大底圏を丁寧に拾えるドルコスト平均法
純ドルコスト平均法の定期連載の最後に「純ドルコスト平均法 成功するためのコツ」をまとめています。今回はその2「大底圏を丁寧に拾っていける」です。純ドルコスト平均法にとって下げ局面は好機でもあります。チャンスをしっかりと活かしていきましょう。
その2 大底圏を丁寧に拾っていける
「大底圏を丁寧に拾っていく」
これは、全投資家の永遠の夢といってもよいかもしれません。私の師匠林輝太郎の言葉を借りれば「狙って大底は買えない」というのが現実です。私も「運が良い時は買えることもある」程度に考えるようにしています。
でも、暴落時期などは特に「ここが底かな」と思ってしまい手を出したくなります。読者の皆様の中にも、私同様に大底で買いたいという気持ちが強い方は多いだろうと思います。
大底でしっかりと買っていけるのがドルコスト平均法の大きなメリットの一つです。無論、狙って大底を買う訳ではありません。毎月決められた日に買い続けるだけなので、これが結果的に大底を丁寧に拾っていくことになります。
しかも、「大底圏では、ドルコスト平均法効果により売買数量も増える」というわけなので、買い平均値を大きく下げることができます。
この威力は単純な分割売買での買い下がり、いわゆる「ナンピン」よりも強力です。
そして、私たちがやっている純ドルコスト平均法は単純なドルコスト平均法にレバレッジ操作を加えているので、効果をさらに上げていくことができます。
理論だけでなく実現できる
実際に、公開口座ではそれを実現してきました。
参考記事:下げ相場でのドルコスト平均法効果
この記事には、それまでのポジション作成状況グラフも載っています。豪ドル円が大きく下げているときに売買数量が数倍に増加しているのが確認できるかと思います。ドルコスト平均法の理論・運用法はネット上にあふれていますが、現実に利益を出すところまでできる形式のものはごく僅かです。
そのせいか、「ドルコスト平均法は絵に描いた餅」と切り捨ててしまう評論家もいます。
でも、基本を守りしっかりとやればこういう運用法でも利益を出していけるものです。
ブログ・メルマガの多くの読者がFX積立を行っています。おそらく今回の豪ドル円下げもそれほど気にはならないでしょう。むしろ、「このままいけば、来月は安値圏で買って買い平均とを大きく下げられるかもしれない」と楽しみにしている方もいるかもしれません。
私もちょっと楽しみにしている一人です。
とはいえ、暴落気味の下げ相場というのは下げている時は底が見えないことが多いものです。「勝負」と意気込んで買っていると、「楽しさ」よりも「恐怖」が増大するものでもあります。積立形式で月に1回だけ勝負する程度だからこそ「楽しむ」なんて表現ができ訳です。
今後もこの良さを大切に続けていくつもりです。
単純なものこそ利益となる
FXは、複雑にするとどこまでも複雑に難解なものとなるのですが、単純に考えて簡単なことを続けても利益は出せます。多くの成功者は「単純な運用法」をやっています。
私のやっていることも単純なことばかりです。私の基礎は今でもサヤすべり取りです。
皮肉なことですが、複雑で手間のかかる運用法ほどあまり成績は芳しくない傾向にあります。
勉強熱心な人ほど、どんどんいろんな運用法を試して融合させて自己流運用法で売買していく傾向にあるのですが、なかなかうまくはいかないものです。
FXはそこまで難しいものではありません。もしも、自己流で苦しんでいるのであれば考え方を少し変えてみると良いかもしれません。
例えばこういうことです。
「正しい考え方」を元に、昔から成功者を出している運用法をしっかり身に着けていけば自然と利益は安定してきます。まずは、その運用法で基礎をしっかりと固めていく。
こんな感じです。
一つだけ忠告するなら、昔から成功者を出している運用法は、有料商材の中には見当たりません。高額な投資教材にいくらお金をつぎこんでもそういう運用法は見つかりません。
では、どうしたらよいか。
私が、自信を持っておすすめできるのは「林輝太郎先生の本を読むこと」です。まず一冊読み込んでみてください。最初は、どの本でも良いのです。
その本で、感銘を受けるようであれば次の本に進んでみてください。
メルマガで何度か書いていますが、私は最初に林先生の本を読んだときに大きな衝撃を受けました。そして、夢中で読んでいるときに涙まででてきました。
それまでずっと苦しんでいたんです。
どんな投資法をやっても安定した利益が出せないからです。わかっていたのは「情報で儲け続けることは不可能」「万能チャートは存在しない」ということです。
- 相場師になるつもりで東京にでてきた。
- 大証券ではなく相場師が取引しそうな小さな証券会社に入社した。
- それなのに、営業で多くの人に会ったけれど損している人ばかり。
- いくら勉強しても「儲け続ける道」は見つからない。
