相場運用は特殊なものなのか?
株式・FXに限らず、相場世界では昔からお決まりの誰もがはまる落とし穴があります。
その一つが「相場運用を特殊なものと考える」傾向です。成功のためにはこの考えを捨てる必要があります。
今回は、この辺を書かせていただきます。
心得編その2:相場で勝つための見方・考え方
相場の世界は特殊な世界 普通にやっていたら勝てない
雑誌やブログなど、今でもこういう文章を目にすることがあります。あと、こういう文章もよく目にします。
- 「秘密のチャート・・・」
- 「貴方だけに・・・」
- 「楽して稼げる・・・・」
特殊であると考える人が多いからこそ、この宣伝文句は大きな力を発揮します。
「秘密の・・」とか「貴方だけに・・」などというのものが本当にあるかもしれない。
本当は100万円くらいするものらしい。当然だよな。これを買えば1億円儲けられるってんだから。
それが・・・2万円で手に入る?・・・凄いお得じゃないか!
これは買うしかない!
この決断した時の心境として、「何かうさん臭い」と誰もが感じています。でも、「相場の世界は特殊だからこれも有り」という気持ちもあり、購入まで至るケースはかなりあります。
この世界にいると、最初のうちはこういう方向性に考え方が行ってしまいがちなのは、ある程度やむを得ないところがあります。
でも、30年間の投資人生を振り返ってつくづく思うのです。
- 「あの時、秘密のチャート購入していればよかった」
- 「極秘情報を入手できるグループに入れば今頃は凄いことになった」
- 「あの人の言っている銘柄を素直に買えばよかった」
なんて後悔したことは
・・・・・・
・・・・・・・
一度もありませんでした。
繰り返しますが、・・・・一度もなかったんです。
私は、証券取引所近くの証券会社に2年半ほど勤務しました。
その証券会社は当時「某大手の仕手筋が利用する」としても知られていたところです。
他にも様々な理由から、優秀な外務員が揃っている証券会社でした。
優秀な外務員さんの部署は私の部署の隣です。
部署と部署はカウンターのようなもので仕切られています。
仕手筋や大口投資家の注文を受けている外務員さんたちがカウンターの向こう側に実際に座っていたんです。
でもですね。
たまに情報が流れてきても、それで大儲けなんてことはありません。
勤務していた証券会社が証券取引所に近いという土地柄もあり、有料情報や秘密の儲け話は町を歩いているだけで沢山集められました。
でもですよ。
その中に本当に儲かったというものは、私の知る限り無かったです。利用した人も結構いるので、その感想もいろんなところで聞けました。
「君は、あれ買わなくて正解だったよ」「あそこの会員になってえらい目にあった」「有料情報なのに全然儲からない」なんて話は山ほどあります。
でも、「本当に良かった」というものは一つも無かったんです。
一つくらいあっても良さそうなものですよね。
あれから約30年経過していますが、その間も同じです。
これが何を意味するか。
私は、「相場世界の特殊性を意識し続けても、運用利益には繋がらない」と結論づけています。
投資教材や有料情報など、いずれにしても正しい努力を伴わない運用法は利益を産み出さないということです。
負の循環から抜け出せなくなる
「相場の世界を特殊なもの」と思っていると、どうしてもそれを前提とした高額投資教材・投資教室などにはまってしまう傾向があります。
30年経った現代でも、この辺は同じことです。
むしろ、インターネット時代になって、昔よりも大量の情報発信がされるようになったため、販売されている投資教材の数もものすごく増えました。
投資教材販売で数億円儲けたという話もちょこちょこと聞きます。
いろんなところで、「あの投資教材購入しました」という話しはよく聞くのですが、「実際に儲かりました」という話はなかなか聞きません。
一時的に儲かったということはあるようです。
でも、数年もすると教材の販売自体が終了していることがほとんどです。
投資教材を購入しただけで済むのであればまだましです。
多くの場合、その通りにやって、損を出すことになります。
損を出した後も、「相場世界は特殊な世界」と考えていると、次の行動も別の教材探しに移りやすいものです。
この教材はダメだった。でも、こっちならいけるかもしれない。こんな考えの連続で、情報収集・教材購入 ⇒ 損失だして終了 ⇒次の情報収集・教材購入相場世界を特殊と考え続ければ、この流れを何度も繰り返していくことになります。
この循環が続く限り、どこまでいっても「相場運用で安定して利益を出す道筋」は見えてはきません。
