投資で儲かっている人はどこにいる? 30年経っても変わらない現実
思い出してみれば、日経平均が4万円まであと一歩というところまで上昇した最高値の頃に株式投資を始めました。あの頃は、「日経平均は6万円まで行く!」なんて誰もが信じていたんです。
今思い出してみても、凄い時代でした。
日々興奮しながらお金が無くなっていく、
そんな感覚です。多分、どんな感覚だかよくわからない表現かもしれませんが、本当にそんな感じでした(笑)。
あれからからもう30年になります。
私の投資人生は、失敗の連続だったものの、なんとか生き残り利益を出しながらここまで生きてきました。これまでやってきて大切にしていること、重要だと思っている事などを今回の連載でまとめていきます。
投資環境変化で分かった真実
30年間ずっと株式投資をやっていたわけではありません。
今でも株式は保有はしているものの、主力分野は変化してきました。株⇒先物⇒FXいうことで、今はFXが中心です。FX主力になってから約15年というところです。
メルマガ相場生活入門も2004年からなので発行開始してから17年になりますね。
FX始めた初期の頃にちょっとしたピンチに陥って、「ここから脱出できるかどうかわからないけれどこれをメルマガにしてみよう」という気持ちで始めたんです。
当時運頼みとなっていた含み損ポジションをお見せするところから始めて、そこから脱出してからも記事を書き続けてきました。
発行回数も2600回を超えました
証券マン時代を含め、サラリーマン時代から多くの投資家と接してきました。メルマガ発行してからも多くの投資家と交流する機会がありました。私にとっては、投資家交流も大切な勉強の一つです。
投資家一人一人の人生は、見ごたえ聴きごたえのある劇的なドラマでもあります。
一時的には大きく利益を出す人は沢山いました。
でも、ほとんどの場合、5年・10年もするとその利益は消えてしまう。
そして、他の分野に移っていったり、投資の世界から手を引いてしまったりします。
株式投資でもそうでした。商品先物でもよくあることでした。FXでもそれは繰り返しています。
投資分野を問わず、この傾向は同じです。
そんなことを振り返ってみて、つくづく思うことがあるんです。
「投資で最終収支がプラスになっている人は今も少ない」
相場環境が良くても最終利益に出来ている人は少数派です。
例えば、ここ数年の株式は、日本株・米国株ともに結構な上げ相場を展開しています。
私の株式投資は、長期保有前提でほとんど相場をみません。なので、投資家の過熱ぶりを外から眺める感じでした。
ここ10年くらいの株式投資で100億円以上の資産を作ったという方もいる。
それも一人二人ではない、凄いことですよね。
誰もが「100億は無理でも1億円くらいなら作れそうだ」という気持ちになるはずです。
私の目からみても、ほとんどの株式投資家が相当な利益になっているのではないかという印象を持っていました。
それでも、実際に投資している方と会って話をすると「周りで儲かっている人はあまりいない」という答えが返ってきたりします。公のアンケート調査をみても、「半分の人が儲かっている」という年は相場が相当上昇したときです。それでも50%以上いなることは珍しい。
絶好調の年でも儲かる比率は50%程度、それが現実のようです。
それ以外の年は、儲かっている人の割合は大幅に減ってしまいます。
実は、この傾向は私が投資を始めた30年以上前と同じです。
30年前というのは、日本中が株式投資に熱狂していると言われた時期です。「株をやらない人間はバカ」といわんばかりの雰囲気もありました。
それでも儲かっている投資家は、「半分いるかいないか」程度でした。
当時、儲からない理由は「高い取引手数料などの外部環境」にあるとも言われていました。
私が株式投資を始めた頃、株式手数料は片道1.2〜1.5%くらいだったのです。今の10倍以上です。
往復手数料は3%くらいになるので、5%くらい株価が上昇しても手数料と税金を差し引くとほとんど利益が残らないような時代だったのです。
インターネットという仕組みもまだありませんでした。
一般投資家がインターネットで注文を出せるようになったのは、それから5年後くらいでした。でも、当初はダイヤル回線でのインターネット接続だったのでとっても時間がかかりました。
「ピーガガガガ・・・」という音を数十秒から数分聞かされてからゆっくりとサイトが表示されます。電波の調子が悪ければ接続もされないのです。
接続されても表示速度は凄く遅い。よく固まっていました。
そして、接続料金も高い。
