トルコリラ買いホルダーのための防衛策
トルコリラ円下落も一段落して現時点では25,8円近辺で推移しています。そろそろ大底かなという方もいるかもしれません。でも、今後これ以上下がらないと断言できる方は少ないだろうと思います。
定期的に下落するトルコリラ円、今回は積極的に下げ相場に対応するための策をご紹介します。上げ相場で収益機会を逃がしてしまうトルコリラ両建てを使わずに攻める一手です。
両建てでは上げの時の収益機会を失ってしまう。
トルコリラ円の買いポジションを保有し続けるという前提で、下げ相場に対応するとした場合、単純にはトルコリラ円売りポジションを作って両建てにするという方法があります。実際、多くの方が激しい下落時に両建てで対応されているようです。
でも、これやるとその後の反動高の時に悲しい想いをするんですよね。
上げ相場で買いポジションの調子が良くなってきても、売りポジションの含み損とマイナススワップポイントが気になってしまうなんて状況です。
両建てでは元も子もないからといって、買いポジションを抱え込んだままトルコリラ暴落相場で戦々恐々とした日々を過ごすのも相当辛いものです。
こんな時に有効な一手となるかもしれないのがFXオプションの活用です。
FXオプションで「コール・オプションの買い」「プット・オプションの買い」というポジションを持てば、リスクを限定して利益を大きく狙うことができます。
「FXでトルコリラ買いポジション+FXオプショントルコリラ下げで利益の出るポジション」
こんな仕掛けを作ることが出来れば、以下のような状況が簡単に実現します。
- 下げ相場ではFXオプションが利益を出してくれる。
- 上げ相場ではFXポジションが利益を出してくれる。
- Fxオプションポジションは、上げ相場での損失上限があるのでそこは必要経費と考える。
トルコリラ円買いポジションのスワップポイントでFXオプション損失を相殺するイメージで考えると取組易いかもしれません。
上昇期・往来相場期は、トルコリラ買いポジションだけを保有し続けて「スワップポイント+値上がり益」を得る。暴落期になったら、FXオプションを入れて下げ相場でもポジション全体で大損にならない体制を作る。
こういう形で対応するのに興味が湧いた方は、この先もお読みになってみてください。
FXオプションを使った下げ相場対応術
FXオプションでトルコリラ下落に対応するのには「サクソバンク証券でUSDTRYのFXオプション」を使います。
まだ、FXオプションでトルコリラ円(TRYJPY)の取扱いはありません。なので、連動性の高いUSDTRYで売買をします。ご存知の方も多いですが、トルコリラ円暴落期にはUSDTRYでもトルコリラは同様に大きく下げます。
ここのところのUSDTRYの日足チャートをご覧ください。。
USDTRYは、トルコリラ円とは逆の見方になります。つまりUSDTRYが暴騰しているというのは「トルコリラが暴落している」ということです。
USDTRYでも、トルコリラはここ数ヶ月相当激しく暴落しています。数日前に一段落ついているのもトルコリラ円と同じです。
こんな感じで、トルコリラ暴落と超円高が同時進行でもしない限りは、USDTRYとトルコリラ円(TRYJPY)は値動きが連動します。
この性質を使って、FXオプションで作るトルコリラ暴落対策ポジションは「USDTRY コール・オプション買い」です。
このコール・オプション買いのプレミアム(要は売買代金)も為替相場とともに動きます。現時点の一覧は以下のようになっています。
この画像時点のUSDTRYレートは左上の4.2395です。この画像の数字全てが売買のためのプレミアムです。
どれにするか悩むところですが、私ならば右下の薄赤色になっている権利行使日5月23日・権利行使価格4.3500のプレミアム0.02950辺りを買います。
USDTRYですので、この0.02950は通貨単位がトルコリラになります。このレートでコール・オプション1万通貨買いをすると支払うプレミアム代金は以下のように計算されます。
- トルコリラ円=25.8円として計算
- トルコリラでのプレミアム代金:0.02950×1万通貨=295トルコリラ
- 日本円換算でのプレミアム代金:265トルコリラ×25.8=7611円
この7611円が、今回のコール・オプション買いでの最大損失となります。
