米ドル円「下げ相場でリスク減・上げ相場で利益上乗せ」二兎を追いかけた合成ポジション
FXオプションからのスワップ投資にて新規ポジションを仕掛けています。
いつもであれば、単純なプットオプション売りなのですが、今回は「コールオプション買い+プットオプション売り」の合成ポジションです。
- 下げ相場でリスク減
- 上げ相場で利益上乗せ
一見、都合の良い合成ポジションです。
諺でいうところの「二兎を追う者・・・」というところでしょうか。
有効な部分・有効でない部分の両方ありますので、まとめて紹介させていただきます。
この運用法は以下の特長があります。
FXオプションからのスワップ投資 5つの特長
- 安値でFXポジションを作るのに有効
- FXオプションを使って、FXポジションの買い平均値を下げる
- FXオプションでプレミアム受取利益が発生。
- FXポジション変更後はスワップ投資でスワップポイント+為替利益を狙う
- 月5〜10万円のスワップ+プレミアム受取(2019年11月10〜20万より変更)による定期収入
- 米ドル円上昇時はFX買いポジションでの不定期利益
コールオプション買い+プットオプション売り仕掛け
今回仕掛けた2つのポジションは、以下の内容です。
仕掛け時の米ドル円は、107.27円でした。
- 作成日:2020年5月15日
- FXオプション内容:米ドル円 コールオプション買い
- 作成時点の米ドル円:107.270円
- 権利行使価格:108.00
- 権利行使期日:2020年6月3日
- 売買数量10万通貨
- プレミアム:0.341
- 損失上限:0.341×10万通貨=34,100円
コールオプション買いは、「上げ相場で利益・下げ相場で損失」で「損失限定・利益限定なし」という性質を持ちます。
米ドル円が108円を超えて大きく上昇するようなときに利益が大きくなるのですが、下落しても最大損失は34,100円で済みます。
2本目のポジションは「プットオプション売り」です。
- 作成日:2020年5月15日
- FXオプション内容:米ドル円 プットオプション売り
- 作成時点の米ドル円:107.270円
- 権利行使価格:107.00
- 権利行使期日:2020年6月3日
- 売買数量10万通貨
- プレミアム:0.477
- 利益上限:0.477×10万通貨=47,700円
- 損益分岐点:107.00−0.471=106.529円
プットオプション売りは、「上げ相場で利益・下げ相場で損失」で「損失限定なし・利益限定」という性質を持ちます。
利益は限定されるものの、米ドル円107.270円のときに損益分岐点106.529円以上であれば利益となります。
なので、「利益を出しやすい」という傾向もあります。
合成ポジションにしたメリットデメリット
この2つを合わせると以下のような内容になります。
- 作成日:2020年5月15日
- FXオプション内容:コールオプション買い+プットオプション売り
- 作成時点の米ドル円:107.270円
- 権利行使期日:2020年6月3日
- 売買数量10万通貨
- 仕掛け時プレミアム収支:47700円受取ー34100円支払=13,600円受取
- 利益上限:なし
- 損失上限:なし
- 損益分岐点:107.00−(0.477−0.341)=106.864円
- 権利行使日にFXポジションになる為替値:107円未満
今回の合成ポジションは、上げ相場・下げ相場の両方で狙っているものがあります。
- 上げ相場:コ−ルオプションで利益を上乗せする。
- 下げ相場:プレミアムを受け取りながら安値でFXポジションを作る
これまでのプットオプション売りのみの場合、「下げ相場時にプレミアムを受け取りながら安値でFXポジションを作る」ということだけでした。
上げ相場のときにはプレミアム受取がそのまま利益になります。でも、利益が限定されるため、大き目の上昇となると利益を取る機会を逃した感じになっていました。
今回の合成ポジションは、上げ相場ではコールオプション買いが利益を追いかけてくれます。
下げ相場となった時にはプレミアム受取額は減るものの、安値でFXポジションを作ることは可能です。
総合的には、米ドル円が反発しそうなときに仕掛けることが出来れば利益上乗せできるだろうとみています。
一見、面白そうな仕掛けなのですが、ここまで読むと、もう一つの疑問を持つ方もいるかもしれません。
それは・・・
単純に米ドル円買いポジションを作ったのとどう違うんだろう?
その違いも、まとめておきますね。
FXポジションと比較したメリット・デメリット
今回の合成ポジションは、上げ相場で利益上乗せできるものの、下げ相場では相応の含み損になる可能性もあります。
ここだけ読めば、普通にFXで米ドル円買いポジションを作った場合との違いがわからないですよね。
合成ポジションにした場合のメリット・デメリットの形でみると、以下のような違いがあります。
- 上げ相場での利益は、普通に米ドル円買いポジションで攻めた方が大きくなる。
- FXオプションは小さな値動きでの反応が鈍い
米ドル円が50円上昇したら決済しようという感じの売買では、FXオプションよりもFXの方が利益を出しやすくなります。
FXオプションは、10銭・20銭程度の値動きでは売買するプレミアムの変動が少ないので利益は少な目のなりやすいです。
- 下げ相場でのリスクは少なくなる
- 下げ相場では安値のFX買いポジションが作れる。
- 状況に応じて片方だけ決済できる。
この合成ポジションの損益分岐点は106.864円です。米ドル円現在値107.270円でFX買いポジションを作ったときよりは、損失を出すリスクは少な目です。
下げ相場となったときは、権利行使日に安値でFXポジションを作ることもできます。
今回のケースだと、米ドル円現在値107.270円で仕掛けていて、権利行使日に107円未満となればFXで米ドル円107円の買いポジションが発生することになります。
プレミアムも差し引きで13,600円受け取っているため、現在値107.270円でFX買いポジションを作るよりも数十銭安値の買いポジションとなります。
更に、2つのポジションに分けていることで「コールオプション買いのみ決済」「プットオプション売りのみ決済」と別々に売買することもできます。
例えば、ここから米ドル円が2円くらい上昇して109円台になったとしましょう。そうなると、コールオプション買いポジションは0.341⇒1.5円前後に上昇します。
ここでコールオプションを決済することで、15万円くらいのプレミアム受取(利益は15万円ー34,100円=115,900円)を得ることが出来ます。
残りのプットオプション売りは、そのまま保有し続けて権利行使日に満額利益を確定させても問題はありません。
米ドル円は、当面往来相場気味の展開が続くとみています。今回の合成ポジションは、リスクを押さえながら利益を上乗せする方法として使っていきます。
今後の状況は、定期的に記事としてまとめていきます。
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