最初は使った時間での課金制だったので注文出すだけでも数百円〜数千円の通信料金になります。料金が気になるので、のんきにチャートなんてみていられません。
移動平均線みるのにも通信料金だけで数百円かかる時代なんです。
あり得ないですよね(笑)
当時は、自動売買は「夢の向こう側」でした。
30年ほど前はパソコンの小型化がまだ進んでいないため、自動売買をするには大掛かりなシステム投資が必要でした。
信じてもらえないかもしれませんが、「数千万円かけて自動売買できるようなシステムを作ったら、6畳の部屋が機械で埋め尽くされた」という話を師匠の本で読んだことがあります。
それもそのはずで、今はメモリ8G・16Gなんて当たり前ですが、当時は「大容量512K(キロバイト)!」なんて時代です。
「1000キロバイト=1メガバイド」「1000メガバイト=1ギガバイト」ですので、ここ数十年の技術革新の差がどれほど凄いものかを思い知るばかりです。
30年の間には、投資家にとっては「革命」といって良いほどの大きな環境変化がありました。
手数料下がっても成功した投資家の数は増えていない
昔は「手数料が高すぎるから投資家は利益が出せない」とか「一般投資家とプロでは得られる情報が違い過ぎるから負ける」などとよく言われていました。
既に書いたように、ここ30年で投資家の取引条件は大きく向上しました。
- 手数料水準は当時の10分の1以下です。
- インターネットにより情報収集・分析が誰でもできる。
- 自動売買なども誰にでもできる。
投資家にとっては昔とは比べようもないほど素晴らしい取引条件と環境が整備されてきました。
あの当時を知っている投資家から見れば、今は夢のような時代です。
でも、投資家の環境は大幅に改善したはずなのに、成績状況はほとんど変わっていない気がします。
不思議なものです。
「利益を出していくために本当に大切なことは何か・・」
どうもその答えは、手数料引き下げとか外部環境ではなかったようです。
投資で利益を出すために本当に必要な事は、他の部分にあると言えそうです。原点に戻って考える時期がきているのかもしれません。
長く資産を増やしていくために
当たり前のことですが、投資運用は長く続けていくことで、資産を増やしていくものです。
成果が出なければ長く続けていくことは難しいものです。
たまに損失を出しながら意地になって続けていくケースもありますが、大切なお金がどんどん減っていくだけで終わります。
勝たねばなりません。
勝つだけではたりません。
一時的な勝ちでは、いずれは消えてしまうからです。
勝ち続ねばなりません。
どんな一流トレーダーにも、好調期と不調期があります。
不調期には資金を減らすもののいずれは好調期に入り、負けた以上の利益を出して資産増加ペースを維持していくものです。その「勝ち続けるトレーダー」の自然な流れに乗らねばなりません。
投資で成果を出すための考え方は単純です。
「正しい投資法を正しく実践すれば正しく儲けられる」
この信念の元、私が正しい投資法と感じている運用法を実戦しながら紹介してきたのがこのメルマガの歴史です。
今回の連載は、原点に戻って記事を書かせていただきます。
「長く続けて成果を出していくための考え方・運用法」
これまでメルマガ・ブログでは、FX・CFDを中心にスワップ運用・積立・サヤ取り・サヤすべり取り・自動売買など様々な分野で「勝ち続けられそうな運用法」を紹介し、実践してきました。
それらの経験と考え方をもとに、机上の空論ではない形で考え方とやり方をまとめていく予定です。。
FX初心者向け FX長期投資派の基礎 目次
- 第1回:投資で儲かっている人はどこにいる? 30年経っても変わらない現実
- 第2回:心得編その1:人の行く裏に道あり花の山 振り回されない運用
- 第3回:心得編その2:相場で勝つための見方・考え方
- 第4回:心得編その3:見えない敵とどう戦うべきか
- 第5回:FX・株式のニセ情報と戦うために必要な力
- 第6回:心得編その4:本当に儲かるFX運用法はどれ?
- 第7回:FXでの損きり判断 3つの基準 心得編その5
- 第8回:小人閑居 考え過ぎると失敗するの法則 FX心得編その6
- 第9回:FX・株式 思い付き売買はケガの元
- 第10回:心得その7:少数派でいる方が勝てる
- 第11回:心得その8:運も実力のうちの捉え方・考え方
- 第12回:心得その9:FXトレーダーは健康管理も重視すべし
- 第13回:FX専業トレーダー心得 狡兎三窟のすすめ
心得編のあとは、FX勝利貫徹編1話:凡人の道へと続きます。