円高狙い! 米ドル円三方よし戦略
今回の戦略は以下の特徴があります。
- 米ドル円が上がってよし
- 米ドル円が下がってもよし
- 米ドル円が動かなくてもよし
米ドル円相場がどのように動いても、自分にとっては良い結果になる予定のポジションです。
伊藤忠商事の経営理念などで有名な近江商人の「三方よし」にあやかり、「米ドル円三方よし戦略」と呼ぶことにします。
FXオプションを使うことで、これが可能になります。
米ドル円三方よし戦略の目論見と概要
今回のFXオプションポジションは、以下のような方に有効です。
- 長期的には円安になるだろうとみている。
- でも、短期的には円高もありそうだ。
- 円高時に米ドル円買いポジションを有利な値でつくりたい。
- もしくは、このまま円安になっても利益をとりたい。
こう考えている方には、米ドル円がどのように動いても三方よしとなるのが今回の戦略です。
こう考えていない方には、三方よしになるとは限らないかもしれないのでご注意ください。
日米の経済成長格差を見る限り、一時的には円高傾向となっても、長期的には円安傾向になるのが自然だろうと私はみています。
米ドル円買いポジションを持ち続ければ長期的に問題はないと思っています。でも、超長期保有というのはそれなりのリスクも取り続けないといけません。
出来るならば「買いポジションを米ドル円が下がったところで作っておきたい」という気持ちもあります。今回の「米ドル円三方よし戦略」でそれができるかもしれません。
やり方は簡単です。
米ドル円のプットオプション売りを長期保有するだけです。
米ドル円プットオプション売りは以下のような性質を持ちます。「売り」の性質上、オプション値が上がれば損失・下がれば利益となります。
- 期日までは、米ドル円上げなら下がり(利益増あるいは損失減))、米ドル円下げなら上がる(利益減あるいは損失増)。
- 日数が経てば時間的価値減少とともに下がりやすい(利益増または損失減)。
- 利益が取りやすいものの利益上限は限定される。
- 大きな円高となれば、相応の含み損となる。
- 米ドル円が期日に権利行使価格よりも上がればプレミアム分の利益を受け取れる。
- 米ドル円が期日に権利行使価格よりも下がればプレミアム分の利益を受け取って買いポジションが発生する。
つまり、「米ドル円三方よし戦略」に合わせて表現しなおすとこうなります。
- 上げてよし:単純に利益」となります。
- 下げてよし:利益+現在値よりも安値で米ドル円買いポジションを保有できます。
- 動かなくてよし:時間的価値減少により利益が増え易くなります。
なんか・・・・本当にそうなるの?・・・・って感じですよね(笑)。
どうなるかは、今後の状況でお見せしますね。
尚、要注意は下げ相場です。
米ドル円プットオプション売りは、米ドル円買いポジションと同じ宿命を負います。つまり、米ドル円下げ相場では含み損となるということです。
この含み損も、現在値で米ドル円買いポジションを作ったよりは少なくて済むのですが、10円・20円の円高となればそれなりの含み損となりえます。
このリスクは、資金管理や損きりで臨機応変に対応していきます。
この戦略での大切な条件は、プットオプション売りの権利行使価格を現在値よりも安値を選ぶことです。
こうすることで短期的に円高になりそうだと思ったときには、「現在値よりも安値で米ドル円買いポジションを作る布石」としてFXオプションが使えることになります。
まあ、この説明は実際にポジションを作って、その推移を見ていかないとわからない部分もあります。
この戦略で作った、現在のポジション状況もご覧ください。
4月29日 ポジション状況
この戦略で保有中のFXオプションです。米ドル円プットオプション売り10万通貨が2本あります。
1本は、もともとトライオートFX口座を使った米金利先安観を利益にする戦略で作ったもので、円高になれば決済する予定でした。
でも、良い感じで利益が乗ってきているので方針を変えて、この「米ドル円三方よし戦略」で使うことにした次第です。
画像では読みにくいところもあると思うので、只今の状況をまとめておきます。
- 運用通貨ペア:米ドル円
- FXオプション:プットオプション売り
- 保有数量:かくポジション10万通貨
- 米ドル円現在値:111.61円
ポジション分類 | 権利行使価格 | 権利行使日 | 約定値 |
---|---|---|---|
ポジションA | 110.00円 | 9月4日 | 2.35 |
ポジションB | 111.00円 | 10月9日 | 2.046 |
補足すると、このポジションの最大利益は(2.35+2.046)×10万通貨=439,600円です。
ポジション分類 | 現在値 | 損益 |
---|---|---|
ポジションA | 1.331 | 102,700円 |
ポジションB | 2.168 | -12,200円 |
合計 | 90,500円 |
現在、ポジションAが含み益・ポジションBが含み損です。
権利行使価格は111円と110円です。それぞれのポジションの権利行使日にこの値よりも米ドル円が下がるようであれば権利行使価格で米ドル円買いポジションが発生します。
もしそうなっても、最大利益の439,600円は受け取ってのポジション保有となります。
米ドル円現在値が111.61円ですので、少々の円高では気楽に構えていられます。
日数経過とともにこのポジションがどのようになっていくのか、今後も定期的に記事にまとめてまいります。
円高を攻める一つの方法として参考になれば幸いです。