FX確定申告2018年 書類記入編
前回までで確定申告の準備は完了です。
人にもよりますが、私はこの準備が一番時間がかかります。準備が終わり、確定書類記入段階となれば「最後の仕上げ」という気分でやっています。
では、始めさせていただきます。
確定申告書類記入開始
投資系金融商品の年間損益をグループごとに集計して別表を作ったら確定申告書類作成を始めます。
株式投資グループなどは特定口座の年間報告書の源泉徴収額集計して算出した税金と同一であれば確定申告書に記入する必要はありません。
あとは給与所得の源泉徴収票や各種控除の領収証などを揃えて書類記入をするだけです。
私の場合、投資系金融商品以外の各種控除領収証・証明書としては大体以下を用意します。
- 源泉徴収票
- 医療費領収証とその集計表
- 生命保険料控除
- iDeCoの控除証明書
- ふるさと納税証明書とその集計表
- 住宅ローン控除
この確定申告書類記入作業は、多くの人が嫌がるところです。
「年間損益集計はいいけど書類記入が大変そうだから確定申告しない」
実際に、こんな意見を頂くことも毎年のようにあります。
でも、勿体ないですよ。
参考になるかどうかわかりませんが、私の場合確定申告にかける時間は「準備に8割・書類記入2割」という感じです。
FX・CFDの稼働口座が毎年30口座以上あるので、準備に時間がかかってしまうのはしょうがないところです。
書類記入は、数時間で終わります。土曜日の午前中に一気に作成して、不明点があれば調べてから再記入という具合です。
何度か確定申告をすれば、これまでの書類をお手本にして記入できますので、書類作成スピードがどんどん速くなります。FX・株式に関係なく確定申告をすることで税金が減らせることも多いので、毎年恒例の作業としてきっちりやっておきましょう。
書類作成の流れ
以下、私の確定申告書類記入の流れです。
記入にあたっては、税務署で毎年配布している「確定申告の手引き」を見ながらやっています。
この手引きはとてもわかりやすいのでおすすめです。
金額の下書きも出来るので、初めて確定申告をされる方はまずはこの手引きに記入してから本番記入するのも良いかもしれません。
記入は左上から順番にやっていきます。慣れれば難しいことはないのですが、最初はちょっと戸惑うことも在るかもしれません。
収入金額・所得金額欄
給与所得・公的年金額などを記入します。「準備編」で損益をまとめてあるCグループ「総合課税の雑所得」の利益額もここで記入します。
所得から差し引かれる金額
いわゆる、所得控除と呼ばれる記入欄です。ここの各項目に該当するものがあればしっかりと記入しておきましょう。ここの金額が大きくなればなるほど「税金を減らす効果」があるからです。
一般的な所得控除の説明はここではしません。私が「税金対策」として重視している控除だけ紹介させていただきます。
医療費控除
年間10万円以上の医療費がかかった場合、この欄で申告することができます。
家族が多かったり、保険外治療が多かったりする方は、かなり大きい金額になることもあります。
- 扶養家族分全員まとめてできる。
- 交通費なども含められる。
- 差額ベット代など健康保険料対象外の医療費も認められる。
- インプラントも可能
それぞれ細かい注意事項があります。病気治療に関係がない場合は対象外となるのが普通です。
それ以外も、注意事項をしっかりと読んでから集計した金額をここに記入します。
かなり広範囲の医療費が対象です。我が家も、今年は妻がインプラントを入れているのでかなり大きな金額になりそうです。
そして、医療費に病院までの交通費も含められるのも大きいです。1回1回は小さな金額でも家族全員分を1年間合計すれば10万円を超えない年はほとんどありません。
小規模企業共済掛金控除
iDeCo(イデコ)はここに記入します。私も、節税対策もかねて2013年より始めています。
今のところ、節税効果もうけとりながら運用成績も好調という有難い状況です。いずれ失速する時期もくると思いますが、最終的にはプラス収支で年金受け取り原資に出来ればよいという感じでやっています。
寄付金控除
ふるさと納税はここに記入します。ふるさと納税の税効果は、所得税と住民税に分かれて発生します。
ここの欄に記入することで「所得税率分のふるさと納税効果」がでることになります。
例えば、ふるさと納税50000円で所得税率20%の方であれば(50000−2000)×20%分の税金減という感じです。
上記記事でも書きましたが、ふるさと納税の税金減効果は、「所得税+住民税」の2つ合計ででてきます。ここでの税金減効果が小さくてもがっかりしないでくださいませ。
これらの他にも税額控除に該当する出費があれば必ず記入します。
次回、後半編です。
税金の計算欄 その1 第三表記入
税金の計算欄の一番上の「課税される所得金額または第三表」欄は、株式投資・FX取引の損益を申告する場合は空欄となります。
株式投資・FX取引の利益計算は、「第三表」の記入が必要です
第三表は、申告分離課税の所得計算をするための書類です。投資系金融商品で3つに分類したなかのAグループとBグループはこの書類を中心に損益状況を報告します。
AグループとBグループでは記入書類が違ってきます。
Aグループ:FX・CFD取引組
- 第三表
- 先物取引に係る雑所得の金額の計算明細書
- 第四表(損失繰越の場合)
Bグループ:株式・債券組
- 第三表
- 株式等に係る譲渡所得の金額の計算明細書
- 第四表(損失繰越の場合)
第三表と第四表と「株式等に係る譲渡所得の金額の計算明細書」は、税務署で用意されています。通常、一般の確定申告書類セットには入っていないのでご注意ください。
税務署の書類置き場でみつけるか、職員さんにお願いして入手しています。
参考までに書くと「医療費控除」「住宅ローン控除」などの書類も個別で用意されています。
これらの書類記入が終わったら第三表の合計税額を第一表に記入します。
税金の計算欄 その2 第一表完成
第三表の税額を「上の●●に対する税額又は第三表の●●」と書かれた項目に記入します。●●には番号が入ります。年度によって番号が違ってくることがあるのでこの形で書かせていただきました。
この後、住宅ローン税額控除などを記入していきます。
特定口座で米国株投資をされている方は、ここで「外国税額控除」欄記入も必要です。
米国株の配当金は、米国で10%と日本で20%と二重課税されている状況にあります。
外国税額控除を記入することで、最大米国課税10%部分が戻ってきます。仕組み上、全額にならない方もいますので最大10%分ということになります。
この書類記入はなかなか骨が折れるのですが、該当する方はぜひ挑戦してみてください。
米国株の税引き後配当金受取が年間10万円ある方はこの手続きをすることで1万円くらいの税還付が見込めます。
この辺の記入が終わると、納税額が算出されます。
あとは、税務署から貰った振込依頼書を使って税金を振り込むだけです。
E−TAXもおすすめ
税務署にいく時間のない方は、E−TAXもおすすめです。
私は、いつも何かしら税務署に聞くことがあるせいかまだやっていません。
来年あたりは、やってみようかと思っています。
そういえば、マイナンバーカードまだできていないんですよね。申請してからもう1年半くらい経ちます。
もしかしたら、忘れられているのかもしれません。原稿書きながら思い出したので、後で問合せしてみます(汗)。
FX税金2018年 目次
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