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「特定口座 源泉徴収あり」 株式投資税制の落とし穴 CFD取引入門 第6回

FXと株式投資は税率は同じですが、中身がかなり違います。株式投資もされている方は、うまく利用していきましょう。

税金20%は同じ 税区分が違う

今回は株式取引とCFD取引の税金の違いについてです。株式投資とCFD取引の税率は、どちらも20%ですが、中身が大きく異なります。株式投資は譲渡所得CFDはFXと同じ申告分離の雑所得に分類されます。

 

税率は同じなので、単純な100万円の利益に対する税金はそれぞれ20万円と同じになります。ここでは、それぞれの税金制度で何に注意していくべきなのかを中心にまとめさせていただきます。

 

まずは、株式投資の税金についてです。

 

株式投資もFXも復興税がかかるので正確には20.315%ですが、ここでは簡易的に20%で書かせていただきます。

 

株式投資には、利益から自動的に税金を差し引いてくれる>「特定口座 源泉徴収あり」という制度があります。

 

これを選択しておけば、確定申告をしなくても税務署に脱税扱いされる心配もなく、安心して株式取引ができます。FXにもこの制度があるといいんですけどね。

 

ただ、落とし穴となる部分も抑えておくべきです。

株式投資 「特定口座 源泉徴収あり」の落とし穴

先ほども書いたように、「特定口座 源泉徴収あり」にしておけば利益発生時に税金が差し引かれ、損きり時には税金部分が戻ってきて自動調整されます。そのままでよければ、確定申告しないで問題ありません。

 

ただ、別証券会社の口座間合算までは自動的にできません。

 

そのため、A口座で利益・B口座で損失といったときには確定申告をしないでいると多目に税金を払うことがあります。ちょっと計算してみましょう。

 

  • A口座で利益100万円
  • B口座で損失100万円
  • 合計損益      0円

 

この場合、A口座とB口座の合計損益は0円なので税金は払わなくて良いはずです。ところが、特定口座の源泉徴収ありでやっている場合は、A口座では利益100万円に対して20万円の税金が差し引かれています。確定申告をしないでいるとこの20万円は戻ってこないのです。

 

こういう状態を防ぐのに一番良い方法は、「株式口座を一つにする」ことです。売買を一つの口座のみで行えば、口座分散で税金の調整をする必要がなくなります。

 

ただ、これも運用上ちょっと無理があります。FX同様に株式投資でも各証券で様々な特色があるため、使い分けるほうが便利なことが多いのです。私も色々な使い分けをしています。

 

  • FX証拠金として利用しているマネーパートナーズ
  • 米国株売買で利用しているマネックス証券
  • IPOでは外せないSBI証券・みずほ証券
  • 株主優待系の情報が充実している

 

主要なところだけでこれくらいの口座を動かしています。なので、毎年FX同様に株式投資も確定申告するのを基本としています。

専業主婦・自営業の株式投資には注意が必要

専業主婦の方など、ご自身が扶養者となっている場合や自営業の株式投資にはちょっと注意すべきことがあります。

 

結論からいけば、「株式投資用口座はできるだけ一つに絞り、大きな利益が出たときは確定申告をしなくて済むようにするとよい」ということになります。

 

これは、株式投資の税金に詳しい方には常識なのでご存知の方も多いかもしれません。

 

例えば、専業主婦が株式投資を3口座でやっていて「A口座利益500万円」「B口座損失500万円」「C口座利益500万円」で合計500万円の利益という具合になっているとします。

 

利益合計は500万円ですので、本来税金は100万円で済むのですが、口座が分かれているためにすでに200万円が源泉徴収されている状況となっています。つまり、税金を100万円多く徴収されているのです。確定申告すれば100万円の税金が還付されることになります。

 

でも、確定申告をすることで専業主婦は夫の扶養者からも外れる可能性がでてきます。

 

もしも、3口座の売買を1口座でやっていて500万円の利益であれば、源泉徴収された税金は100万円だけで正しい金額なので確定申告する必要はありません。そして、確定申告しないと扶養者からも外れないと言われています。いろんなケースが想定されるので断定はできないのですが一般的にはそうなっているようです。

 

株式投資で特定口座の源泉領収ありにしておけば、確定申告しなくても税金はしっかり払っているので、あとで税務署に呼び出されることもありません。

 

同じ500万円の利益なのに不思議ですよね。

 

自営業の方の場合も要注意です。自営業の国民健康保険料は確定申告の所得によって決まります。税金還付のために確定申告をしたことにより、国民健康保険料負担が増える可能性があるからです。

 

これは、自営業時代に私も何度か経験しています。

 

特に、FXや株式投資いがいにめぼしい収入のない専業トレーダーは要注意です。自営業としてやっている専業トレーダーは、収入増とともに税金と国民健康保険料が増える仕組みになっています。

 

参考:専業トレーダーのFX税金 負担率でわかった重税の仕組み

 

国民健康保険料の税金の一種と考えれば、自営業当時の私の税率は20%ではなく30%以上の重税でした。FXでも株でもこの負担率は、ほぼ同じです。

「特定口座 源泉徴収あり」はそれでも利用価値大

こう書くと「特定口座 源泉徴収あり」がとても悪いものに思われるかもしれません。でも、それは大きな勘違いです。もしも「特定口座 源泉徴収なし」や「一般口座」にして利益が出た場合は、ほぼ確実に確定申告をしないといけなくなります。

 

つまり、上記の例でいけば「扶養者からほぼ確実に外れる」ことになり「自営業の国民健康保険料がほぼ確実に上がる」ことになります。

 

「特定口座 源泉徴収あり」であれば、うまくやっていけば逃れられたかもしれないものが、ほぼ確定してしまうのです。これらを考慮すれば、株式投資の税金は「特定口座 源泉徴収あり」を基本に対策を練ったほうが良いと思っています。
特に、扶養者や自営業で株式口座を数口座使っていく場合は、事前にルールを決めておくべきです。

 

  • 売買はA口座に集中
  • B口座はIPO中心で損きりは要注意。
  • C口座は配当金・株主優待中心で損きりは要注意。

 

利益がでたときには、できるだけ確定申告をしなくて済む形にしておくと「特定口座 源泉徴収あり」のメリットを享受できます。

損失繰越は絶対しておく

株式投資で昨年は損失となってしまった方もいるかもしれません。

 

そのまま何もしない方も多いのですが、とても勿体ないです。特に、まだ保有株がある方は翌年以降配当金の税金対策にも使えます。

 

配当金年間10万円貰っているかたであれば、税金約2万円が源泉徴収されています。損失繰越をしておけば翌年売買で利益が出せなくても、損失の範囲内で配当金の税金を還付させることもできます。

 

長くなったので、CFD取引の税金は次回書かせていただきます。

CFD取引比較入門 目次

2015/02/14


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