値頃感無用とは
相場の世界には、値頃感無用という古い相場格言があります。実は、この言葉はFXで勝つためにも非常に重要な意味を持ちます。
値頃感無用と為替値の魔力
世の中には、「豪ドル円大底は80円」「天井は105円」などという予測があふれています。
これらの行為は、値頃感無用の相場格言に反する行為でもあります。
私も昔は、予測に夢中になった時期がありました。
情報を集め、チャートを真剣に見続け予測をし続けました。
その頃より、「値頃感無用」という相場格言は知ってはいました。でも、「所詮昔の相場格言だから今は役に立たない」と簡単に切り捨てていたのです。
当時、私が夢中になっていた運用法では値頃感を持たないというのは無理な話でした。いろんな分析をしたりして「豪ドル円は90円まで上昇する」という予測を出してからポジションを保有する訳なので、値頃感をもたないでトレードするという意味が理解できなかったのです。
しかし、今は違います。
「値頃感をもたずにトレードが出来るようになる」というのは、FX・株式・CFDで勝てるようになるための奥義かもしれない。
そう思うようになりました。
こう考えるようになったのは、師林輝太郎の本で勉強するようになってからです。師の本の中には、「予測をしてはいけない」という言葉が繰り返し述べられています。予測をせずに相場変動をどう捉えていくのかも繰り返し述べられてはいます。
でも、最初は意味がわからないのです。予測に慣れた人間が師林輝太郎の本を読むと、拒絶反応さえ起こしかねません。
この辺で違和感を持つのは私だけではないはずです。私はそこに「真理」を見たのですが、逆の反応で「異質すぎて受入られない」と感じる方も実際にいます。
ここは、おそらく林輝太郎系の運用法を実践するときの最初の壁になります。
でも、例え林輝太郎先生の言葉が受け入れられないとしても「相場観無用」の重要性は変わりません。
為替相場を「目先の天井」「目先の底」という目で見ていくと、運用がなかなか軌道にのりません。
では、どうみれば良いのか?
グラフ・場帖記入を続けていると、いつの間にか値頃感をもたずに相場を見れるようになっていきます。ただ、これでは場帖・グラフ記入をしていない方には説得力がありませんよね。
値頃感を無用とするポイント
いくつかの見方があるのですが、その一つは「相場が若いかどうか」です。これは簡単な話で、上げ続けている相場が転換期となる時期にはよく急落が起きます。
それまでの上げ相場をずっと見ていると「絶好の買い場」と飛びつきたくなるような下げ方をします。実際、絶好の買い場ということもあるのですが私はそういうときは基本的に手を出しません。それは、そのまま下げ相場に転じる可能性があるからです。
その下げが、もしも下げ相場の始まりであったとすれば「下げ相場としては若い」ということになります。
そして、そういう時期に買ったポジションを損きりせずに保有してしまうとどうなるかはどなたにでも容易に想像できるはずです。恐ろしいことに、若い時期に手を出してしまうと、その後にどんどんナンピンをしてしまったりもします。
これは、クラブなどで若くて綺麗な女性に貢ぐ心理にも似ています。相手がプロであればあるほど、貢ぐ側の出費は大きなものとなっていきます。
私も経験したことがありますが、辛いものです。
悔しくてまた貢いでしまうんですよね。
本当、辛いです。
話が大きく脱線しそうなので、元に戻ります。
昔から相場で失敗するパターンの多くが、実はこのタイプです。
相場の若い時期に大きな勝負をしてしまい、その後の想定外の値動きでガツンとやられてしまうわけです。
これを防ぐ方法の一つは、「記録をつける」ことです。
私達の記入する場帖・グラフのようなものを毎日記入し続けるわけです。やってみるとわかるのですが、ある程度の流れを感じるようになります。「天井」「大底」とはっきりわかるところまではいかないのですが、「この辺は天井臭い」というところまでは大雑把に感じるようになります。上げ相場が続き「天井臭い」とわかれば、そこで急落したら「絶好の買い場」ではなく「下げ相場に転換の可能性」を意識するようになります。
日々1分の作業時間ですが、こういうことが出来るようになるだけでも大失敗を防ぐ効果があります。