実質コスト1日50円 スワップ派向け防衛策
円高になりそうな雰囲気が出てきました。スワップ投資で長期保有のポジションを保有していると不安になってしまう時でもあります。
もしも、手持ちポジションを活かして、実質1日50円の費用で円高対策が出来るとしたらどうしますか?
実質コストは1日50円でできるFXポジション+FXオプションでの円高対策を今回はご紹介します。
実質コスト1日50円 米ドル円110円割れでも安心できる方法
本日米ドル円値は、112円近辺です。米中関係や世界情勢の不透明感から株式市場が不安定になっています。米国から円高圧力もあり、今後円高気味の相場展開も想定されます。
米ドル円のスワップポイントが上昇中で良かった。
なんて、良いことばかり考えている方はおそらくいないでしょう。
「この先円高になったらどう対応していくか」
スワップ派であれば、誰もがこの辺について何か考えているはずです。
私も、日本円資産ヘッジのため常時30〜50万通貨くらいの米ドル円買いポジションを保有しています。既に、一部ポジション向けに「下げ相場向け米ドル円売りポジション」を入れて両建てにしてあります。
でも、これだけでは足りません。
悩ましいのは、円高がどこまで進むかは誰にもわからない。もしかすると、大方の想定を裏切って突然円安気味に転換するかもしれないというところです。
特に、トランプ政権の元では、想定の逆方向に一気に動き出すことは普通に有り得ます。
売りポジションを保有したまま円安転換して対応が遅れれば、保有ポジション全体が大きなダメージを食らいます。
そう考えれば、例え想定外の状況となろうと、損失を最低限に抑える工夫もせなばなりません。
今回ご紹介する方法は、こういう悩ましい時期に有効に使えそうな方法です。
やり方は、単純です。
実質コスト1日50円
本日のサクソバンク証券、米ドル円プットオプションプレミアム表です。現在値が右上の薄赤色部分の111.96円です。
画像内に「ストライク(権利行使価格)」が2つありますが、右側がコールオプションのストライクで左側がプットオプションのストライクになります。
今回の仕掛けは、プットオプションですので左側のストライク部分で権利行使価格を見ます。
期日11月7日・権利行使価格110.00円のところの「0.292」という数字が薄赤色になっているのが確認できるでしょうか?
1日50円で出来る円高対策は、この部分のプットオプションを買うことで出来ます。
このプットオプションは、権利行使価格110円を割れて下がれば下がるほど利益が出るポジションです。この性質は、FXで米ドル円売りポジションを保有しているのと同じです。仮に、110円割れまで下がらなくても損失は、このプレミアム部分に限定されるという特徴もあります。
このプットオプション買い1万通貨に必要な資金も計算してみましょう。
- 0.292×1万通貨=2,920円
期日は、11月7日ですので本日10月16日から23日間あります。
- 1日あたりコスト:2920÷23日=約123円
米ドル円110円割れにならないと没収となるポジションですので、円高が杞憂に終わったとすればこの代金はそのまま損失となります。
その損失は1日あたりにすると123円です。
今回の円高対策は、米ドル円買いポジションを長期補油している方を想定しています。長期保有している米ドル円買いポジションには、スワップポイントがつきます。例えば、くりっく365であれば2018年10月現在で1万通貨で1日80円前後です。
プットオプション買いポジションを保有している間も、80円のスワップポイントは発生しているので、このプットオプション買いで損失となった場合の実質負担額は、123−80=43円で済みます
くりっく365以外のFX口座では、スワップポイントが少な目のところもあります。その辺も考慮して今回の記事タイトル「実質コスト1日50円の円高対策」という訳です。
これをどのように考えるかは、人それぞれかと思います。
私は、「この時期だけマイナススワップポイント負担があるというつもりで仕掛けても良さそうだ」と思っています。
こうしておけば、米ドル円が110円割れしたときだけでなく、そのまま100円割れなんてところまで円高が進んでもそれほど慌てずに済みます。
いつものことですが、円高相場がずっと続くことはありません。いずれは、円安相場に転換することになるはずです。その期間が数ヶ月なのか1年に渡るのかはわかりません。急落する時期は1〜2ヶ月で一気に動くというのも米ドル円のいつもの値動きパターンです。
動き出してから対応できるかどうかはわかりませんので、転ばぬ先の杖として仕掛けておこうかと考えております。