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リピート系自動売買 始める前に知っておくべきリスク

今回は最初に知っておくべきリスクについてです。

損失加速のリスク

リピート系自動売買の草分けであるマネースクエア社のトラリピは2006年6月にサービスが提供開始されています。今月2017年6月から12年目に突入する歴史あるサービスです。

 

ちょっと意外かもしれません。私は、もっと新しいサービスだと思っていました。まあ、僕がずっと使ってこなかったので気づかなっただけかもしれないですけどね。

 

私が、リピート系自動売買を使ってこなかった理由は既に書かせて頂いたのでここでは割愛させて頂きます。

 

このリピート系自動売買をやる前に、まず知っておかねばならないことがあります。

 

それは、「損失加速のリスク」です。

 

これは、リピート系自動売買は相場逆行時に通常の裁量トレードの数倍のペースで含み損が増加する特徴のことをいいます。リピート系自動売買での失敗談のほとんどが、この「損失加速のリスク」に起因するといっても過言ではありません。

 

1000通貨売買で気楽に始めたはずが、大き目の下落で一気に証拠金が減っていくということが現実に起きます。

 

なので、「損失加速のリスク」の仕組みと対応策は予め考慮して設定を作る必要があります。一般の裁量トレードと比べてどれくらい違うのかをまず説明させて頂きます。

損失加速のリスク

以下の設定で含み損増加ペースを比較してみます。

 

  • 一般裁量トレードで10万通貨買いポジション
  • リピート系自動売買で1000通貨・10銭幅・150本の買い設定

 

どちらも、通貨が下落すれば含み損が増えていくというのは同じです。表向き、10万通貨を一気に買うよりも1000通貨づつ買っていく方が気楽でリスクも低く感じてしまうかもしれません。

 

でも、1000通貨で150本買い続ければ合計ポジションは15万通貨となります。

 

そして、実際の含み損増加は以下のようになります。

 

10万通貨の買いポジションの場合

 

  • 5円下落⇒50万円の含み損
  • 10円下落⇒100万円の含み損
  • 15円下落⇒150万円の含み損
  • 20円下落⇒200万円の含み損
  • 30円下落⇒300万円の含み損

 

「見慣れた」と書くのもおかしいですが、通常よくあるパターンの含み損増加ペースです。

 

1000通貨 リピート系自動売買の場合

 

  • 5円下落⇒12.5万円の含み損
  • 10円下落⇒50万円の含み損
  • 15円下落⇒112.5万円の含み損
  • 20円下落⇒187.5万円の含み損
  • 30円下落⇒337.5万円の含み損

 

5円から20円に至るまでの含み損増加率に注目下さい。

 

単純に10万通貨の買いだった場合は、5円から20円までの含み損増加率は200万円÷50万円=4倍です。

 

これに対して、リピート系自動売買で買い進んだ場合は187.5万円÷12.5万円=15倍になります。

 

含み損の増加ペースでこれだけの差があります。4倍と15倍ですので、この設定ではリピート系自動売買の含み損増加ペースは一般裁量トレードの3.75倍(15÷4)ということになります。

 

リピート系自動売買は、1本1本の買いポジションは1000通貨なので5円程度の下落では含み損も大したことはありません。

 

しかし、そこから2円も下落すれば含み損は一気に2倍くらいになります。そこから2円下落で更に倍という具合に含み損が増加していきます。

 

「損失加速のリスク」は、リピート系自動売買の宿命ともいえる部分です。設定方法次第で加減はできるのですが、それでも増加ペースは一般の裁量トレードよりも速いです。

 

数字で書く分には、「これくらい耐えられる」と思うかもしれません。でも、実際に体感する恐怖はかなりのものです。

 

この辺の増え方を予め認識していないと、必要以上の恐怖を感じることにもなり心理的に耐えられなくなります。

 

仮に、心理的に耐えられたとしても口座自体が耐えられない可能性もあります。

 

最初の設定で30円クラスの大きな下げを想定していない場合、証拠金は一気になくなり口座は強制ロスカットとなってしまうからです。

 

「チリも積もれば山となる」

 

この諺は、リピート系自動売買はこう言い換えられるかもしれません。

 

「チリも積もれば爆弾となる」

 

1本1本のポジションは1000通貨と小さいものでも、その積み上げは大きなリスクとなります。

 

 

おいおい、なんかすごい感じだな。


 

はい、そうなんです。でも、この特徴を把握しておけば対応はできます。

 

次回、私の対応策です。

理論と現実の差

昨年、私も15円くらいまでの下落を経験しました。

 

予め想定はしていたものの、なかなかの含み損増加ペースでした。1本の売買数量が1000通貨だからといって軽くみると痛い目に遭います。下げ幅が5円10円となれば、ポジション数は10本・20本と増えていくため暴落時の最大保有ポジションは数万〜数十万通貨になるからです。

 

これだけの下落はそうは起きないと思っている方もいるかもしれません。でも、為替相場ではほとんどの通貨ペアで10円や20円の下落は1年に1度くらいは起きます。

 

