期日までに最低2〜3%くらいの下落がないと利益にはならないポジションが多くなります。

 

利益の出しやすさでは、戦略1の方に軍配が上がります。

 

利益額

 

  • 戦略1:利益上限決まっている
  • 戦略2:大きく利益を増やせる可能性あり

 

大利を狙えるのは、戦略2です。

 

もしも、トルコリラが数ヶ月前のような大きな下げを演じた場合、戦略2のコールオプション買いポジションは、数日で数倍〜数十倍にプレミアム値が跳ね上がることになります。

 

トルコリラの大きな下げでFXのトルコリラ円買いポジション含み損は増加しているでしょうが、FXオプション利益がそれをかなり補ってくれることにもなります。

 

一方、戦略1では利益上限が予め決まっています。どれだけ激しく下げても利益が増えることはありません。

 

リスク

 

  • 戦略1:大きく損が出る可能性あり
  • 戦略2:損失上限決まっている

 

見通しが狂ったときのリスクは、戦略1の方が大きいです。トルコリラ円買いポジションを保有してのプットオプション売りですので、ポジション全体で窮地に陥るようなことは防げます。

 

それでも、トルコリラが大きく上昇したときには総合収支がちょっとプラスという程度になることもあるので悔しい想いをするかもしれません。

 

戦略2では、損失上限が決まっているため、トルコリラが大きく上昇したときにはFXポジションでは大きく利益が乗ってきます。これに対してFXオプションポジションの損失は限定されているので「FXポジション利益がFXオプション損失を超えた分だけ利益を享受できます。

使い方はケースバイケース

これらの戦略をどう使っていくかは、投資家の考え方によって大きく分かれるはずです。

 

「トルコリラ円のスワップポイントの範囲内でコールオプション買いを入れてみよう」

 

こういう方針を取る方もいるかもしれません。

 

いずれにせよ、トルコリラは時折大きく変動する通貨ですので、安定運用を続けていくためにも暴落気味に推移したときの対策を考えておくことは大切です。

 

程度の差こそあれ、南アフリカランド・メキシコペソも下げ始めると大きく下げるトルコリラと同様の傾向があります。今回の記事が、そのための一助になればと思っています。

FXオプション攻略 2018年版 目次

2018/09/26


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