これが、相場運用の負の循環です。
十分に注意せねばなりません。
ここから抜け出すには、まずは考え方を改める必要があります。
世間の常識で考える
相場を特別な世界と考えれば考えるほどおかしな方向に行ってしまい、そこから抜け出すのは難しくなります。ここから抜け出すには、まず考え方を改めるべきです。
「一般社会の常識的な考え方は、相場世界でもそのまま通じる。」
こう考え方を変えていくことで、相場運用で利益を出していける道が見えてきます。
実際のところ、相場世界の見方は、世間一般の考え方とよく似ています。
- 「研究ばかりしていても商品は売れない」
- 「研究+販売の2つが揃って売れる商品となる」
- 「努力の方向性が違っていたら成果はでない」
- 「努力の積み上げこそが成果を生む」
- 「継続は力なり」
営業の世界で商品を沢山売るにはどうしたらよいか。
商品が良ければ黙っていても売れるというものではありません。
営業ノウハウの本を何十冊読んでも行動しなければ1つも商品は売れません。
努力の方向性が間違っていれば、いくら頑張っても成果には繋がりにくいものです。
努力の方向性が合っていてもすぐに成果が出るものでもありません。
時間をかけてゆっくりと効果を上げていく。
成果が出始めたら、そこからが本当の勝負です。
その努力を継続することが大切です。その継続によって利益も大きく伸びていきます。
相場での利益の積み上げもこれと同じ流れです。
短期で大きく稼ぐこともあるかもしれません。でも、それを長期間安定した利益に繋げていくのは日々の努力の継続です。
これはこじつけではありません。
私自身が、このメルマガでお見せしてきた姿そのものです。
武道やスポーツなどの上達でも同じです。
本やネット上で理論の勉強を何十年続けても、空手で強くなることは出来ません。
理論は大切ですが、日々の練習をきっちりと続けていくことが最も重要なことになります。
どんなスポーツでも、毎日毎日の練習は、地味なものです。
相場運用で利益を出し続けていくというのも、そういう地味は日々の積み上げて成し遂げていくものです。
それでも相場の世界はゆるい
「世間の常識と同じに考えよう」
こう考えていけば、相場世界でも着実に成功に近づいていけます。これって。とても大変な気がするかもしれません。
でも、30年相場世界をみてきて思うのです。
そうはいうものの、「相場の世界はやはりゆるい」ということです。
サラリーマン時代、証券会社や生命保険会社で営業を15年くらいやりました。あの世界の激しさと比べれば、相場世界は本当に楽です。
努力といっても、突き詰めれば「毎日場帳・グラフ記入をする」程度のことです。1日5分程度の作業にすぎません。
過去の値動きの研究をしたり、グラフを描きなおしたりすることもありますが、大したものでもありません。
ただ、ストレスは相場世界の方があるかもしれません。
特に、相場運用が軌道に乗るまでは大変かもしれません。
相場世界では、成績不振はそのまま資産減になっていきます。
営業やサラリーマンで成績が悪くても、大体は給料が減るくらいで済みます。
これまで貯めたお金も減るということは、まずありません。
相場世界では、失敗すればこれまで貯めてきたお金が減ります。
それに慣れるまでが大変ですが、軌道に乗ってしまえばそのストレスも減っていきます。
一日数分の作業でできることを中心に私はやってきました。
なので、忙しいサラリーマンでも副業的に実践が可能です。
相場の世界を特殊なものではなく普通のものと考えて運用法を探していけば、無理なく実践できるものを見つけられるのではないかと思います。
FX初心者向け FX長期投資派の基礎 目次
- 第1回:投資で儲かっている人はどこにいる? 30年経っても変わらない現実
- 第2回:心得編その1:人の行く裏に道あり花の山 振り回されない運用
- 第3回:心得編その2:相場で勝つための見方・考え方
- 第4回:心得編その3:見えない敵とどう戦うべきか
- 第5回:FX・株式のニセ情報と戦うために必要な力
- 第6回:心得編その4:本当に儲かるFX運用法はどれ?
- 第7回:FXでの損きり判断 3つの基準 心得編その5
- 第8回:小人閑居 考え過ぎると失敗するの法則 FX心得編その6
- 第9回:FX・株式 思い付き売買はケガの元
- 第10回:心得その7:少数派でいる方が勝てる
- 第11回:心得その8:運も実力のうちの捉え方・考え方
- 第12回:心得その9:FXトレーダーは健康管理も重視すべし
- 第13回:FX専業トレーダー心得 狡兎三窟のすすめ
心得編のあとは、FX勝利貫徹編1話:凡人の道へと続きます。