FX確定申告2018年 準備編
今回は、確定申告のやり方についてまとめていきます。まずは、準備編です。私がいつもやっているFXなどの確定申告の流れをまとめてあるので、実際に隠し申告する際の手順も参考になるかもしれません。。
運用口座が4以上ある方は、予め損益の集計などをする必要があります。その集計時のポイントなどをまとめてありますので参考になればと思います。
FX税金 申告の準備
準備は以下の手順で行っています。
- 損益が出た口座をグループ別に分ける
- グループごとに損益集計した「別紙」の作成をする。
- 必要経費の領収証整理
動かしている口座が1あるいは2という方は、この辺の作業は「必要経費の領収証整理」くらいだろうと思います。
私の場合、一年間で1回は売買するFX・CFD口座が30以上になります。株式口座も頻繁な売買はしないものの、定期的に銘柄入れ替えや実験売買を行うため10口座くらいは動かします。
多数の口座の損益合算を行う場合は、エクセルなどで集計表を別途作り「別紙」という形で添付するのが一般的です。
稼働口座が3口座くらいであれば、確定申告書類にそのまま書けますので別紙は不要です。
ちなみに、「株式用別紙」「Fx用別紙」「ふるさと納税用別紙」という具合に別紙が何枚にも分かれる場合は、「別紙1」「別紙2」「別紙3」という具合に番号をつけてわかりやすくします。
以下、補足説明を始めさせていただきます。
グループ別 集計表作成の留意点
投資系金融商品の税金区分は3つのグループに分かれることは前回記事投資系金融商品 損益合算でも書かせて頂きました。数種類の口座で運用をしている場合は、確定申告をする下準備として口座ごとの「グループ分け」を行います。
分類した後にそれぞれのグループの集計表を作ります。
ただ、それぞれの税金区分の特性上沢山の口座で売買していても集計表を作らなくても良い場合があります。それらについてグループごとに書かせて頂きます。
Aグループ:FX・CFD組
FX・CFD組で集計表を作らなくても良い代表的ケースは「利益がでたけど無税の範囲内で済む場合」です。
具体的事例としては、専業主婦で住民税基礎控除35万円以内に利益が収まる場合やサラリーマンで雑所得20万円の枠が使える場合などがあります。
無税で済む範囲以外のときは、集計表をつくり確定申告をしておくのが望ましいです。
前回も書きましたが、損失がでたときは無税の範囲内で運用している方も「損失繰越」をしておくほうが良いからです。無税の範囲内で運用しているといっても、毎年確実に無税の範囲内に利益を収め続けるのは難しいものです。
無税の範囲内での運用の代表例としては、スワップポイントを無税の範囲内で受け取り続ける方法があります。
このやり方は、「振替制度」のあるFX口座を使えばかなり効率的にできます。
でも、大きな円安時期などいつかは大きな利益を計上することもあります。
損失繰越をしておけば、こういう時に利益と損失を相殺できるので税金を大幅に節約できます。
「扶養控除」や「国民年金・健康保険料」などの公的負担増加を減らすことまでは出来ないのですが、税金増+公的負担増のダブルパンチという最悪の事態を避けられるのも大きなメリットです。
Bグループ:株式・債券組
Bグループは、「特定口座 源泉徴収あり」という便利な制度が使えます。この制度利用者は売買終了とともに税金を利益から差し引かれています。
このため、その差引金額に問題が無ければ、確定申告をする必要もありません。当然集計表を作成する必要もなくなります。
「特定口座 源泉徴収なし」を選択しても確定申告をした方が良い具体例としては以下のケースがあります。
- 「特定口座 源泉徴収なし」以外の株式口座などの売買がある。
- 一部口座で年間収支が損失となっている。
- 全口座の総合収支が損失となったとき。
- 株式利益を「ふるさと納税」で使いたい。
Bグループでも「損失繰越」の重要性は変わりません。
「特定口座 源泉徴収あり」の便利さが浸透しているせいか「確定申告はしたくない」という方も多いのですが、メリットの大きい制度なので利用したほうが良いです。
Cグループ:貸し株料・海外FXなど
Cグループで集計しなくても良い代表的ケースは以下のような場合です。
- サラリーマンで雑所得合計が20万円以内の場合
- 専業主婦などで全体の所得が無税の範囲内の場合
- 年間で損失となった場合
Aグループ・Bグループと大きく違うのは「損失の場合」の取り扱いです。
Cグループは、「損失繰越」が認められていないため損失のときなどは基本的に集計不要です。
