資力と能力の限界を知る 唯一の方法
相場に秘伝ありとすれば、それは自分の資力と能力の限界を知ることである。〜あるプロ相場師の言葉
「資力と能力の限界を知る」というのは、当たり前のように聞こえるかもしれません。そして、「相場運用のテクニックとは直接関係しない」と感じている方もいるかもしれません。そういう意味では、プロ相場師の「相場の秘伝」というのは大袈裟に感じるでしょう。
でも、ここは大切なポイントなのです。
FXのレバレッジ 安全に調整する方法
私は、仕掛けようとするときには株でも商品でも、いつもだいいちに必要とする資金、また動員できる資力を計算してみる。そして限界を決める。そのうえで、相場の動きをみながら、どのような方法で玉を動かすべきかを考える。
そして、これから起こりうるいろいろな不測の事態の多くを頭にえがき、それらの場合の処理方法をきめておく。それでも、損になるか益になるかは別にして満足すべき結末に玉を始末できたことはまれである。
ところが、昨日今日相場を始めたような人が、相場の需給も調べす、相場の足取りも知らずに、他人に聞いた当てもの的相場観だけをうのみにして、いきなり資金いっぱいの建玉をする。
その勇敢さは実に驚くべきことで、とうてい私の遠く及ぶところではない。私もその人も、ともに利益の結果を願っていることに変わりはない。いったいどちらによい結果がもたらされるだろうか。
これは、私の師林輝太郎が、著書の中で尊敬しているプロ相場師の言葉として紹介しているものです。ここに書いてあることを読んで「納得、その通り」と感じる方も多いと思います。でも、現実にこれをしっかりと出来るようになるにはそれなりの時間がかかります。
このプロ相場師は、株と商品相場なのですがFXでは更にその重要性が増します。株式取引は現物であればレバレッジ1倍であり、信用取引でもレバレッジ3倍以内となります。商品相場でもレバレッジとしては10倍程度なのに、FXではレバレッジ25倍までの取引ができるからです。
FXをレバレッジ1倍でやっている人はほとんどいません。レバレッジの高低は「運用法によって決まる」ので、前提もなくそれを論じるのはあまり意味がありません。
とはいえ、FXを始める時に高レバレッジから始めることが多い傾向にあるというのは事実です。「高レバレッジ+少な目の余裕資金」というパターンが多く、これだとちょっと激しい為替変動では一気に資金を失いやすくなります。
これを防ぐには、最初から「資力と能力の限界」を意識することが大切となります。
FXで失敗すること事態はあまり気にする必要はありません。
勝負ごとの世界なので、成功するときもあれば失敗して一時撤退することもあるのは当然だからです。
問題は「失敗の仕方」です。致命傷を負ってしまうような失敗だけは避けなければいけません。最初に大きく資金を飛ばしてしまうと、それは「致命傷を負ってしまうような失敗」になりやすく、その後に立ち直るのに時間がかかってしまいます。
最初からこれを避ける方法は、たぶん一つしかありません。
「最初はレバレッジを思い切り低くする」
スワップ投資ならレバレッジ1倍から始めるくらいの感じです。数ヶ月・1年という単位でその売買を続けて慣れてからレバレッジを上げていきます。私も、これに近い方法を今でも実践しています。
「最初は最低売買単位から始める」
どんなに自信がある運用法でも、最初は1000通貨あるいは1万通貨というその口座の最低単位から始めるようにしています。最近始めた「アイネットFX ループイフダン」や「マネーパートナーズnano連続注文」などもそうです。
もっと売買数量を大きくしたいという気持ちはある者の、私のような未熟者は最初から運用法のすべてを把握することはできません。そのため、実際の売買をしながら把握していくことになります。1000通貨という最低単位での売買を続けることで、最初は気づかなかったことに気づいたりします。それらの「気づき」によって売買ルールやレバレッジを調整することで、安定して運用していく自信もついてきます。
そこまで行ってから、売買数量やレバレッジを上げていきます。このやり方でいけば、大怪我をすることなく運用を軌道に乗せていけます。当たり前のようなことではありますが、安全にやっていくための手順として参考になれば幸いです。
●●▲■での場帖・グラフトレードでも、この考え方は通用します。