準ペッグ通貨サヤ取り概要 ポーランドズロチ円編
ユーロの準ペッグ通貨の性質を利用したサヤ取り
ポーランドズロチの値動きはユーロと連動することが多く、準ペッグ通貨の特徴を持ちます。
準ペッグという性質上、値動きは素直です。ユーロズロチの2010年以降の値動きをみると3.8〜4.5の中で動いています。少しづつ誘導調整をしているようで、2014年は4.1〜4.25くらいの狭い範囲の値動きになっています。
準ペッグ通貨の怖いところは、「いつ崩れだすか不安定」なところです。現在のブラジルレアルがそうですが、レートを1米ドル=2.5レアルくらいに維持したいと頑張ってみても経済状況がそれに見合わなければ、市場がそのレート維持を許してくれません。
その点、ポーランドは人材も豊富であり、レートを維持できるだけの将来性の高い経済発展力を持っていて、今のところ崩れそうな感じはありません。この安定した状態で豪ドル円並みのスワップポイントも発生します。これらの状況を検討したうえで以下の組合せでサヤ取りを始めました。
- ユーロ円
- ポーランドズロチ円
この2通貨を両建てすることで利益をだしていくのが今やっているサヤ取りです。売買には、〇〇△◇で案内している場帖を使用しています。
参考:〇〇△◇
ただ、今回のサヤ取りはこのレポートどおりのサヤ取りではありません。ユーロ円とポーランドズロチ円の値動きには周期性はみられないからです。このサヤ取りは、周期性ではなく「準ペッグ通貨の回帰性」を利用しています。
〇〇△◇の応用形という位置づけです。
サヤ取りは、国と国がそれぞれどちらも安定した力を持つ通貨でやると失敗しにくい投資法です。安定した国同士の通貨力の綱引きを利用して利益を上げていくのがサヤ取りでの仕組みでもあるからです。
EURPLNで売買しない理由
実は、単純に、ユーロズロチ(EURPLN)で売買しても似たような効果がでます。このほうが簡単なのですが、この通貨ペアでやらないのには理由があります。
EURPLNは、OANDAJAPANなどで取扱いがあります。でも、日本ではマイナー通貨のせいかスプレッドが広くスワップポイント条件も良くありません。
EURPLNのスプレッドは日本時間では10pips以上に拡がることもよくあります。スワップポイントの買いと売りの差も30円以上あるので売り買いの両方のポジションが発生する売買ではこれが別のコストとなってしまいます。くりっく365はスワップポイント差が全通貨でゼロ円ですので、両建てが基本となるサヤ取りでは重宝します。
そこでサヤ取りを利用することで、ユーロ円とポーランドズロチ円の両建てによりEURPLNの合成通貨ペアを売買することにしました。くりっく365で合成通貨ポジションとすることで以下のような条件になります。
- スプレッドユーロ円3.5pips+ポーランドズロチ円2.0pips(日本時間19時頃のスプレッド)
- 売りと買いのスワップポイント差 0円
ユーロ円のスプレッドについては、DMMFXなどの方が狭いので、もっと有利にすることもできます。ただ、2口座使ってやるとポジション操作が少し複雑になるのでサヤ取り自体に慣れるまではくりっく365口座内だけでやっています。
でも、DMMFXさんのユーロ円スプレッドは0.6銭とくりっく365とは3銭近い差があるので次回以降は2口座に分けてやるかもしれません。
- ユーロ円売買:DMMFX口座
- ポーランドズロチ売買:くりっく365口座
こんな感じですね。ちなみに、DMMFX口座もくりっく365同様にスワップポイント差ゼロ円ですので、資金管理をしっかりやればサヤ取りには使い易い口座です。
サヤ取りは、買いだけの単純なスワップ投資とは違い売りと買いの両方で仕掛けていくので、単純なスワップポイントの高低ではなく、「売りと買いのスワップポイント差」が重要になります。
準ペッグ通貨サヤ取りの流れ
実際の仕掛けは、EURPLNの値を見ながら逆張りで行います。
- EURPLNが上昇したら下げに向かって仕掛ける
- EURPLNが下落したら上げに向かって仕掛ける
仕掛けのタイミングは、MT4で最低単位で走らせてある自作EAのポジションを作るタイミングに合わせています。実際の仕掛け方は、これまでの2回の決済が参考になるかと思います。
次回、実際の売買のやり方についてまとめさせていただきます。
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