でも、リピート系自動売買の設定をするときはこの辺は軽視しがちです。1本1000通貨と少ない売買数量のせいかもしれません。

 

この含み損増加ペースを想定して、私の設定値幅は当初相当広目にしていました。

 

今でも、設定値幅が4種類だけとシンプルなループイフダンでも一番利益がでる15銭値幅は使わず、25銭幅で本数を少な目の20本にしたものを稼働させています。最大本数20本=2万通貨なので買い始めから5円下げれば、あとは買わなくなります。

 

この設定だとちょっとした下げでも買いが止まってしまうので、最初は物足りない設定でもあります。

 

それでも、15円くらいの下げを経験して「含み損増加ペースの速さ」を経験したことで「物足りないくらいの安全設計」が調度良いのだと納得できました。それでも、年間10〜20%の利益率となるのであれば自動売買口座の収益としては合格点だと思っています。

リスク許容レベルは自分で計算すべし

FX口座によっては、リスクも考慮した運用必要金額を計算してくれます。

 

しかし、これに依存し過ぎるのはオススメしません。

 

その計算の前提となる設定にもよるのですが、あまり大きな逆行を想定していない場合が多いからです。

 

「でも、リピート系自動売買の含み損計算がややこしい」

 

こんな悩みをお持ちの方もいるかもしれません。大雑把ではありますが、リピート系自動売買の含み損計算は難しくありません。単純な計算方法をご紹介しましょう。

 

一般の裁量トレードの含み損

 

「ポジション数×逆行値幅」

 

これは、算数の公式でいくと「四角形の面積」の出し方です。米ドル円110円で10万通貨買いポジションを作り15円下落したときの含み損は、10万通貨×15円=150万円となります。

 

リピート系自動売買の含み損

 

リピート系自動売買は、相場変動とともにポジション数も増減するので難しそうですが、そうでもありません。

 

まず、含み損の計算を2つに分けます。「ポジション増加段階」「最大ポジションになった後」です。

 

ポジション増加段階

 

ポジション増加段階の含み損計算式はこれです。

 

「最大ポジション数×逆行値幅÷2」

 

算数の公式でいくと「三角形の面積」の出し方です。これは、リピート系自動売買の含み損の増え方を10銭あるいは1円おきに図に書いてみるとわかります。含み損が三角形の形で増えていくのが確認できるはずです。

 

設定値幅などにより若干の誤差がでるかもしれませんが、リスクを計算するうえでは問題となるほどの誤差ではありません。

 

例えば、米ドル円を110円で1000通貨・10銭値幅で150本という設定で15円下落したらこうなります。

 

  • 15万通貨×15円÷2=112.5万円

 

最大ポジションになった後

 

「最大ポジション数×逆行値幅」

 

最大ポジションになった後の含み損増加は、一般の裁量トレードと同じです。

 

算数の公式でいくと「四角形の面積」です。先程の1000通貨・10銭幅で150本のリピート系自動売買ポジションで15円下落後にさらに10円下落した場合は以下のようになります。

 

  • 15万通貨×10円=150万円

 

1と2の合計額が、リピート系自動売買の含み損合計額となります。この場合、112.5+150万円=262.5万円という具合です。

 

これで設定に逆行した場合の含み損計算は簡単にできるはずです。あとは、この計算結果をもとにリスク許容範囲を決めて実際の設定に反映させていきます。

含み損+恐怖で設定

私のリピート系自動売買設定は、以下の2要素を考慮して行っています。

 

  • 最悪像提示の最大ポジション時含み損
  • 含み損増加ペースの恐怖

 

単純に「レバレッジ何倍だから安心」ではありません。いずれくるであろう含み損増加時期の「恐怖」も加味します。

 

具体的には、恐怖分だけ余裕を更に持たせます。

 

例えば、私の米ドル円設定は最悪の想定を心の中では90円後半においています。

 

でも、現実には80円台後半でも耐えられる余裕をもたせています。この10円分が恐怖を加味した余裕分です。

 

更に、リピート系自動売買を続けることで利益が上乗せされていきますので日数とともに余裕はさらに増えることになります。

 

これでも絶対はありません。

 

そこから更に円高となり、米ドル円が下落するときは「一部損きり」「全面停止」または「予備資金投入」のいずれかで対応することにしています。

 

米ドル円が70円台に再突入すれば、日本経済は立ち行かなりかねません。でも、この理屈は日本の理屈にすぎないため、あらなる円高も将来的にはあるかもしれません。

 

3つの選択肢のどれにするかは、その状況で考えるしかないと思っています。

 

これまでのところ、リピート系自動売買で含み損で追い込まれて損きりをしたことはありません。

 

ただ、今後もこれで万全とは思ってもいません。これからも、裁量トレード同様に工夫を続けながらやっていきます。具体的な設定は、連載の中で書かせて頂きます。

FX自動売買2017 目次

2017/05/20


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