言い方を変えれば、このFXオプションポジションでトルコリラが大幅に暴騰しても、これ以上の損失を出すことはありません(トルコリラを日本円に換算する部分で数百円くらい損失が変わる可能性はあり)。
このFXオプションは、トルコリラが想定通りに下げてくれれば利益もでてきます。
仮にですが、現在レート4.2395から5%下落して4.4514になったとしましょう。これは、米ドル円レートに動きが無ければ、トルコリラ円25.8円⇒24.51円に下落したような状況です。
買いポジション保有者から見たら、トルコリラ円24円台なんて想像もしたくないかもしれません。でも、そうなった時のための対策なのでもうちょっとお付き合いくださいませ。
この場合、権利行使価格4.350の0.0295のUSDTRYコール・オプションは大幅に上昇します。
- 権利行使価格の単純な値上がり幅4.4514−4.3500=0.1014
現実には、この0.1014に「時間的価値」や「ボラティリティ」などが加わりますので値はこれより上になります。つまり、「0.1014+α」という感じです。
あやふやな数字だとわかりにくいので、「α=0.03」としておきます。
そうすると、保有しているコール・オプションのプレミアムは0.1014+0.03=0.1314まで上昇することになります。
0.0295⇒0.1314ですので単純に約4.45倍に上昇です。
日本円換算のプレミアム代金も当然上昇します。
- トルコリラ円=24.51円として計算
- トルコリラでのプレミアム代金:0.1314×1万通貨=1314トルコリラ
- 日本円換算でのプレミアム代金:1314トルコリラ×24.51=32206円
これはUSDTRY最低売買単位1万通貨での試算です。もしも、トルコリラ円買いポジションを100万通貨保有しているのであればこんな利益では全然足りませんよね。
現実には、それぞれの投資家の保有ポジション状況に合わせてFXオプションを購入して下げ相場に対応していくことになります。
最後に一つ注意事項を書いておきます。
このやり方は、「下げ相場でもトルコリラ円買いポジションを損きりせずに保有し続けたい」という方のためのものです。
「下げ相場で大儲けしよう」というつもりで大量のコール・オプション買いをするときは、FXオプションの性質をしっかりと理解したうえで実施されて下さい。
どういうことかと申しますと、仕組み上「FXオプションにおいて買いは負けやすい」からです。今回のコール・オプション買い権利行使価格は4.3500でした。この画像の現在値は4.2395です。その差0.11くらいあります。
確率的に考えれば、このまま5月23日まで保有すればかなりの割合で負けます。
USDTRYが、4.35まで下落してくれなければ価値はゼロです。1万通貨分であれば7611円程度の損失で済みますが、10万通貨・100万通貨となればt限定されているといっても、それだけ損失も大きくなります。
トルコリラ円買いポジションの保有量にもよりますが、その買いポジションを守ることに徹すれば、今回の記事はかなり有効なものになるはずです。
先程、トルコリラ円買いポジションのスワップポイントでFXオプション損失を相殺するイメージで考えると取組易いかもしれませんと書いたのもそういう使い方を意識してのものです。
誰しもが経験するのですが、暴落相場というのは大きな恐怖を持って「どうしよう、どうしよう」と右往左往しているときが大底ということがよくあります。
そういう時に、「損きりするかどうか」ではなく「念のため、FXオプションで暴落ヘッジでもしておくか」という感じで対応出来れば、トルコリラ円買いポジションを来るべき上昇期まで温存できます。
恐怖にかられてポジション操作を誤りがちなときに、今回のコール・オプションを置いておけば、このFXオプションポジションの価値がゼロになっても権利行使時期には最悪期を脱しているということも多い気がします。
どんな使い方をするかは人それぞれですが、安定した運用のためにお役に立てば幸いです。無論、最悪の想定が当たってしまったら今回のコール・オプション買いは大幅な利益となって運用資産を支えてくれるでしょう。
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