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くりっく株365サヤ取りの売買ルールをご紹介します。ここ1年の売買である程度固まってきてはいるのですが、今後の売買しながら微修正していくことになります。まずは「仕掛けのルール」からです。
初めての方は、最初から読み直すことをお勧めいたします。
売買ルール 仕掛け
売買ルールはシンプルです。仕掛けは3分割で行います。
- 1本目 サヤ変動中期くらい目安に仕掛け
- 2本目 サヤ変動後期または転換時期と判断時に仕掛け
- 3本目 さらに逆行したときに検討
この文章だとわかりにくいと思います。そもそもサヤの動きには「拡大期」と「縮小期」があります。どちらで攻めるかによってポジションは真逆になるためこのようなどちらにでも取れる文章になっています。
混乱しやすい部分でもあるので、具体的に「拡大期」「縮小期」でポジションの取り方をみてみましょう。
基本形:サヤ拡大期狙い
私のやっているくりっく株365サヤ取りの基本形は、「サヤ拡大期狙い」です。このサヤ取り自体が「米国と日本の長期国力差拡大を利益に変えていく」ことを目的としています。
そのためこの仕掛けが基本形となります。
作る両建てポジションは「日経225売りーNYダウ買い」です。
この両建てで仕掛けることにより、現在2000前後の価格差(サヤ)が3000・4000に拡大したときに利益が増えていくことになります。 上記のルールを拡大期狙い用に書き換えると以下のようになります。
- 1本目 サヤ縮小中期くらい目安に仕掛け
- 2本目 サヤ縮小後期または拡大期転換時期
- 3本目 さらに縮小したときに検討
サヤの縮小がある程度進んだ中期くらいから攻めていきます。
調度、先日この基準で1本目の仕掛けを入れています。
参考:くりっく株365 日経225ーNYダウ仕掛け 2017年10月
ここのところのサヤは、8月から9月にかけて「揉み合い期」があり、最大2500くらいまで拡大してから先週2000割れ水準まで縮小してきています。
大体、この辺を縮小中期とみて最初のポジションを仕掛けています。
この後も、縮小が続くようであれば2本目の両建てポジション仕掛けの検討に入ります。
サヤの変動はなかなか気まぐれです。
現在縮小期のサヤが、いつ拡大期に入るのかは明確にはわかりません。
そこで、サヤの縮小がある程度進んでから「そろそろ転換の可能性もあるかな」というところで最初のポジションを作っていきます。
1本目が早いもうひとつの理由
この1本目は、タイミング的にはちょっと「早め」になることが多いです。これには、もう「拡大期にいつ入るかわからない」というのとは別の理由があります。
サヤの変動には、「拡大期」「縮小期」の他に「揉み合い期」があります。「揉み合い期」はサヤの上げ下げが交互に続くような感じでサヤ変動の方向性が定まらない時期です。
縮小期といっても、毎日のようにサヤが縮小していく訳ではありません。
縮小期⇒揉み合い期⇒縮小期のような感じで途中段階で揉み合い期を含んで大きな縮小期が形成されていくのが通常のサヤ変動のパターンです。
揉み合い期は、「配当相当額が取りやすい時期」でもあります。
サヤが動かなくても、ポジションがあれば配当相当額は発生します。「日経225売りーNYダウ買い」というポジションは、保有期間が長ければ長いほど配当相当額受取が大きくなっていく傾向にあります。
今のところ、早めに1本目のポジションを取ることでこの辺の配当相当額を取るのはうまくいっています。
ただ、あまり早く取りすぎたり、資金量に比べてポジションが大きすぎると、その後に大きな縮小期となった時には含み損に苦しむ展開も有り得ます。
配当相当額を取るためとはいえ、急いだポジション取りは大きなリスクを伴うことになりますのでご注意ください。
1本・2本で拡大期に突入したらその後の追加ポジションはとりません。
そして、3本目のポジション作成は、かなり慎重にいきます。
通常2本目で縮小期は終わりを告げるはずだからです。3本目を検討するということは、更に縮小しているということであり、自分の攻め方が失敗したかもしれないことも考慮に入れねばなりません。
なので「既存ポジションの損きり」と「3本目を仕掛けるかどうか」の両方向で検討することにしています。
続きは土曜日に追加予定です。
自信のある時:サヤ縮小期狙い
先程拡大期の仕掛けについて説明させていただきました。拡大期の仕掛けがこの運用の基本形となります。ただ、局面によっては縮小期の仕掛けもしますので、そのルールをご紹介します。
サヤの縮小期狙いは、先程の「拡大期狙い」の反対のポジションを作ります。
具体的には、先程のルールを縮小期狙い用に書き換えるだけです。
- 1本目 サヤ拡大中期くらい目安に仕掛け
- 2本目 サヤ拡大後期または縮小期転換時期
