コストダウンとは くりっく株365入門第8回
コストダウンのツナギと聞いて、最初に引っかかるのがコストダウンの意味です。その考え方をまとめました。
コストダウンの意味と仕組み
前回記事ロスチャイルドと山崎種二 下げ相場を利益に変えていくサヤすべり取りでは、「コストダウンのツナギ」の概略や良く知られた成功者について書かせていただきました。今回より、「コストダウンのツナギ」の中身に入っていきます。
まずは、「コストダウン」の意味についてです。
「コストダウンのツナギ」は、サヤ取りなどに比べて仕組みは簡単なのですが、ちょっと誤解されやすいところがあります。できるだけ、わかりやすくするため語句の説明から入っていきます。コストダウンのツナギのイメージ図を作ってみました。
コストダウンという用語は、FXで使われることはほとんどないので、おそらくピンとこないはずです。でも、難しくはないので図をみながら読み進めてください。
コストダウンとは
例えば、株価600円で株式を保有しているとします。「コストダウンのツナギ」は、そろそろ天井という感じになったら、決済ではなく一旦両建てにします。
ここでは、1000円に上昇したところで売りポジションを作っています。この時点でポジションは、両建てとなります。
株600円買い − 1000円売り
つまり、こんな具合に400円の含み益を抱えた両建てポジションということです。
その後に大きく下げてきたら、売りポジションだけ利益確定決済をします。この図では、500円に下げたところで売りポジションの利益確定をしています。
この利益確定が終了した時点で、利益幅500円=コストダウンと呼びます。この売買では、「500円のコストダウンができた」という言い方をします。この利益確定終了時点では、出発地点と同じ株が手元に残ります。
この状態は「コストダウンのツナギ」的な見方でいくとこう表現できます。
600円で株を保有していて、それを手放さずに500円の利益が入ってきて600−500=100円まで実質的な保有株価をコストダウンするのに成功した。
「コストダウンのツナギ」とは、利益分を保有株価に相当する金額に変更して「コストダウン1000円成功」とか「コストダウン500円成功」という感じで売買を続けていくことになります。
林輝太郎先生の本の中で紹介されている山崎種二氏の東京海上株のコストダウンのツナギでは、東京海上のコストはマイナス1200円と紹介されています。仮にもともとの買い平均値が1200円だとすれば、コストダウンのツナギを続けていったことにより利益累計が1株あたり2400円となり元の購入株価以上の利益がでていたという意味になります。
こんな感じで、利益を買い平均値のコストに置き換えていくのがコストダウンという考え方です。
ただ、私の現実の売買ではコストダウンの言葉自体にはこだわりません。物事を複雑にせず、「500円分の利益がでた」という形で表現していくつもりです。ブログ記事で頻繁にコストダウンの解釈を持ち出すと、FX投資家にとって意味不明なものになり、読んでもらえなくなるおそれがあるためです。
ただ、コストダウンのツナギに本気で取り組もうとお考えの方には絶対に理解しておくべき部分ですので、ここで書かせていただいております。
この売買が続けられるかかどうかのポイントとなるのが、「両建て時の維持コスト」です。
両建て時の維持コスト くりっく株365はゼロ円
相場運用は分野を問わず、いつでも天井大底をとらえた適格な売買ができるわけではありません。
コストダウンのツナギでも、売りポジション保有期間は数年に及ぶこともあります。実際、前回書いた山崎種二さんが大株主として保有していた東京海上株に「コストダウンのツナギ」を仕掛けたときには、かなりの長期間売り続けた時期もあったようです
株式の制度信用取引では6か月の期間があるため、売りポジションを継続するのであれば一旦決済して売りポジションを作り直す必要があります。
このため、株式投資でコストダウンのツナギをすると手数料が何度もかかかります。そして長期保有には貸株料などの維持コストもかかります。期限のない一般信用取引は、諸金利が高い傾向にあるため数年売りポジションを保有し続けると積もり積もった金利負担はかなり大きなものになってしまうのです。
FXでも、この状況は似ています。スワップポイントが売りと買いで違う業者で両建て保有をすると保有すればするほどスワップポイント差分の損失も積もっていきます。
くりっく365など、スワップポイント差がゼロ円のところでも、スプレッドや手数料負担は通常売買の2倍という部分からは逃れられません。
ところが、くりっく株365では、事情が違ってきます。
くりっく株365では両建てにして長期保有しても毎日発生する調整金が売りと買い同値のため、維持コストが膨らむことはありません。両建てした後は、何年保有しても含み損益が増えたり減ったりすることはないのでじっくりと構えていけます。
「コストダウンのツナギ」では、両建て後に更に大きく上昇して当初の目論見と大きくズレるすこともあります。こういう時は売りポジションを外すか両建てポジション全部を消滅させるかのどちらかを検討することになります。
この時に両建て消滅をすると決めたときには、くりっく株365の「転売・買戻しの申告」が役に立つことになります。
経験ある方も多いかもしれませんが、FXでの裁量トレードでも、両建てにした後に一気に両建てポジションを消滅させるとき、慣れていないとミスをしてしまうこともあります。くりっく株365の場合は、その心配がありません。
両建て後のポジション変化についてはいずれ書かせていただきます。ここでは、くりっく株365であれば両建て維持コストがゼロ円で何年でも長期保有ができるという点を押さえておいていただければ結構です。
くりっく株365入門 目次
- 第1回:くりっく株365人気急上昇の実態と理由
- 第2回:くりっく株365 証拠金制度と2倍になるのに必要な値動き
- 第3回:日経225先物とくりっく株365「日経225」 私の感想
- 第4回:くりっく株365長期保有にむく理由 キモは2つの調整金
- 第5回:両建て派優遇 くりっく株365の両建て制度
- 第6回:くりっく株365両建て 4つのメリット
- 第7回:ロスチャイルドと山崎種二がやったサヤすべり取りとは
- 第8回:コストダウンとは
- 第9回:コストダウンのツナギ 両建てで利益が増えるカラクリ
- 第10回:くりっく株365 「転売・買戻しの申告」の使い方
- 第11回:コストダウンのツナギ 3つの収益源
- 第12回:「コストダウンのツナギ」売買ルール
- 第13回:くりっく株365両建てをつかった税金対策の小技
- 第144回:両建てポジション長期維持コストゼロの検証
使っているくりっく株365口座は岡三証券です。