豪ドル円10万 オプションでストラドル買い
本日FXオプションで豪ドル円のストラドル買いを入れています。
上げでも下げでも利益が出るこの仕掛けの特徴と、この時期に投下する理由をまとめました。
ストラドルの買い 大きく動くときに有効な仕掛け
ストラドルの買いについては、以下の記事でもまとめています。
オプションの教科書には必ず載っている戦略です。
- 大きく動けば動くほど利益が大きくなる。
- 上げ相場でも下げ相場でも利益になる。
- 損失は限定されている。
つまり、「動かなければ負け」「動けば動くほど利益が大きい」という仕掛けです。
この特徴を実際のポジションを元にご説明します。
豪ドル円 72.50円のストラドル買い
本日作った2つのポジションです。「豪ドル円コールオプション買い」と「豪ドル円プットオプション買い」の2つのポジションとなっています。
この2つを作ることで「ストラドルの買い」と呼ばれる形になります。
オプションの教科書では、「合成ポジション」とも呼ばれていて、ストラドル戦略は代表的なものの一つです。
2つのポジション、それぞれの内容から説明しますね。
- 通貨名:豪ドル円
- ポジション種類:プットオプション買い
- 特長:下げ相場で利益、損失は限定される。
- 数量:10万通貨
- 権利行使価格:72.50円
- 満期日(権利行使日):2019年8月21日
- プレムアム:0.836
- このポジションの最大損失:0.836×10万通貨=83,600円
プットオプション買いは、下げ相場で大きな利益を上げられるポジションです。
具体的には、満期日の損益は権利行使価格ープレミアム=損益分岐点という具合になります。
つまり、権利行使価格72.50ープレミアム0.836=損益分岐点71.664円となります。
豪ドル円が満期日に、71.664円よりも下げれば下げるほど利益になるということです。
仮に上げた場合でも損失は限定されます。
このポジションの場合、最大損失は83,600円です。
- 通貨名:豪ドル円
- ポジションの呼び名:コールオプション買い
- 特長:上げ相場で利益、損失は限定される。
- 数量:10万通貨
- 権利行使価格:72.50円
- 満期日(権利行使日):2019年8月21日
- プレムアム:0.543
- このポジションの最大損失:0.543×10万通貨=54,300円
コールオプション買いは、上げ相場で大きな利益を上げられるポジションです。
具体的には、満期日の損益は権利行使価格+プレミアム=損益分岐点という具合になります。
つまり、権利行使価格72.50+プレミアム0.543=損益分岐点73.043円となります。
豪ドル円が満期日に、73.032円よりも上げれば上げるほど利益になるということです。。
仮に下げた場合でも損失は限定されます。
このポジションの場合、最大損失は54,300円です。
この2つのポジションの特徴をあわせることで、以下のような特徴をもつ合成ポジションとなります。
- 通貨名:豪ドル円
- FXオプション戦略での呼び名:ストラドルの買い
- 特長:上げでも下げでも大きく動けば利益、損失は限定される。
- 数量:プット買い10万通貨+コール買い10万通貨
- 権利行使価格:72.50円
- 満期日(権利行使日):2019年8月21日
- プレムアム:0.836+0.543=1.379
- このポジションの最大損失:1.379×10万通貨=137,900円
損失は限定されるものの、2つのポジションになるので、最大損失額は137,900円(値幅1.379円に相当)となります。
最大損失は増えたものの、「上げ相場でも下げ相場でも大きく動けば利益になる」ポジションになった訳です。
「大きく動けば」の具体的な値幅は1.379円です。
つまり、「上げ相場でも下げ相場でも1.379円以上動けば利益になるポジション」というのが今回の仕掛けということになります。
為替値ごとの損益収支
今回のストラドル買いの損益分岐点は、こうなります。
- 豪ドル円上げ相場:72.50+1.379=73.879
- 豪ドル円下げ相場:72.50−1.379=71.121
これ見ても、初めてみた方には「なんか不思議な感じがする」と思います。
なので、もう少し分かり易くするために「今回のポジションの豪ドル円変動での損益推移」も作成してみました。
- 豪ドル円72.50円
- 豪ドル円72.00円または73.00円
- 豪ドル円71.00円または74.00円
- 豪ドル円70.00円または75.00円
満期日(権利行使日)の8月21日の豪ドル円値が、4つのパターンになったときの損益計算してみます。
豪ドル円が72.50円は、この仕掛けの最大損失137,900円となる時です。
ここを最大損失として、72.50円から大きく動けば動くほど損失が減り利益になっていくという流れになります。
72.50円より50銭動いた状況です。10万通貨×0.5で5万円相当の値動きです。
なので、ここでの収支はー137,900円+50000円=87,900円の損失となります。
72.50円より1.5円動いた場合です。10万通貨×1.5円=15万円相当の値動きです。
収支の目安となる、1.379円を超えているので利益となります。
具体的には、-137,900円+150,000円=12,100円の利益です。
これ以降、利益は増加し続けます。
72.50円よりも2.5円動いた状況です。10万通貨×2.5円=25万円相当の値動きとなります。
実際の損益は、-137,900円+250,000円=121,100円の利益です。
先程の損益分岐点を超えたら、それ以降は利益が増えていくということになります。
- 豪ドル円上げ相場:72.50+1.379=73.879
- 豪ドル円下げ相場:72.50−1.379=71.121
損益の推移は、豪ドル円10万通貨保有と同様に、10銭で1万円の損益が動く感じになります。
仮に豪ドル円が60円台に突入しても、このストラドル買いであれば利益を伸ばしていけます。
尚、この2つのポジションは「途中決済」もできます。
途中決済のときの損益は、満期日とは違いその時点のプレミアム値でのものになります。
プレミアム値には「時間的価値」や「ボラティリティ」などが含まれています。
これによって、途中決済の場合の決済値はその時点の為替値に連動するものの、同じ動きにはなりません。
更に、「個別で途中決済する」ことも出来ます。
なので、ストラドル買いとして仕掛けても、その後のポジション操作は相場変動に合わせて機動的にできます。
この局面でストラドル買いを入れた理由
今回、このストラドル買いを使ったのには理由があります。
- 豪ドル円は、そろそろ反発する感じがしている。
- ただ、ここから大崩れの可能性も充分にある。
- いずれにせよ、8月末にかけて豪ドル円は大きく動きそうだ。
豪ドル円は、大底をつくときに大きく下げるというパターンがあります。
今回の下げは、そういう下げにも見えます。
つまり、「上げ転換前の大きな下げ」ということです。
でも、全体の地合いをみれば、ここから米ドル円などに引っ張られていくことは容易に想定できます。
更に、大きく崩れることになるかもしれません。
上げ下げどちらにしても大きく動きそうだというのが私の素直な豪ドル円見通しです。
今回のストラドル買いは、「大きく動きそうだ」という場合には有効な仕掛けです。
今後も時折使っていくつもりでいます。
私が、ストラドル買いなどFXオプションで使っているのはサクソバンク証券です。