DMMFX 両建て派3つの注意点 スワップポイントサヤ取りFX2014 第2回
両建ての常連口座でもあるDMMFXですが、スワップポイントの振替などの機能もあります。今回は、税金上もかなりユニークな仕組みを持つDMMFXの特徴をまとめさせていただきます。
DMMFX ユニークな特徴
DMMFXは、スワップポイントサヤ取りでよく使う口座の一つです。ここには取引上有利な点と税金上有利な点など他社にはない特色がいくつかあります。
便利な部分と要注意の両方あるのでDMMFXを使う際は把握しておく必要があります。スワップポイントサヤ取りで影響を受けるのは以下の3点です。
- 指値注文の制約が少ない。
- スワップ振替ができる
- 入出金規制
以下、補足させていただきます。
DMMFX 指値注文の制約が少ない。
私は、スワップポイントサヤ取りのポジションを作成するときは、「最初のポジションは成行注文」で次の反対ポジションは「ちょっとだけ有利な指値注文」で出します。両方とも成行注文だと妙にスベることが多い気がするので、片方はギリギリの指値注文を入れて成約させるようにしています。
ただ、中には指値注文の規制条件が厳しくて成行注文にせざるを得ない口座もあります。規制で代表的なものは以下の2つです。
- ASK−BID間の値には指値は入れられない。
- 現在値よりも数銭おかないと指値注文だせない
指値注文ができないという口座は一つもないのですが、その中身はいろいろと差があります。例えば、現在のNZドル円が88.040ー88.070円だとします。
- 1の場合だと、この時に「88.060買い注文」が出せません。
- 2の場合「5銭」という制約があると、買いの指値注文は88.020円以下からしか出来ません。
この場合、規定どおりに指値注文を入れてしまうとそこまで値が動かなくて指値が入らず反転してしまうこともあります。私は、こういう規定のFX口座では指値注文はあまり使わないようにしています。
スワップポイントサヤ取りは、両建てにするからこそで安心運用ができるので、こういう失敗パターンはなんとしても避けねばならないからです。
DMMFXは、買いであればASKと同値から、売りであればBIDと同値からとほとんど制約のない指値注文ができます。
なので、DMMFXであれば先ほどの「NZドル円が88.040ー88.070円」でも88.060円買い指値注文もだせます。欲張らずに1銭程度で指値注文を入れておけば、無理なくちょっと有利な両建てポジションが作れます。
この仕組みは、両建てポジションを作る際にはとても役立ちます。
これは、DMMFXのメリットといえます。
スワップ振替ができる
DMMFXのスワップポイントは、前回のメルマガでも書いた基本的に「Bタイプ:ポジションを決済した年に課税対象なる。」口座です。「基本的に」という書き方をしたのは、DMMFXにはBタイプなのにAタイプと同じようにする方法があるためです。
それは「スワップ振替」という制度です。
この「スワップ振替」は、決済せずにスワップポイントを引き出せるという内容で、税金対策上もとても便利な機能になっています。「スワップ振替」は、DMMFXさんのHP上はこう書かれています。
「ポジション決済(反対売買)」もしくは「スワップ受取」を行った場合の決済損益・スワップポイントは課税対象となります。
「スワップ振替」を有効活用することでスワップポイントサヤ取りでのスワップポイントの悩みは解消できます。
- 使い方その1:Aタイプとの組合せの際には、年末に「スワップ振替」をすることで同じ年に課税対象とすることができる。
- 使い方その2:利益額が非課税枠に近いときは、スワップ振替で税金ゼロの水準まで引き下げるような使い方も可能。
しかも、うれしいことに「スワップ振替」は、ポジション毎にスワップポイント振替ができます。なので、細かい調整もできます。ポジションを分割して作っておけばかなり自由な使い方もできます。
つまり、サラリーマンの方が年間50万円の利益が出ている状況でDMMFX口座にー50万円のスワップポイントがあるとすれば、その内30万円分のスワップポイントを「スワップ振替」するだけで課税対象利益を申告不要枠の20万円まで減らすような使い方が可能です。
まあ、これはあまり大っぴらには書けないですけどね。こういう税金調整手段は、税務署さんが嫌がるもののひとつです。この方法があまりにも拡がると規制の対象になってしまうこともあるからです。
そんなバカなと思うかもしれませんが、こういうパターンは、生命保険勤務時代に何度か経験しています。まあ、読者の皆さんが有効活用する程度では問題になることはないだろうと思います。
入出金規制
良いことばかり書きましたが、DMMFXで要注意な規定もあります。前にも指摘しているので、既にご存知の方が多いと思いますが、DMMFXは、取引とは関係のない入出金への規制があります。
店頭外国為替証拠金取引約款(PDF)
第7条(禁止事項)
(9)取引とは関係がないと思われる入出金を繰り返し行う行為
当時の事情としては「スキャルピング対策」の意味合いでできた規定と言われています。ただ、規定がある以上、他の取引にこれが適用される可能性がないとはいえません。スワップポイントサヤ取りでも、資金的余裕を少なめにしていると入出金回数が多くなる傾向があります。
私達スワップポイントサヤ取りをする投資家は、「この投資法はFX業者側にとってはそれほど儲からない」ということを自覚しておくべきだと思っています。
売買をせずに入出金を何度もされたら、その分だけFX業者さんの手数料負担が大きくなってしまいます。そうなれば、こういう規制が更に強化されてしまう事態も想定されます。
つまり、「ポジションを保有しているだけで入出金を繰り返す状況」は、FX業者側からすれば収益を圧迫する顧客と判断される可能性もあります。
こういった理由から煩雑な入出金は、DMMFXさんに限らず他の口座でも注意すべき部分です。
私はFX業者さんが一番嫌がるであろう出金は基本的に月1回に抑えるようにしています。そのため、通常入金してある証拠金も少々の値動きがあっても大丈夫なようにある程度余裕をもたせてあります。
為替変動リスクを気にせずに利益を積み上げていけるこの投資法は手堅いやり方として多くの方に利用して欲しいと思っています。長く使っていくためにも、投資家側からの配慮も大切です。
業者側から規制など入れば、私達の収益機会も失われます。そうならないようにやっていきたいものです。
スワップポイントサヤ取り 関連記事2014目次
- 第1回利益よりも税金が多くなるFX事例
- 第2回DMMFX 両建て派3つの注意点
- 第3回海外FXと国内FX両建て 税金問題
- 第4回サヤ取り税金チェック法
- 第5回異業者両建て 証拠金余力の目安
スワップポイントサヤ取りについては、以下のページに運用ルールや運用成績をまとめてあります。