確定申告不要でもやった方が良いことが多い
ここでは、確定申告を得をするために使うための考え方についてまとめています。
結論から書けば、FXの運用で利益を出すよりも、税金を節約する方が簡単です。制度をしっかりと把握すれば、税金は減らせることが多いからです。
日本人は、税金払い過ぎの方が多いので、きっちり減らしていきましょう。
確定申告不要でもやった方が得することが多いので、しっかりチェックしましょう。
2つの視点で考える
確定申告は、2つの視点で考えましょう。
- 視点1:確定申告が必要かどうか。
- 視点2:確定申告して有利になるかどうか。
一般的には「確定申告が必要かどうか」だけを考えるケースが多いのですが、その先の「すべきかどうか」まで考えるようにしてください。
確定申告が必要かどうかは、制度上の問題ですので、必要であれば確定申告をしなければいけません。
でも、「私は確定申告不要だ。ああ、よかった」で終わらせていた方は、知らないうちに損をしているかもしれません。
制度上確定申告しなくてよくても、確定申告をすることで私たちが得をすることが多いからです。
確定申告を自分でやるようになるとわかるのですが、税金を減らす方法は沢山あります。ちょっとしたことに気づくだけで税金が数万円?数十万円減るのです。
全部をネット上で探し出すのは無理です。
自分でやるからこそ、いろんな気付きを得ながら税金を減らしていけます。
幸い、FXでは大き目の利益を出せば「確定申告が必須」となります。
自身の確定申告を通じて、余分に払っている税金を減らしていくという発想を持って確定申告に取り組んでいきましょう。
視点1:確定申告が必要かどうかの基準
FX・株式投資・仮想通貨・FX・ソーシャルレンティングなどで利益がでた時、確定申告が必要となるかどうかで重要となるのが「職業」です。
職業を中心に4つのポイントがあります。
- 株式投資「特定口座 源泉徴収あり」で問題なければ確定申告不要
- 自営業者 枠なし。
- 主婦・専業トレーダー 33万円(住民税の基礎控除金額まで)
- 給与所得者(サラリーマンなど) 雑所得20万円
一つだけ職業と関係ないのが、株式投資「特定口座 源泉徴収あり」です。
「特定口座 源泉徴収あり」口座は、損益がでたときに税金が自動的に差し引かれるため、そのままで良ければ確定申告をする必要はありません。
ただ、注意しなければいけないのは「税金を払い過ぎているケース」が結構あるということです。私自身、振り返ってみても、株式投資の損益を確定申告しないで済ませた年は、「税金を余分に払ってしまった」ということが多いです。
この部分は、後述します。
自営業の方は、無税枠は0円です。極端に書けばFXで1円の利益でも申告しなければいけません。
ただ、自営業でも先程の「特定口座 源泉徴収あり」口座での利益部分については、その損益で問題なければ確定申告で新たに申告する必要はありません。
主婦・専業トレーダーなど、他に収入源のない方は住民税の基礎控除33万円が目安になります。
- 住民税基礎控除33万円
- 所得税基礎控除38万円
所得税の基礎控除38万円以下であれば確定申告は要りません。
ただ、33万円を超えているのであれば「確定申告不要・住民税申告必要」ということになります。
一番注意が必要なのが、給与所得者(サラリーマン)の雑所得20万円以下のケースです。
雑所得20万円以下の留意点
注意点がいくつかあります。
- 年末調整だけで終わり方であれば確定申告不要
- 確定申告したら20万円以下でも申告必要
- 確定申告は不要でも住民税の申告は必要
年末調整の内容通りで問題なく、FXを含めた雑所得合計が20万円以下であれば確定申告は不要です。
ただ、医療費控除などで確定申告が必要な場合は20万円以下であってもFX利益を申告しなければいけません。
この部分、雑所得20万円以下は「申告不要枠であって非課税枠ではない」ということになります。
尚、所得税の確定申告は不要でも住民税は別です。
住民税に申告不要ルールはありません。
このため、確定申告不要で住民税申告をしていないと、市役所などから呼び出しがかかることもあるようです。
ネット上にもその体験談記事がみつけられます。
住民税申告は、やってみると簡単な事が多いです。
FXの税率は、所得税15.315%・住民税5%です。20万円で5%であれば1万円くらいの住民税で済みまず。
後で、加算税を乗せられるのも悲しいことなので、雑所得20万円以下で確定申告不要の場合でも住民税の申告はしておきましょう。
視点2:確定申告して有利になるかどうか
制度上確定申告不要でも確定申告した方が税金上有利になるかどうかを考えることが大切です。
