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FXでの損きり判断 3つの基準 心得編その5

サヤすべり取り 損きり 2020年12月31日

 

「このポジションは残すか、それとも切るか」

 

保有ポジションの処置を決めるのに、どういう基準で考えるべきかというのが今回のテーマです。

 

私は玉帳でこれまでの売買の流れをみながら保有ポジションの整理を決めています。今回は、この辺の考え方についてまとめさせて頂きます。

 

*玉帳:売買を記録する帳簿で「ギョクチョウ」と読みます。

 

今回初めてこの連載を読まれる方は、第一回から読み始めることをおすすめいたします。

 

 

では、第7回を始めさせていただきます。

 


宮本武蔵の言葉より

総じて太刀にても手にても、いつくということを嫌う。いつくは死ぬる手なり。いつくざるは生くる手なり。よくよく心得べきもの也。〜 宮本武蔵 五輪書より

 

宮本武蔵についての説明は不要かもしれません。日本人であればだれもが知っている剣豪です。

 

この文章を現代語風に直したものを引用させて頂くと、以下のようになります。

 

  • 総じて太刀にしても、手にしても「居付く」ことは好ましくない。*居付く=固着する。こだわりすぎるの意味
  • 居付く手は「死ぬる手」、すなわち生命を失った手であって、対して、居付くことのない手は「生くる手」と心得ておくことである。
  • 太刀の打ち合いには「生くる手」と「死ぬる手」がある。
  • その生死を分ける大きなポイントは「居付く=固着する=こだわりすぎる」なということになる。

FX 生くる手 死ぬる手

私は剣の道は素人ですが、一見何気ない打ち合いの中に「生くる手」と「死ぬる手」とに分かれているということに深く感じる部分がありました。

 

FXでも全く同じことが言えるからです。

 

つまり、FXのポジション操作にも「生くる手」と「死ぬる手」があるということです。

 

誰もが理解していることではありますが、相場の流れが変わっているのに「過去の売買判断」や「保有ポジションの含み損」などに執着すべきではありません。

 

当初想定した流れが変化しているのに保有ポジションにこだわりすぎれば、どうなるかは説明するまでもないでしょう。

 

FX以外の分野、例えば将棋でも「死に駒」「遊び駒」などという単語があり、一手一手が有効かどうかの見方をするときに使われたりします。

 

私も厳密に「生くる手」と「死ぬる手」という単語で意識はしてこなかったのですが、確かにFXでも同様なのです。

 

  • 生くる手・・保有しておいて良いポジション
  • 死ぬる手・・保有し続けてはいけないポジション

 

「そのポジションが必要か不要か」「必要ならどこまで利益を伸ばすか」「不要ならどこで損きり撤退すべきか」等々、普段の売買で判断しなければいけないイントです。

 

この基準、皆さんはどこにおいていますでしょうか?

 

例えば「損きり」です。

 

「損きり値を決めて決済している」という方もいるかもしれません。あるいは「チャートで売りシグナルが出たところで決済」しているという方もいるでしょう。

 

この場合、ルール通りに売買できているポジションが「生くる手」であり、ルール通りに売買できなかったポジションが「死ぬる手」ということになります。

 

「死ぬる手」と判断したポジションは、早い段階で損きりする必要があります。

 

「死ぬる手」を減らし、「生くる手」を増やす努力を続ければ、自然に収支も向上していくものです。

損きり決定 3つの基準

参考になるかどうかわかりませんが、私の「生くる手」を残していくための基準も書かせていただきます。

 

必要なポジション=生くる手を残すためには、不要なポジション=死ぬる手を損きりことが大切です。

 

損きりするかどうかの判断は、3つの基準で考えています。

 

損きり決定 3つの基準

 

  1. 当初の方針
  2. 資金管理
  3. 場帳・グラフによる判断

 

それぞれ補足させていただきます。

 

その1:当初の方針

 

「死ぬる手」を作りやすいのは「損きりの先送り」です。

 

サヤすべり取りでは、当初の方針で「損きりをきっちりやる」と決めています。

 

運用法によっては、「損きりはあまりしない」と決めているものもあります。

 

FXオプションからのスワップ投資などがそれです。

 

 

こういう運用法は、利益が先行するため見栄えは良いのですが、含み損が溜まりやすいという欠点を持ちます。

 

サヤすべり取りも、数年前までは「損きりはあまりしない」と決めているポジションがありました。

 

でも、現在はしていません。

 

理由は、サヤすべり取りでそういうポジションを持ち続けると成績が低迷することが多いと感じたためです。

 

その2:資金管理

 

資金管理は、どの辺が心理的に落ち着いていられるかは人それぞれだからです。

 

私も、サヤすべり取りを始めた頃は、当初の方針と資金管理がかみ合わないことがありました。

 

つまり、「豪ドル円50万通貨保有し続けても問題ない余裕資金を維持できていると思っていた。でも、実際に暴落相場になったら、まだ余裕資金はあっても心が持たなくなった

 

こんなケースです。

 

同様の経験をされた方もいるかもしれません。

 

この辺のズレは、運用しながら修正していきます。「机上の想定」と「現実の売買」がピッチリといくことはあまりありません。

 

基本事項を守りながら、現実に合う形に修正していきます。

 

この2つの基準で、保有ポジションを維持し続けるかどうかが基本的に決まっています。

 

その3:損きりするかどうか 最終決定は場帳・グラフ判断

 

2つの基準を元に「損きりするポジション」と「損きりしないポジション」に分かれています。

 

「損きりするポジション」の損きり時期を決めるのは「3、場帳・グラフによる判断」です。

 

ポジションを作った段階では「生くる手」「死ぬる手」の明確な区別は出来ません。

 

私の損きりは、「損きりライン」や「チャートなどでの売りシグナル」など明確なものがある訳でもありません。

 

日々の場帳・グラフ記入を続けていて、違和感を感じた時に損きりを実行します。

 

違和感というのは、「ポジションが重い」とか「どうも、このままではマズイ」という感覚です。

 

1日1分の場帳・グラフ記入をしながら、たまに玉帳をみたりしながらその感覚を養成しています。

 

この辺は、師匠林輝太郎の本にも似たような事が書かれています。サヤすべり取りに限らずうねり取りやリスム取りでもこの辺は同じです。

 

ただ、これからサヤすべり取りやうねり取りをされる方が最初からこの基準を真似をするのは難しいかもしれません。

 

私も最初は「損きり値を決める」あるいは「信頼できそうなテクニカル指標のシグナルを参考にする」などしていました。

 

今回の記事は、宮本武蔵の言葉を中心に説明したため、難しい言葉が羅列して理解に苦しんでいる方も多いかもしれません。

 

人それぞれ、やり方が違いますが、保有ポジションを定期的に見直し、不要(死んでいる)なポジションに適切な処置をしていくのは大切な作業です。

 

怠りなく、やっていきましょう。

FX初心者向け FX長期投資派の基礎 目次

2020/12/31


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