FX損きり新視点「逆指値不要で損失限定できる方法」
FXで大きく上昇を狙って買いポジションを作ったが、狙いが外れて大きな損失を被ったという経験はFX投資家のほとんどがお持ちだろうと思います。私も、何度か痛い目に遭っています。損失を限定するには逆指値を入れればよいのですが、その後に戻ってきて悔しい想いをすることもよくあることです。
「損失限定 取引値も不利にならずにFX同様に仕掛けられる」
こういう仕掛けが、FXオプションでは可能なときがあります。想定が大きく崩れても大損失を食らわずに、一度下げて戻ってきてもポジションが残っていて最後まで利益を追いかけられるという仕掛をご紹介させていただきます。
FXオプションでできる手堅い勝負
上記画像は、豪ドル円コールオプションのプレミアム表です。現在値は左上薄赤色の81.84円です。
ここで注目して欲しいのが右側の薄赤色部分と薄青色部分です。
薄青色部分は、薄赤色部分よりも更に有利に仕掛けられる部分ですので、ここでは薄赤色部分を例にして説明させていただきます。
このコールオプション買いは、以下のような条件になっています。
- プレミアム:4.891
- 権利行使価格:77円
- 期日:2018年12月19日
期日に、このコールオプション買いで利益が出る水準も計算してみましょう。
- 77円+4.891=81.891円
現在値81.84円とほぼ同値で利益が出ます。
コールオプション買いは、「損失限定 利益無限大に狙える」というのが魅力なのですが、期日が近かったり権利行使価格が近いものは「利益が出るまでの値幅が結構ある」というのもお決まりパターンになっています。
つまり、値動きが弱ければ利益にはならないというのがコールオプション買いの通常の姿です。
でも、権利行使価格と期日をみていくと「利益の出る水準が現在値とほぼ同等」という仕掛けもできる時があります。このFXオプションでのコールオプション買いには以下のような特徴があります。
- 損失限定
- 利益大きく狙える
- 期日は12月19日
- 期日前の途中決済も可能(途中決済のスプレッドは10銭程度と広目)
- スワップポイントは無い
完全にFXと同じという訳にはいかないのですが、かなり近い条件で売買ができます。
FXオプション 損益収支表
このコールオプション買いを10万通貨保有したとしての損益収支を表にまとめてみました。期日まで保有した場合の豪ドル円値で収支計算をしています。
豪ドル円 | 収支 |
---|---|
70円 | -489,100円 |
75円 | -489,100円 |
77円 | -489,100円 |
80円 | -189,100円 |
82円 | 10,900円 |
84円 | 210,900円 |
87円 | 510,900円 |
90円 | 810,900円、 |
10万通貨での最大損失は、-489,100円です。値動きにして約5円前後です。これまでに損きりをきっちりと実行できている方には、このやり方は不要かもしれません。でも、10円下げてもなかなか損きりが出来ないという方にとっては一考の価値があると思います。
損益をみていただくと、「利益の出方はFXとほぼ同じ、損失は限定されている」ことが確認できるはずです。
FXでも逆指値を入れれば、これと同じようにはなります。でも、逆指値は一時的に大きく下げたときも発動するため、下げた後に結局戻ったというときにはとっても悔しい想いをします。
このコールオプション買いであれば、そういう気持ちにならずに済みます。
一時的に落ちてもコールオプション買いポジションは消えずに残っているからです。価値は限りなくゼロに近くなるかもしれませんが、期日までコールオプション買いポジションは残ります。
なので、大きく下げても再び上昇してくれば、そのまま利益になる可能性も残せるのです。
まだ、一般的ではないかもしれませんが、FXオプションを使えばこういう仕掛けも出来てしまいます。
この仕掛けは豪ドル円などのボラティリティが低目の通貨ペアで作りやすい仕掛けです。どの通貨ペアでも出来るものではありませんが、それでも期日と権利行使価格を工夫すれば、ちょっと条件の良い仕掛けは作れます。
口座を持っている方は、たまにプレミアム表を眺めて活用法をチェックしてみてはいかがでしょう。