米ドル円買いポジション FXオプション権利行使で発生 その流れとポイントのまとめ
FXオプションの権利行使は、経験してみないとわからないところが多い制度です。私のポジションを元に解説させていただきます。
FXオプションの権利行使とは
FXオプションは、権利行使日という期日が決まっています。
このときのポジション清算方法は2つあって、権利行使によってFXポジションへと引き継ぐ方法(スポット)と現金清算する方法(キャッシュ)です。
スポットを選択してFXポジションに引き継ぐのには条件があります。
今回のプットオプション売りの場合は「権利行使判定時の米ドル円値が権利行使価格よりも下がる事」です。
今回の米ドル円プットオプション売りポジションの権利行使価格は109.50円でした。
それが権利行使日には108円スレスレまで下がっているため、ポジション清算方法を「スポット」としてあったポジションはFXポジションに引き継がれたという流れになります。
その引継ぎは、具体的にはこうなりました。
- 米ドル円109.50円プットオプション売り⇒米ドル円買いポジション109.50円
権利行使は、オプションの教科書には必ず書いてあるのですが、実際の事例をまとめてある記事はほとんどありません。
これについてのメリット・デメリットも含め、ここで解説させていただきます。
まずは、権利行使前のFXオプションポジションをご覧ください。
権利行使前の米ドル円プットオプション売りポジション
ストライクというのが権利行使価格です。期限末の6月5日が権利行使日のことで、昨日権利行使期日だったという意味になります。
今回権利行使となったこのポジションは、前週作ったものです。
ポジション作成当時、この米ドル円プットオプション売りポジションは以下のような内容になっていました。
- 通貨ペア:米ドル円
- 種類:プットオプション売り
- 権利行使価格:109.50円
- 権利行使期日:6月5日
- 清算方法:スポット(参考記事:スポットとは
- 売買数量 5万通貨
- プレミアム:0.224
補足情報
- ポジション作成時のの米ドル円値109.73円
- このポジションの最大利益:0.224×5万通貨=1.12万円
109.70円の時に、権利行使価格109.50円の米ドル円プットオプションを作っています。
このポジションは、米ドル円相場状況に応じて、以下のようになるポジションでした。
- 米ドル円109.50円以上:このポジションの最大利益1.12万円獲得のみ。
- 米ドル円109.50円未満:109.50円で米ドル円買いポジション発生+1.12万円獲得
最終的には、108円台スレスレでの権利行使でしたので、今回は後者の「米ドル円109.50円未満」でした。
つまり、この米ドル円プットオプション売りは以下のようにならないといけないことになります。
- 米ドル円109.50円でFX買いポジション発生
- プレミアム利益1.12万円の受取発生
ここのポイントを抑えてから、実際の流れをご覧いただくと理解しやすいと思います。
権利行使日 FXポジションへの引継ぎの流れ
権利行使の通知です。
時間:GMT14:00⇒NY夏時間10:00⇒東京時間23:00です。
バニラオプションというのは、サクソバンク証券FXオプションの呼び名です。プットオプション5万通貨が権利行使されたと書かれています。
その下薄赤色としたところには、USDJPY=米ドル円5万通貨の買いポジションが109.50円で発生したとなっています。
ちなみに、権利行使は自動で執行されます。
私達投資家が夜中に口座ログインして作業するなどということはありませんのでご安心ください。
この後に、口座管理画面をみてみましょう。
6月7日朝の時点のサクソバンク証券口座画面です。
一番上に、「米ドル円買いポジション 5万通貨 109.50円」というポジションがあるのが確認できるかと思います。
これが、昨晩権利行使によって発生したポジションになります。
現在値が108.2円台であっても関係なく「109.50円」で買いポジションが発生します。
これだけ見れば、「なんか損した気分」となるかもしれませんね。
でも、ここで思い出して頂きたいことがあります。
このFXオプションポジションは、もともと「米ドル円値109.70円のときに作った」ということです。
一応、当時は「そろそろ底近いかな」という気持ちでした。
いつもであれば、米ドル円買いポジションを109.70円で仕掛けようかというタイミングで作ったポジションです。
この部分も考慮して判断すべきかなと思います。
さて、このポジションではもう一つの現象が起きています。
- 米ドル円109.50円でFX買いポジション発生
- プレミアム利益1.12万円の受取発生
先程説明した部分を再度載せさせていただきました。
米ドル円109.50円の買いポジション発生とともに、プレミアム利益1.12万円の受取が発生しているはずなのです。
それがこれです。
この画像の2段目がそれです。「口座ステートメント画面」のものです。左側6月3日「Fx Options USDJPY」という欄の右側に金額がでています。
金額は11.200円となっています。
日付が6月3日になっているのは、5月31日のプットオプション売りが6月3日受渡のためです。
プットオプション売りは、仕組み上ポジションの受渡時点でプレミアム代金を受け取っています。
これで、「FXオプション権利行使して起こる現象」の2つの確認ができたかと思います。
- 米ドル円109.50円でFX買いポジション発生
- プレミアム利益1.12万円の受取発生
さて、このポジションのメリット・デメリットもまとめておきましょう。
権利行使 メリット・デメリット
「結局、含み損のポジションが発生しているじゃないか!」
この権利行使で発生したFXポジションでデメリットとして一番大きいのはこれでしょう。
このプットオプション売りでの権利行使は、「含み損状態の時」に発生するという傾向があります。
もしも、権利行使日に米ドル円が109.50円以上であればプレミアム利益1.12万円受取りでポジションはゼロになります。
利益は限定されるというのもプットオプション売りの特徴です。「ここから上げ濃厚」と見ているときは、利益眼底されるプットオプション売りではなく、単純なFX買いポジションの方が有効という面もあります。
今回は、「底くさいがまだまだ本格上昇は先」という見通しでやっています。
でも、先程もちょっと書きましたが、このプットオプション売りは、米ドル円109.70円のときにFX買いポジションを作るタイミングで作成したものです。
そして、「プレミアム利益1.12万円の受取」も発生しています。
1.12万円利益=スプレッド22.4銭相当の利益です。
- ポジション作成での有利度:現在値109.70円⇒権利行使値109.50で20銭相当
- プレミアム受取での有利度:1.12万円⇒22.4銭相当
- 合計:20銭+22.4銭=42.4銭
単純にFXポジションを作るよりも、42.4銭有利になっています。
1本1本の買いポジションを「少しでも値を安く作る」という動作を積み上げていけば、それはいずれ利益増という果実に繋がります。
この米ドル円買いポジションは、暫くこのままにしてスワップポイント受取ポジションとしておきます。
いずれ、上げて転換してくれれば利益ポジションとして利益確定するという目論見です。
私は、このやり方は円高期に「少しでも値の安い買いポジションを作りたいとき」に使えると感じています。
以上ですが、少しでも参考になれば幸いです。
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