FXトレーダーと運についての一考察
きみは自分にツキがあると思うか?
こう聞かれたら、皆さんはどう答えるでしょうか?
ご自身なりの答えを出してから、この先をお読みくださいませ。
運(ツキ)の扱い方
冒頭の言葉は、松下電器産業(現パナソニック)を一代で作り上げ「経営の神様」と呼ばれた松下幸之助氏が人会ったときによく訊いていたという質問です。
この質問に「はい」と答えればそこから付き合いが続いていき、「私にはツキがありません」と答えるとそこで付き合いは止まってしまったのだそうです。
話し相手からすると、この答え一つで付き合ってもらえるかどうかが決まるということですので、かなり怖い話ですねぇ。
松下幸之助氏が、なぜこの質問の答えを重視したのかには諸説あります。
羽生棋士は、著書でご自身の見解をこう書いています。
確信を持って「自分はツイている」と公言するには、かなりの自信と決断が必要だ。ひょっとしたら松下さんは、相手が実際にツイているかどうかよりも、そういう自信や思い切りの良さが相手にあるかどうかを見ていたのかもしれない。
事業経営者にとって、どういう人と付き合うのかは企業経営そのものを左右することもあります。付き合う人の自信と決断力を図る試験のようなものだったのかもしれません。
私は、ちょっと別の視点でみています。
FXトレーダーにとっても成功するための大切な要素は「ツキがあるかないか」です。
このままだと誤解を招いてしまうのでこう言い換えさせてください。
「運(ツキ)があると思い込めるかどうか」
これが重要だと思っています。
他人を公平に見てみれば、「運のある人」は確実にいます。人の人生そのものが公平なものでない以上、運不運も人それぞれ違います。
FXトレードにおいても、運不運がでてしまうことはよくあるものです。
でも、FXトレード成功のためには「自分は運が強い」と心から信じることがとても重要なのです。
FXトレードで勝つために必要な要素は2つあります。
それは「運」と「実力」です。
FXで負けた時、安直に「運」のせいにしてしまうことがあります。
本当は実力不足で負けたことが敗因かもしれないのに、運が悪いで処理をしてしまったら、自分のトレードの何が悪かったのかには気づくことが出来ません。
そうなると、いずれまた同じ失敗を繰り返すことになります。
「運が強いと信じているFXトレーダー」は、負けたときにその原因が「運が悪かった」とは思わない傾向にあります。
「たまたま運が悪かった」と判断することはあるかもしれません。でも、それが何度も続けば「これは運が悪いせいではない」と気づくのにそれほど時間はかかりません。
運が強いのに負けた。
その原因は、「自分に実力がないのだ」と容易に到達できます。
実は、私は数年前から「自分は運が強い」と信じるようにしています。
そうすることで、「運が強い」と信じることが出来るようになると、「じゃあ実力不足しか原因はない」となって失敗のときには自分の非を素直に認めることができます。
どこが実力不足となっているのかを根気強く追及するようにもなりました。
自分が本当に運が良いかどうかなど、考える必要はないと思っています。運が良かろうと悪かろうとFXトレードで成功したい気持ちは変わらないからです。そうであれば、「私は運が強い」と信じて突き進む方が、その後の成長が速くなります。
うぬぼれることなく、謙虚に自分を鼓舞しながら、堅実に実力を身に着けていきましょう。