海外FXと国内FX両建ての税金問題 スワップポイントサヤ取りFX2014 第3回
国内FXにはないユニークな特徴を持つ海外FX口座ですが、スワップポイントサヤ取りでの利用には税金上の違いも考慮してご利用ください。
海外FXと国内FXのサヤ取りは要注意
私は口座を持っていないので、あまり詳しくないのですが、海外FX口座には「マイナススワップポイントがない」とか「売りでも買いでもスワップポイントが受取れる」など魅力的な口座がいくつもあるようです。
ただ、この好条件は突然改変されることもよくあるようでスワップポイントサヤ取りのようなやり方で長期間利益を積み上げるというのは難しいところもあるとも言われています。
そして、注意していただきたいのが税金です。
税務署さんの回答が違うことも多いのですが、基本的には国内FX口座とは税制になるというのが通説です。一般的には、以下の認識が正しいと思われます。
- 海外FX:雑所得として総合課税
- 国内FX:雑所得として申告分離課税
両方とも雑所得なのにどう違うのかと混乱しやすい部分です。名前は似ているのですが、確定申告書の各場所も計算方法も違うので、全く種類の違う税金と考えるとすっきりします。雑所得という呼び名も変えて貰えば誤解が減ると思うんですけどね。
要点だけ書けば、「海外FXと国内FXの損益は合計できない。別々に税金計算をする」といことになります。FX歴の長い方には「今の海外FXの税制は昔の店頭FXの税制と同じ」と書くとピンとくるかもしれません。
くりっく365と店頭FXの税制が違うという時代があったのですが、それと同じ違いが現在の国内FXと海外FXということにもなります。税制が違う口座でスワップポイントサヤ取りは要注意というよりは危険です。
「雑所得として総合課税」のときに不利なのが損失繰越ができないこと。このため、ルールに忠実にやるとスワップポイントサヤ取りの場合は、とても恐ろしい事態が想定されます。
この違いは簡単な計算でご理解いただけるはずです。
- 海外FXでー300万円の損失
- 国内FXで330万円の利益
- 合計で30万円の利益
国内FX同士であれば、このときの税金は30万円×20%=約6万円で済みます。海外FXと国内FXとの組合せのでの税金計算は別々にすることになります。
- 海外FXの税金:マイナスなのでゼロ円
- 国内FXの税金:330万円×20%=66万円
国内FX同士であれば6万円で済むはずの税金が11倍の66万円となります。しかも、本来の利益は30万円なのに税金は66万円払うハメになるのです。このケースだと、利益以上の税金を払うということになりますよね。
しかも、恐ろしいことにこういうケースが普通に起きてしまうのです。
前回、スワップポイントの支払タイプが違うと税金が大きく違うケースがある事例の計算をしました。
今回の海外FXと国内FXの組合せでスワップポイントサヤ取りをやった場合の税金は、これ以上の差となります。為替差益についても税金が違うので更に大きな差がでることになりますので、充分にご注意ください。
当サイトでは、この組合せは絶対禁止行為とさせていただきます。
海外FXでスワップポイントサヤ取りをするときの鉄則
もしも、海外FX口座でスワップポイントサヤ取りをする場合には、必ず以下の組合せでお願いします。
- 買い:海外FX
- 売り:海外FX
「買い」でも「売り」でも、どちらかで海外FX口座を使う際には、もう片方も海外FXにしてください。そうすれば税金の取扱いが一緒になるので、損益を合算して税金計算ができます。あと入出金の手数料もバカにならないので、入金する資金は国内FXでやるよりも余裕をもたせるほうが良いと思います。
尚、この場合でもスワップポイント支払タイプによる違いには留意が必要です。その海外FX口座が、AタイプとBタイプのどちらかを把握して利用されるようにしてください。
再度参考ページ:利益よりも税金が多くなるFX事例
実は、私は海外FX口座は使ったことがありません。裁量トレードやMT4などでは好条件の口座もあるらしいというのはよく聞くのですが、税金上の不利な部分が気になり口座開設に踏み切れないのです。
もし開設するとすれば、法人口座ですることになると思います。
もっと注意点があるのかもしれませんが、気づいた範囲だけで書かせていただきました。
スワップポイントサヤ取り 関連記事2014目次
- 第1回利益よりも税金が多くなるFX事例
- 第2回DMMFX 両建て派3つの注意点
- 第3回海外FXと国内FX両建て 税金問題
- 第4回サヤ取り税金チェック法
- 第5回異業者両建て 証拠金余力の目安
スワップポイントサヤ取りについては、以下のページに運用ルールや運用成績をまとめてあります。