サヤ取り税金チェック法 スワップポイントサヤ取りFX2014第4回
今回は連載最初に書かせていただいた「スワップポイント支払タイプが違う場合の対処法」についてです。
スワップポイントサヤ取りをAタイプとBタイプの組合せで両建てした時に具体的にどう対応していくかを書かせていただきます。儲かっているはずなのにお金が増えていない。実は、税金沢山払っているなんてことがないようにしたいですね。
AタイプとBタイプでのサヤ取りのチェック手順
既に書いたように、スワップポイントサヤ取りで両建てポジションを保有したまま、決済が翌年になる場合Aタイプの口座だと発生したスワップポイント分だけ損益が発生することになります。既に書いたように、深刻となるケースもたまに発生します。
でも、そのケースに該当したときに何も対応しないでいると利益以上の税金を払う可能性もあるため、注意しておかねばなりません。FX税金に自信のない方は以下の手順を参考にチェックしてみてください。
スワップポイントサヤ取りでAタイプ口座を使っている場合、そのスワップポイント収支がプラスかマイナスかをまずは確認します。
「マイナスなら問題はありません」
つまり、豪ドル円売りポジションなどマイナススワップポイントが発生する側の口座がAタイプであればあまり心配は要らないということです。マイナスなら問題はありませんというのは、微妙な心境になるかもしれません。損しているような気分になるかもしれません。
でも、総合の収支はプラスになるので心配は要りません。両建てなので、損発生が優先すれば一時的にマイナスになるというだけで、後日全ポジションを決済するときにはこれ以上の利益が発生して収支が合うようになっています。
問題となるのは、「Aタイプ口座のスワップポイント受取りがプラスになる場合」です。Aタイプはスワップポイント発生分はポジションを決済しなくてもその年の課税対象となるため、Bタイプと課税時期がずれてしまうからです。
なぜ、マイナスなら問題ないのでしょうね。
Aタイプの業者さんでマイナススワップが発生していただめその年の収支がスワップポイント支払分だけマイナスになるということがあるかもしれません。これが、問題ないと言えるのは「損失繰越」があるためです。
その年は損失繰越をしておき、翌年決済で大きく利益がでたときに相殺するという流れが作れます。勿論、その際には確定申告での「損失繰越手続き」もお忘れなくお願いいたします。
では、Aタイプでスワップポイントがプラスとなった時はどうすればいいでしょう。
Aタイプの口座で豪ドル円買いポジションなどでスワップポイント受取が発生している場合、それはその年の利益となります。Bタイプ口座のマイナススワップ分は翌年の課税対象なので、今年分は利益部分に税率20%で税金がかかることになるからです。そのままにしておくと税金負担が大きくなるのでマズイことになります。
仮に、買いポジション口座で発生したスワップポイントが100万円だとすれば、約20万円の税金となります。
両建ての反対ポジションには90万円くらいのマイナススワップポイントが乗っているような状況だとすれば、利益10万円に対して20万円の税金を払っていることになります。
利益繰越は出来ないので、このままでは何のためにFXやっているのかわかりません。
まずすべきことは、「他のFX口座との損益合計計算」です。Aタイプで利益となった場合は、まずは他の口座との損益を合算します。
スワップポイントサヤ取りだけやっているという方は、まずいないと思います。スワップポイントサヤ取りのタイプが違っていても、確定申告時には全ての収支を合計するので問題ないケースが多いかもしれません。
ここで大雑把に3つのケースが想定できます。
ケース |
対応 |
理由 |
---|---|---|
その1:全体が損失 | 対応不要; | 純粋に損が多いという悩みは残ってしまうかもしれませんが、スワップポイントサヤ取りで税金上不利にならないという意味では対応不要です。 |
その2:Aタイプのスワップポイントのせいで全体がプラス | 対応必要 | 利益分だけ税金を多く払う可能性あり |
その3:合計が大きくプラス | 対応必要 | 利益分だけ税金を多く払う可能性あり |
問題なのは、2と3のケースです。この場合、翌年の見通しを考慮して判断することになります。これらのケースは、スワップポイントサヤ取りポジションのスワップポイント利益を今年吐き出しているため、来年はスワップポイントサヤ取りポジションではマイナス部分が出ることになります。
ただ、翌年もそれを上回る利益が出せれば問題ありません。でも、自信があっても結果としてマイナスになることだってあります。長期では利益を積み上げる実力があったとしても、単年度ではマイナスになる年もあるので、こういう不安の種はできるだけその年に対応すべきです。
先ほどの2と3の場合、簡単な対応策は2つあります。
- 他運用法口座で含み損ポジションを損きり、当年利益を無税範囲にする
- スワップポイントサヤ取りポジションを一旦決済する。
もしも、含み損ポジションがあった場合一旦決済することで、今年の利益と相殺して税金を減らす効果があります。その際は、出来るだけ裁量トレード口座の含み損ポジションから決済するようにします。
南アフリカランド円のスワップポイントサヤ取りポジションなどは、スプレッドを埋めるのに1ヶ月以上かかるのが普通です。スプレッドを埋め終わってから利益が本格的に積みあがっていきます。
なので、一旦決済してしまうとその流れが中断することになります。
こういう理由から、税金対策で決済するのであれば、出来るだけ他の運用法口座で含み損になっているポジションを活用するほうが得策ということになります。年間収支がマイナスになるというのは気分的には嫌なものですが、税金を払いすぎないための対策と割り切ってやっておきましょう。
ただ、含み損ポジションを決済しても利益となってしまう場合もあると思います。そういう場合は、2番のスワップポイントサヤ取りポジションを一旦決済実行を検討するときです。長く保有すればするほど利益が大きくなるとはいえ、税金を利益以上に払うリスクだけは負うべきではありません。
あとは、利益額がどの程度かなども考慮して総合的に判断して頂ければと思います。
スワップポイントサヤ取りは、為替変動に関係なく大きな損きりもせずに手堅く利益を積み上げていけます。
それ故、こういう税金的な部分で利益を吐き出すようなことだけは避けていきたいものです。
スワップポイントサヤ取り 関連記事2014目次
- 第1回利益よりも税金が多くなるFX事例
- 第2回DMMFX 両建て派3つの注意点
- 第3回海外FXと国内FX両建て 税金問題
- 第4回サヤ取り税金チェック法
- 第5回異業者両建て 証拠金余力の目安
スワップポイントサヤ取りについては、以下のページに運用ルールや運用成績をまとめてあります。