世の中には、確定申告した方が有利なのに税金を多く払っている方が沢山いるからです。
簡単に書けば・・・・
確定申告すれば税金が10万円くらい戻ってくる(税金還付のこと)なんてことはよくある話なのです。
工夫すれば減らせる税金は、結構あるんです。
私も、昔は税金を多く払い続けている納税者の一人でした。
「よくわからない」「面倒くさい」という気持ちで、確定申告をしなかった年が本当に悔やまれます。
ブログ仲間や友人知人でも、「確定申告しないで済む」というだけで安心してしまう人が沢山います。
私が、「それは確定申告した方が良い」といっても、「面倒だから」などの理由で確定申告をしないんです。
以下の方は、特に注意した方が良いです。
- 本年度、株式・FXなどで損失となった。
- 前年度損失繰越申告をした。
- 全体で利益、しかし口座によってはマイナス成績がある。
- 医療費控除などで控除が受けられる。
「損失繰越なんて気分が悪いだけ」とばかりに確定申告をしないで済ますケース、とても多いです。
これ、本当に勿体ないです。
損失繰越をすれば、翌年以降3年間は利益と相殺できます。
損失の額が数百万円以上ともなれば、翌年以降節税できる金額は、数十万円以上となります。私も10年くらい前に1000万円規模の損失をだしたことがあります。
翌年以降の3年でそれ以上の利益を出しました。
損失繰越をしていたお蔭で税金は数百万円減らせたのです。
もしも、私と同じ大損経験があるのであれば、必ず損失繰越はしておいてくださいませ。
「特定口座 源泉徴収あり」とされている方はこの辺、特に注意されて下さい。
何もしなければ、確定申告は要らないというのが「特定口座 源泉徴収あり」の特徴のせいか、「確定申告したら税金還付がありそう」なのに何もせずに終わらせる方が多い傾向にあります。
株式もFXも数口座を使い分けている方がほとんどです。全体としては利益でも、一部の口座では年間損益マイナスであれば、マイナス口座とプラス口座を合算することで税金を減らせます。
- A口座+50万円 税金10.1575万円納付済
- B口座ー50万円 税金ゼロ
特定口座でこの状況だとすれば、確定申告をして合算すれば合計利益はゼロ円ですので税金もゼロとなり、源泉徴収された10.1575万円は全額還付されます。
医療費控除を受けようとする場合も確定申告が必要になります。少々医療費がかかっていても、「確定申告面倒くさい」といった理由で、そのままにしているケース多いですよね。
実は、昨年妻の母が老健施設に入りました。
この老健施設の費用も医療費控除対象なんです。毎月の費用は月7〜8万円ですので、年間100万円くらいになります。
老健施設は病院ではないので、私としては意外でした。念のために調べたら医療費控除の対象であることがわかりました。
私が費用を応援しているので、こういう費用も医療費控除にできます。
裏を消せば、確定申告をしなければこの医療費控除は受けられません。
扶養控除からはずれるという程度であれば、確定申告した方が良いというケースも有り得ます。
ここの事情は、投資家それぞれで違ってくる部分です。
自分が「確定申告すべきかどうか」は、試算などしてから判断されることをおすすめいたします。
投資家のための税金講座 目次
- 第1回投資税金 3つの種類【投資家のための税金講座】
- 第2回確定申告不要でもやった方が良いことが多い・・・その理由
- 第3回確定申告書記入手順 株式・配当金・FX損益がある場合
- 第4回株式・FXで必要経費にできそうな項目と注意点
- 第5回確定申告の所得控除編 税金を大きく減らせるかもしれない
- 第6回確定申告の税額控除 投資家が押さえておくべき2つの項目
- 第7回配当金税金 4つの方法徹底比較
- 第8回ふるさと納税2020年 概要と活用法
- 第9回NISAは節税に有効なのか? 7年間での効果測定
- 第10回iDeCo(イデコ)とは・・仕組みと税金優遇について
- 第11回iDeCo(イデコ)運営管理機関を選ぶ2つのポイント
- 第12回iDeCo(イデコ)加入方法とこれまでの実績利回り
- 第13回専業主婦(配偶者控除対象外)のiDeCo(イデコ)活用法
- 第14回iDeCo+(イデコプラス)概要と活用法
- 第15回夫婦の税金戦略:仮想通貨・ソーシャルレンティング編
- 第16回株式投資税金対策 夫婦口座使い分けのポイントと実例
- 第17回FX・CFD編:夫婦口座使い分ポイントと考え方
- 第18回FXスワップ投資を無税でやる・・・2020年の注意点
- 第19回FXオプションを無税範囲でやるときの注意点
- 最終回e-Tax 体験談