リピート系自動売買の特徴と5つのデメリット
今回は「リピート系自動売買そのもの」についての内容やメリット・デメリットについてまとめさせていただきます。
前回「みんなのリピート注文の特徴」などをまとめたので、順番逆ですよね。
すみませんです(反省)。
連載記事読み直していて「基本の基本が抜けている事」に気づいた次第です。
では、はじめさせていただきます。
リピート系自動売買とは
「リピート系自動売買」は、FXにおける運用法の一つとして定着してきています。
「特定の条件で売買を繰返す注文」をリピート注文と呼びます。
このリピート注文を何本も大量に仕掛けておいて、自動売買として実行させているのが「リピート系自動売買」です。
画像は、100.50−98.50円の間で往来相場となったときの売買イメージです。
この場合、裁量トレードであれば左画像のように利益確定は1回くらいということが多いものです。
短期売買を得意とする方であれば、この流れで何度も利益確定できるかもしれませんが、相応の能力と労力が必要です。
リピート系自動売買であれば、一度設定しておけば右側画像のように綺麗に利益を出していくことができます。
そもそも為替相場は往来相場7割と言われているくらい一定値幅での値動きが多い傾向があります。
リピート系自動売買は、この往来相場中心の為替相場と相性が良いです。
2006年(平成18年)に初のリピート系自動売買であるトラリピが提供開始されてから14年近くが経過しています。
この間、リーマンショックや中国ショックなどの様々な大変動を経験しながらもリピート系自動売買は利用者が増加し続けています。
私も、年間10%くらいのペースですが利益を出し続けてこれています。
ほどほどの利益率で、手間少なく手堅くやっていきたい、そんな方にリピート系自動売買はピッタリの運用法と言えます。
このリピート系自動売買にも、メリットとデメリットの両方あります。
リピート系自動売買 5つのデメリット
まずはデメリットからまいりましょう。
どのリピート系自動売買でも共通して感じるデメリットは、以下の5点です。
- 1回1回の利益額が少ない。
- 高利益率を狙う売買には向かない。
- 含み損が常にあるのが普通。
- 想定レンジを外れるような変動となると大きく負けることもある。
- リスクを取り過ぎると危険なのはリピート系でも同じ。
1つづつ補足させていただきます。
その1:1回1回の利益額が少ない。
リピート系自動売買は、為替相場変動を細かく取っていくような設定が多くなります。このため、設定内容は以下の傾向がでてきます。
- 1本の売買数量は少ない。
- 利益幅は数銭〜数10銭となることが多い。
- 設定本数は30本・50本・100本と多くなる傾向がある。
1本の売買数量1000通貨というのは普通で、30銭など比較的少な目の利益幅で利益確定というパターンになります。
このため、1本の利益額は1000通貨×30銭=300円という具合になります。
私の「みんなのリピート注文」も、1本2000通貨で50銭で利益確定というパターンですので、1本の利益額は2000通貨×50銭=1000円となっています。
1本1本だけみれば、数百円〜数千円の利益ということが多いです。これを積み上げて数十万円〜数百万円の利益に成長させていく流れになります。
その2:高利益率を狙う売買には向かない。
リピート系自動売買は、年間50%・100%といった高利益率を狙う売買はしにくいところがあります。
それでも、低リスクにしても、利益率10%くらいであれば無理なく狙えます。
その3:含み損が常にあるのが普通。
リピート系自動売買は、「30銭幅で買い下がり」あるいは「30銭幅で売り上がり」といった売買を続けていきます。
この性質上、含み損はそれなりに抱えます。
最初のうちは、利益確定額よりも含み損の方が大きいという状況も続きます。
そして、ある程度含み損が膨らんだ後に相場が反転することで大き目の利益獲得に繋がることにもなります。
これも慣れてしまえばどうということはありません。
「リピート系自動売買を始めた方が最初に通る試練」
含み損との付き合いは、そんなところがあります。
その4:想定レンジを外れるような変動となると大きく負けることもある。
ここは十分に注意して欲しいところです。
特に、「過去●●年の変動幅を元に設定」などという場合です。こういう形で設定したリピート系自動売買は、その後は「完全に放ったらかし運用」となることが普通です。
いずれ、それ以上の変動となる時期がきます。
それがいつなのかは、誰にもわかりません。
問題は、その変動期が到来したときに「完全放ったらかし」にしてあるリピート系自動売買設定は、「逃げ遅れる」リスクがあるということです。
それは「マズイ」と感じたときには、既に大きな含み損となっている可能性が高いからです。
「反転を期待して我慢」するか「大きな損失を出して撤退」するか、その時点の選択肢はこのどちらかしかなくなります。
万が一のときにどう対処するかは、予め決めておくようにした方が良いです。
その5:リスクを取り過ぎると危険なのはリピート系でも同じ。
また、高利益率を狙いすぎるのも失敗のもとになります。
利益率を上げる方法は簡単にできます。
「設定値幅を狭くして・売買本数を増やせばよい」だけだからです。
「2本・3本の設定を同時に走らせる」という方法もありますが、結果的には似たようなところがあります。
これらの利益率を上げる方法は・・・
- 売買数量が増えやすくなる
- 大きな下げのときに含み損増加ペースが上がることになる
・・・両方の現象が加速度的に進みます。
この損失増加は、裁量トレードの数倍恐ろしいです。
リピート系自動売買の損失は「保有ポジションが増えながら含み損が増えていく」からです。
「損失加速のリスク」とでも呼ぶべき部分です。
参考記事:損失加速のリスク
ここでの事例は、「裁量トレード」と「リピート系自動売買」の比較です。
でも、高勝率を狙って売買数量を増やすと、更に恐ろしいことになります。
リスクを上げてリピート系自動売買に挑む場合は、意識しておかねばならないところだと思っています。
これらのリスクはあるものの、それを上回るメリットがあります。
メリット部分は、次回ご紹介させていただきます。
みんなのリピート注文2020 目次
- 第1回:みんなのリピート注文を選んだ理由 150万円以上利益でてたのに資金移動したのはなぜか?
- 第2回:みんなのリピート注文とは? フォローから取引開始まで解説
- 第3回:みんなのリピート注文 5つの特徴
- 第4回:みんなのリピート注文 2つのデメリット・4つのメリット
- 第5回:リピート系自動売買の特徴と5つのデメリット
- 第6回:勝つために抑えておくべきポイント【リピート系自動売買 6つのメリット】
- 第7回:手動売買併用の優位性と運用通貨絞り込みの理由【みんなのリピート注文運用】
- 第8回:みんなのリピート注文売買ルール 30円規模の円高でも破綻しないために
- 第9回:自動売買ルール 米ドル円買いのみで勝ち抜くポイント
- 第10回:手動売買ルール 両建てを有利にするスワップポイント売買差ゼロの効果
- 第11回:米ドル円売りが成功し易い2つの理由と注意点
実際の運用状況は下記にてまとめています。
定期更新:みんなのリピート注文 運用状況