大袈裟でなく、人生を相場に賭けていた私にとって絶望的な状況でした。でも、絶望的な状況でも諦めなければ光明は見えてくるものです。
そんな時に先輩が読んでいた本が目に入りました。
すごく地味な本です。
そして題名も経済学の教科書のような漢字だらけのものです。「儲かる」とか「1億件稼いだ!」とか「●●先生が書いた」とか「秘伝●●チャート」のあおり言葉が全くない投資本を初めてみました。
でも、手に取って読み始めてから一気に引き込まれたのです。
「私の苦しみの答えがここにあるかもしれない」
確信にも近い気持ちで夢中で読んでいました。先輩に本を返してからすぐに書店にいき、先生の本を数冊購入して、何度も何度も読み直しました。それまでの運用法とは全く違う考え方に戸惑い、疑問だらけとなって混乱したまま読み続けたのです。それから、「場帖の書き方はどうしたらいいのか」「場帖の見方はどうしたらいいんだ」「仕掛けはどこでやるのか」など疑問点をひとつづつ潰しこんで納得のいくまで読みこみました。
林先生の運用法は、「実践していくことで解決する疑問点」も多数あります。毎日場帖・グラフを描きながら、本を読み直していく日々が数ヶ月は続いたのです。
あの時、自分の進む道を決めたからこそ今の私があります。そうでなければ、相場運用で利益を出していく自信もつかなかったでしょう。当然、このメルマガを始めることもありませんでした。
林先生のやり方は、どれも単純です。
一見難しそうですが、始めてみれば1日1分でできる程度の事です。
手書きグラフとか時代遅れな気もするかもしれませんが、私は「そこがよいのだ」と感じています。
人間には、本能的に素晴らしい判断能力があります。その能力を鍛え上げていくことでその力は、相場にも活かせます。場帖・グラフを描き続けることが、その能力を鍛え上げていく行為にあたります。その能力は、一朝一夕でできるものではなく、日々の鍛錬で鍛え上げていくものです。
こういう能力を鍛えるには、五感を動かすものが適しています。1日1分の作業といっても「目でみて手を動かし体で感じる」とでも表現できるようなことを続けていき、値を受け止めていきます。
ただ、林先生の本を読んで誰もが私同様の感銘を受ける訳ではありません。
実際、相場で苦しんでいる友人やサラリーマン時代のお客様数名に林先生の本をプレゼントしたことがあります。でも、誰もその本を読み込むことはしませんでした。サラリと一読して「良い本だね」とはいっても実践した人は誰もいなかったのです。
人によって、合う運用法は違うんですよね。
なので、まずは1冊読んで頂きたいのです。1冊目を読んで何の感銘もなければ無理に2冊目を読む必要はありません。林先生のやり方が合わないようであれば、別の方法を探すほうに時間を取るべきです。
ちょっと話がずれましたね。
純ドルコスト平均法は、1日1分の作業も不要です。ただ、考え方の基礎部分はサヤすべり取り実践で学んできたことにあります。
やっていることは、どれも単純です。「単純な方法」と「複雑な方法」どちらを選ぶかは、人それぞれです。
これからも、私は「単純で簡単にできる運用法」ばかりをやっていきます。この純ドルコスト平均法もこの下落期でしっかりと買い平均値を下げていくつもりでおります。
ドルコスト平均法2015 目次
- 第1回ドルコスト平均法での成功者が少ない理由
- 第2回ドルコスト平均法 上げ相場のメリット・デメリット
- 第3回ドルコスト平均法 下げ相場のメリット・デメリット
- 第4回ドルコスト平均法成功の肝 下げ相場の戦い方
- 第5回ドルコスト平均法 買い続けるための3ステップ
- 第6回豪ドル円大暴落 実は10年に1度だった
- 第7回運用資金増加と成功の道筋
- 第8回安全性の「要」 資金管理ルール
- 第9回ドルコスト平均法 2015年の成績状況
- 第10回FX大失敗 を防ぐ ドルコスト平均法積立ルール鉄則
- 第11回「天井買わず 大底に買う」のための売買ルール
- 第12回利益確定後の再投下資金 売買ルール
- 第13回ドルコスト平均法 初心者の方へ 最初の注意事項
- 第14回ドルコスト平均法 適正レバレッジに合わせて売買ルール変更
- 第15回利益確定のタイミング
- 第16回豪ドル円15円抜き 欲張りな利益確定の理由
- 第17回レバレッジ付定期外貨取引 円高に強い設定事例
- 第18回純ドルコスト平均法成功のポイント その1
- 第19回その2 大底圏を丁寧に拾えるドルコスト平均法
- 第20回その3 FX積立派ポジションは暴落で強くなる
- 第21回その4 レバレッジを変動させることで効果を上げる
- 第22回その5 個人差がでない誰でも成果が望める
- 第23回FX積立運用成功のための必要能力 それは「グリット」
この連載は、SBIFXトレードを使用した純ドルコスト平均法実践のためのコツやルール改良点などをまとめたものです。このドルコスト平均法運用の概要や運用状況は下記にてまとめてあります。