ただ、ソーシャルレンティングなどで源泉聴取をされているような場合は、確定申告をして税金が戻ってくる可能性もあります。そういう時は集計表を作って対応します。
つまり、「損失繰越はできない」ものの「源泉徴収された税金還付が受けられる場合」があるときに集計表をつくって確定申告をする必要がでてきます。
特殊な事例があったりするので、ここに書いたもので全部網羅はできていないかもしれません。
大雑把な目安として参考にして頂き、個別事例については税務署さんに問い合わせてみると良いと思います。
FXの必要経費
各グループの損益を集計したら、必要経費も計算します。私は、「別紙」として作った集計表に必要経費も計上する形でやっています。
FXの課税対象額は、「利益額ー必要経費」できまります。このため、必要経費が大きいと税金も大きく減らすことも可能です。
必要経費については以下のページも参考になるかもしれません。
参考記事:FXの必要経費について
セミナー代・自動売買ソフト代・書籍などが必要経費の代表格です。
でも、これらだけだとあまり大きな必要経費にはなりません。
といっても、FXと関係がないものは必要経費としては認められません。視点を変えればFXと関係のある費用であれば大きな金額でも必要経費として認められる可能性もあると言えます。
例えば、賃貸アパートを借りている場合の「FX専用部屋」部分の家賃などです。
現実にそうしているという実態があるのであれば、必要経費としてどこまで計上できるかなどを考えてみる価値があります。
車・家賃など金額の大きなものを必要経費として認めてもらうのであれば、それなりの資料も必須となります。税務署から指摘を受けたときに、それをきっちりと証明して納得してもらわないといけないからです。
これら大型出費の必要経費が認められるかどうかは、ケース・バイ・ケースです。「こうすれば認められる」という正解があるわけではないので、個別ケースで考える必要があります。
税務署にあらかじめ相談してみる
「これは必要経費になるかどうか」と悩んだときは、税理士さんでも良いのですが税務署に直接相談してみるのも一つの方法です。
相談する際には、準備もしっかりしていきましょう。例えば、アパートの一室部分を必要経費として計上したい場合は、最低でも以下のような資料は必要となります。
- 事務所としての使用実態
- アパート全体の見取り図と使用部分
- 納得のいく使用割合(FXで使わないときの利用状況も考慮)の根拠
こういう必要資料情報はネット検索でも入手できます。
「この部分はぜひ必要経費として認めて欲しい」というものがあれば、資料を準備して税務署に相談してみてはみるとよいです。
素直に認めてもらうのは厳しいことも多いようです。ただ、「こういう形ならば・・」というヒントをくれるかもしれないのでやってみる価値はあります。
知り合いのトレーダーの中には、「指摘されたら資料を提出して反論する」と最初から腹を決めている人もいます。
私は、そこまでの度胸はないのでその方法はやったことがありません。
もしも、数十万円の必要経費が余計に作れれば減らせる税金の額は数十万円になることもあります。この意味でも必要経費を大きくできるかどうかは挑戦する価値があります。
でも、それが認められないときには「追徴課税」だけでなく罰金としての上乗せとなる各種加算税が課される可能性も高くなります。
これらを考慮すれば、事前の準備がとても大切です。
確定申告準備時期
今回まとめた「FX確定申告2018年 準備編」の作業は毎年1月末くらいから始めています。
FX取引だけの方は1月中旬には済ませている方も多いのですが、私の取りかかりが遅いのには理由があります。
「株式取引」で特定口座を選択していると毎年「特定口座年間取引報告書」が送付されてきます。この送付時期は証券会社によって差があり、全部そろうのが1月末くらいなのです。
特定口座で注意して欲しいのが「送付されてこない証券会社・口座」もたまにあることです。マネックス証券の米国株口座がそうなのですが、必要なときは発行依頼をする仕組みになっているタイプがあります。
私の知る限り、日本株取引に関してはどの証券会社も自動的に「特定口座年間取引報告書」が発行されると思われるのですが、例外もあるかもしれないので確認が必要です。
私も、1月中旬になっても「特定口座年間取引報告書」が送付されてこない時はたまに電話などで問合せしています。
- グループごとの集計表「別紙」の作成
- 必要経費のまとめ
これらが終わったら、次は確定申告書類記入に入ります。
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