- 3本目 さらに拡大したときに検討
拡大期の逆ですね。
作る両建てポジションは、「NYダウ売りー日経225買い」です。
この組み合わせは、長く保有するとマイナス配当相当額が増えていくことが多い仕掛けです。
タイトルでも書いたのですが、この仕掛けは「自身のある時」にしかやりません。今年もこのパターンで仕掛けたのは1回だけです。
この理由は、「日本ー米国のサヤは長期的に拡大する」と見ているからです。この見通しでいくと、縮小期狙いの仕掛けをするのはリスクが高くなるわけです。
でも、拡大期が大きければ大きいほど揺り戻し的な縮小期があるのも事実です。それが、1000以上の大きなサヤ縮小になることもあります。
「山高ければ谷深し」という相場格言にもある通り、大きな拡大期の後などには、縮小期を狙った仕掛けを入れていくことも有り得ます。
拡大期・縮小期と分けて以上のようなこんな感じで仕掛けていきます。
仕掛けのコツ
日々の場帳でサヤの動きを見ながら仕掛けていきます。やってみればそれほど難しいものではありません。敢えて、うまくやるコツをあげるとすれば2つです。
- 大きな流れをみて仕掛ける。
- ゆっくりやる。
「大きな流れを見て仕掛ける」というのは、情報が氾濫する現代では言葉ほど簡単ではないかもしれません。正誤定まらない大量の情報と目先の値動きの中にいると、目先の値動きを追いかけがちになるからです。
このサヤ取りは、朝記入する場帳・グラフで売買判断をします。このため、日中の相場情報はいりません。
為替の大イベントである「雇用統計」などは、NYダウにとっても大きな影響があります。
でも、その時間に起きている必要はありません。
私たちが、やっているのはサヤ取りです。雇用統計でNYダウがそれだけ上昇しようと日経225も同じだけ上昇すれば、サヤとしてはほとんど値動きがないからです。
サヤ取りは、サヤの動きだけ見ていれば十分です。
大切なのは、サヤの大きな流れをみていくことです。
そして、最初のうちは売買は意識的に「ゆっくりやる」とうまくいきます。
人間は、冷静なつもりでも冷静でない生き物です。相場運用では、この部分がモロにでます。「早くポジションを作りたい」という気持ちが根底にあるせいか、どうしても仕掛けが早めになりがちなのです。
なので「仕掛け時」と判断しても2日後くらいに注文を出すくらいで調度よかったりします。実際、私自身も仕掛けが早い傾向があります。私同様、「どうも早い」と感じる方は意識してゆっくりやってみてください。
仕掛け方は人それぞれ
この記事を読んでいる方の中には、「明確に拡大期に入ってから仕掛けた方が良いのではないか」と感じている方もいるかもしれません。
私は、それでも良いと思います。
この辺の仕掛け方の基準は、実践者それぞれによって違ってきます。自分に合うパターンでリスクを認識してルールを作っていきます。
例えば、明確に拡大期に入ってから仕掛けるのであれば、私の仕掛け方とは別のリスクに留意する必要があります。
「拡大期に入ったと実感できる時期」に仕掛ければ、拡大期が長期であれば含み損の時期も少なく心理的負担少なく両建てポジションを維持していけます。
その一方、拡大期が短期であればそこが「天井圏での仕掛け」になるリスクが生じます。
なので、そうなったときのポジション操作を想定した売買ルール作りが必要です。
私の場合は、ある程度縮小してから仕掛けていくので天井圏で仕掛けることはほとんどありません。
私の仕掛け方のリスクは「縮小期が非常に長いときの対応」ですので、ルールとともにそれを意識したポジション操作をしていくことになります。
くりっく株365サヤ取り 目次
くりっく株365サヤ取り連載記事の目次です。
- 第1回くりっく株365サヤ取り2018 サヤ取りとは
- 第2回くりっく株365サヤ取り 仕掛け方と損益の仕組み
- 第3回サヤ取りの種類 リターンの大きいサヤ取りはどれか?
- 第4回サヤ取りで大損する前に読み記事
- 第5回くりっく株365とは サヤ取りからみた有用性
- 第6回日経225とNYダウ サヤ取りで有利な口座比較
- 第7回NYダウ両建て運用法 「ツナギ売り」から「サヤ取り」に変更した経緯
- 第8回くりっく株365サヤ取り初心者 始める前に知っておくべき10項目
- 第9回くりっく株365サヤ取り 3つの売買道具
- 第10回売買ルール 仕掛け編
- 第11回売買ルール 決済編
- 第12回日経225−NYダウ サヤ取り禁止事項・留意点
- 第13回くりっく株365サヤ取り 1日5分で利益をだしていくためのコツ
- 第14回くりっく株365サヤ取り2018年 2つの課題
- 第15回くりっく株365サヤ取り 売買にみる成功と失敗
- 第16回サヤ取り 成功者がもつべきたった一つの心構え
- 第17回くりっく株365NYダウ 仕様変更の影響とメリット・デメリット