当ページは、アフィリエイト広告を含みます。

少数の法則と一見完璧なFX運用法

「このFX運用法なら絶対儲かる!」
「この発見で私は大金持ちになれるかもしれない!」

 

FX投資家であれば、誰しもそう思ったことは一度や二度ではないはずです。実は、私も100回くらいはあるかもしれません。でも、こういうちょっとした発見というのは、現実には儲からないことが多いものです。この理由には、少数の法則が大きく絡んでいます。

利益がだせないFX運用法が簡単にできてしまう理由

ちょっとした思い付きで一見完璧なFX運用法を作ってしまい、過去の値動きに合わせてみても完璧だったりすることも多いものです。でも、なぜか現実の運用で使うとうまくいかないんですね。

少数の法則

 

この現象は、MT4のEA作りでもよく起きます。

 

MT4には「最適化」という機能があるため、過去の値動きで一番利益が出せる数値の組み合わせが簡単に作れるからです。

 

例えば、移動平均線の交差システムで、通常5本移動平均線と25本移動平均線を交差したときに売買するというEAを作ったとしましょう。多分、そのままでは成績はよくありません。そこで、移動平均線の本数を「最適化」して最適な本数を計算でみつけだすのです。

 

これによって、例えば13本移動平均線と201本移動平均線が抽出されます。

 

私がそうだったのですが、最初の頃はこういう形でみつけた最適値を「これぞ、大発見!」と思ってしまう傾向があります。そして、稼働させてしまうのですがうまくいかない訳です。こういうパターンでうまくいかないのは当然だと気づくまでにちょっと時間がかかりました。

 

裁量トレードでも、これと似たようなことはよく起きます。特に、ちょっと特殊なチャートなどに触れる機会があると「これで大儲けできる」なんて思いこんでしまうのもこのパターンです。

 

さて、これらの現象がなぜ起きるのかというのは行動経済学の「少数の法則」で説明がつきます。少数の法則とは教科書には以下のように書かれています。

 

試行回数が少ないにもかかわらず「大数の法則」が当てはまると錯誤する。「平均値に回帰する」とみなすこと。また、少数からなる標本であっても、その「代表性」のために母集団の性質を現すとみなすこと。

 

例えば、コインで4回連続表が出たので、次は裏がでると思う。

 

この少数の法則は、FXでもよくでてきます。先ほどの運用法以外でもいろいろなところで顔を出します。

 

  • 相場で4日連続で大きく下げた。そろそろ反発するだろう。
  • このFXチャート、シミュレーションでは過去3年で大儲けしている。この先も有望そうだ。

 

買いポジションを保有していて、短期間で大きく下げるとその後のリバウンドを期待してしまうなんてことは誰しも経験があるのではないでしょうか。でも、そういう時って戻ってこないでそのまま下げてしまうなんて状況に陥ることも珍しくはありません。これは、先ほどのコインの回数と似たパターンで少数の法則そのものです。

 

チャートもそうですね。「絶対に儲かるチャート」なんてないって頭では十分にわかっている。なのに、ちょっと新しいチャートがでてきたりすると、「これならばいけるかも」と思ってしまいます。そのチャートには、それを裏付ける利益の出るパターンも入っているからです。これも、少数の法則のなせるわざです。

 

では、こういう少数の法則にはまらないためにはどうすべきなのでしょう。

 

この解決法は、「自分の運用ルール」をしっかりと作ることです。しっかりとした運用法をみつけ、その運用ルールを作って、それを実践することでこれら少数の法則にはまって大怪我をすることは無くなっていきます。

 

私も、自分の運用法を固定してからこれら少数の法則にはまる機会は大幅に減りました。例えば、先ほどの2パターンについては以下のように対応するようにしています。

 

  • 何日下げていても、「マズイ」という時には損きりを実行する。
  • 完璧なチャートはない。どのチャートも「得意な局面」と「苦手な局面」がある。

 

これらのことは、いつも完璧にできるわけではありません。人間である以上、どこまでいっても弱い部分はあります。ただ、少数の法則など人間が投資に向かないという部分を認識して対応していけば大怪我は防げます。

 

日々の作業を続けながら、自分がそういう弱い部分にはまっていないかを時折気にするようにしています。

 

2015/10/27


記事がお気に召しましたら、共有・拡散お願いします。

このエントリーをはてなブックマークに追加   
TOPへ