スワップポイントサヤ取り 基礎知識・長所と短所の復習【2023年版】
今回は、スワップポイントサヤ取りのやり方に入ります。
スワップポイントサヤ取り 基本事項
同じ通貨ペアでFX口座間のスワップポイント差を利用して利益を上げる運用法、それがスワップポイントサヤ取りです。
毎日の主要通貨ペアのスワップポイント差状況は、以下にてほぼ毎日更新しています。
この表を参考にしていただき、スワップポイント差の開いた通貨ペアを両建てしていきます。
例えば、米ドル円でA口座とB口座でスワップポイント差が30円開いているとしましょう。
具体的にはこんな感じです。
- A口座買いポジション100円
- B口座売りポジションー70円
- スワップポイント差 30円
これで「A口座買いーB口座売り」という両建てポジションを作ります。
そうすると、スワップポイント差がこのままで両建てポジションを維持し続けられれば、以下のような利益を得られます。
- 1万通貨両建てで1日30円のスワップポイント差利益
- 10万通貨両建て1日300円のスワップポイント差利益
- 50万通貨両建てで1日1500のスワップポイント差利益
このスワップポイント差が収益源です。
みてのとおり、日々の利益わずかなものです。
1カ月単位でやっと数万円〜数十万円くらいの利益になるイメージです。
それでも、両建てポジションを維持していくだけでこの利益が積み上がっていくので為替変動リスクは低くできます。
「上げる」「下げる」などの相場観も不要です。
両建てポジションですので、相場が大きく動けば「片方は大きな損失」「片方は大きな利益」になり、合計すれば「スワップポイント差積上げ利益分だけ利益」という具合になります。
どんな大きな為替変動でも、両建てポジションを維持していければ、全体の収支が大きく悪化するようなことも少ないです。
短時間での大きな変動への備えをしっかりしておけば、低リスクを維持して利益を増やしていける運用法です。
「市場のゴミ拾い」「霞を取るような運用法」
こういう運用法は、その利益率の低さからこのように呼ばれることもあります。
それでも、この運用法での2010年に公開してから2022年末までの累計利益は500万円を超えて648万円になっています。
損失となった年は一度もありません。
突然のスワップポイント変動などで損きり取引となることはたまにあります。
それでも、年間でマイナスにならずにやってこれました。
「チリも積もれば山になるを地でいく運用法です」
「放っておいても1円も増えない資金をちょっとだけ増やす」
そんなニーズに向く運用法です。
FX業界の競争による恩恵
この運用法ができるのは、激しい競争環境の恩恵でもあります。
私がFXを始めた2003年頃よりこの運用法のアイデアはありました。でも、当時はこの運用法が出来る環境ではなかったのです。
- 米ドル円スプレッドが10銭あった。
- FX口座間のスワップポイント差もほとんど開かなかった。
当時の米ドル円スプレッドは、現在FXやっている人にとっては信じられないくらい広いものでした。
10銭でも当時としては、一番狭い通貨ペアです。
FX口座間のスワップポイント差も大きく開くことはなかったので、この運用法をやるチャンスはありませんでした。
そのあと、FX業界に多数の参入があり、競争が激しくなることで、スプレッド・スワップポイントの環境が向上してきました
それによって個人でも運用可能となったのが、このスワップポイントサヤ取りということです。
スワップポイントサヤ取りの長所と短所
この運用法にも、長所と短所があります。
- 相場観不要
- 両建て維持で利益を貯めていくため誰でもできる
- 日々の手間もほとんどなし
同じ通貨ペアの両建てなので「上げる」「下げる」の相場観は不要です。
毎日、通貨ペアごとのスワップポイント差をチェックしながらスワップポイント差が開いた通貨ペアがでてきたら仕掛けていくだけです。
スワップポイント差が開いている状況が続いている限り、両建てポジションを維持することで利益は増えていきます。
なので、どなたにでも利益が出せる運用法です。
ポジションを作った後の管理もほとんどありません。日中為替相場をチェックする必要もありません。
ポジションを作った後にすることは、「資金移動の検討」やスワップポイント差が縮小または逆転したときに「ポジション決済の検討」をする程度です。
- 利益が積み上がるのに時間がかかる
- 短時間の急変動に注意
大きな短所としては、利益が積み上がるのに時間がかかることです。
先程、この運用法で累計利益648万円と書きましたが、長期間の積み上げですので、年平均にすれば50〜60万円くらいのものです。
この利益は、日々数千円くらいの積み上げによるものです。
もう一つ注意していただきたいことが、「短時間の急変動」です。
2019年年初のフラッシュクラッシュなどが典型なのですが、1時間以内の短時間に為替値が大きく動く現象が最近見られるようになってきました。
こういう値動きは、十分に警戒しなければいけません。
変動が短時間かつ急激なために「入金手続き」も間に合わないこともあるからです。
この急変動のときは「スプレッドも急拡大」しているため、両建てポジションの片方だけが強制ロスカットされてしまうと大変なことになります。
対策としては「十分な資金をあらかじめ入金しておく」ことが最善と私は感じています。
今回の連載でも、ここの対策を踏まえた形での運用基準をご紹介していきます。
それほど難しい仕組みではないので、概略は大体ご理解頂けたと思います。
次回から、実際にスワップポイントサヤ取りをやっていくための【準備編】に入ります。
2023年版 スワップポイントサヤ取り目次
- 第1回サヤ取り 3つの種類と特長・・2023年版
- 第2回スワップポイントサヤ取り 基礎知識・長所と短所の復習
- 第3回【準備編】スワップポイントサヤ取りの始め方
- 第4回【仕掛け編】売買の流れと失敗しないための5つのポイント
- 第5回【日々の管理】失敗しないスワップサヤ取りに必要な事
- 第6回【決済編】サヤ取りで検討すべき3つのポイント
- 第7回全体の流れと5つの注意点
- 第8回2023年 スワップポイントサヤ取りの好機到来か?
現在の各通貨のスワップポイント差と考え方などは、以下にてまとめています。