米金利先安観を利益にする戦略2019
2019年3月FOMCの金利引き上げ休止発表により米金利先安観がでてきました。米金利先安観が出始めた後というのは一定期間円高傾向=米ドル円下落気味に推移することが多いものです。昨日これを狙って合成ポジションを投下しているので、その内容をご紹介させていただきます。
トライオートFXの米ドル円買いポジションを担保にする形で、DMMFXでの米ドル円売り+サクソバンク証券FXオプションでのプットオプション売りを組み合わせています。
この仕掛けの名前は、「米金利先安観を利益にする戦略2019」としておきます。
既存ポジション担保で行う米ドル円対策
今回の「米金利先安観を利益にする戦略2019」は、FX口座で米ドル円売り+FXオプション口座で米ドル円プットオプション売りの合成ポジションで行います。
このポジションの相場見通しは「米金利先安観による米ドル安」です。
この合成ポジションは、私の中ではトライオートFX口座で保有する米ドル円買いポジションの値下がり対策の意味もあります。
トライオートFXの米ドル円売買は、低レバレッジの自動売買設定で行っているので少々の円高でも問題はありません。ただ、高値でつくった買いポジションは長期保有となっていて放ったらかし状態です。
この高値保有ポジションを担保として利用することで、合成ポジションの利益を上乗せしていこうというのが今回の狙いです。
なので、ここでの利益はトライオートFX2019年運用成績に上乗せしていきます。
合成ポジション内容
以下が合成ポジション約定画面です。
FX口座:DMMFX 米ドル円売り
米ドル円下落で利益となるポジションです。
FXオプション口座:サクソバンク証券 米ドル円プットオプション売り
米ドル円上昇で利益となるポジションです。米ドル円が見通しと逆の方向である上昇気味に推移したときにFX売りポジションの含み損を埋めてくれる役割を果たすのがこのポジションです。
日数が経過するとともに利益が増えるという特徴もあり、狭い範囲でズルズルとした値動きをしているようなときにも利益が増加するポジションでもあります。
項目 | 損益 |
---|---|
FX:DMMFX | -41,960円 |
FXオプション:サクソバンク証券 | 9,100円 |
合計 | -32,860円 |
- 3月21日 ポジション作成
- ポジション作成時点米ドル円値 110.359円
- プットオプション権利行使価格:110円
- プットオプション権利行使期日:9月4日
現在含み損です。昨日米ドル円110.359円のときに「米ドル円下落」狙いでポジションを作って1日経過、実際には上昇しているので含み損となるのはやむを得ないところです。
この状況は想定内です。
ここから最長で数ヶ月かけて、じっくり攻めるつもりでいます。
DMMFXを売りポジションで使った理由
この合成ポジションをは、米ドル円売りポジションを米ドル円買いポジションのあるトライオートFX口座で作るという選択肢もありました。
それでも、敢えてDMMFXを使っています。
それは、DMMFXの米ドル円スワップポイント負担が業界でもっとも軽いからです。
しかも、この傾向は数年間続いています。
長期間安定して米ドル円スワップポイント負担少ない環境を提供し続けてくれているのがDMMFXなのです。
トライオーートFXの米ドル円買いポジションスワップポイントは、2019年3月22日現在で1万通貨70円です。ちなみに、売りスワップポイントはー81円です
これに対して、DMMFXの米ドル円売りスワップポイントは-66円です。4円程度ですが、トライオートFXの買いスワップポイントよりも少ない水準です。
両建て運用の際には、買いスワsップポイントと売りスワップポイントの差がマイナスとなることが多く、これが僅かな金額でも精神的ストレスになりやすいものです。
DMMFXの長期間安定してスワップポイント負担が小さい傾向はこういうときに有効に使えます。
こういう理由で、今回の合成ポジションでもDMMFXを選択したということになります。
米ドル円相場 3つの思惑
- 米ドル円は下落し易くなる。
- しかし、一気には下げそうにない。
- ぐずぐずした動きが続くかもしれない。
今回の米金利先安観狙いの合成ポジションで意識している米ドル円の値動きです。
米金利先安観がでたからといってすぐに米国金利引き下げ開始とはなりません。
米国経済は弱まり気味とはいえ、依然強いです。世界情勢をみても相対的に安定しているのは米国くらいなもので、基軸通貨である米ドルの座は重要性を増しています。
世界が景気後退や政治不安などで不安定になればなるほど米ドルは上昇することになるかもしれません。
米金利先安観によって米ドル円が下落し易くなるといっても、急激な円高相場は起こりにくいかなというのが正直な見通しです。
この合成ポジションは、この辺の相場展開に合わせた形でポジション操作していく予定です。
損益のシナリオ 上げても下げても利益の構造
米ドル円が上げた場合と下げた場合で、この合成ポジションの決済パターンは違ってきます。
具体的にはこんな感じになります。
米ドル円上げた場合
- DMMFX売りポジション損失
- FXオプション利益
- トライオートFX買いポジション利益を出して全体として利益確保
米金利先安観による米ドル円下落というシナリオ通りにはいかずに米ドル円が上昇した場合、DMMFXの売りポジションは損きりになります。
FXオプションは利益となるのですが、利益額はDMMFXの損きり額には及ばない可能性が高いです。
この場合、米ドル円上昇で利益となっているはずのトライオートFX保有中の米ドル円買いポジションを利益確定して全体での利益確保を予定しています。
米ドル円下げた場合
- DMMFX売りポジション利益
- FXオプション損失または利益
米ドル円が下げた場合、DMMFX売りポジションで利益出します。今回のFXオプションは米ドル円が下落になれば基本的には損きりになります。
FXオプションが損きりになっても、DMMFXの売りポジションの利益はそれを上回るため合成ポジション全体としては利益を確保できます。
もしかすると、FXオプションも利益となる可能性もあります。
それは、米ドル円相場が長期間方向性もなくズルズルとした値動きを続けた場合です。
今回のFXオプションポジション作成時のプレミアムが2.358あります。これは米ドル円2.358円の下落に対応できるだけの利益を生み出す可能性でもあります。
具体的には、権利行使価格110円ー2.358=107.642円となって、9月4日期日が近づけば近づくほど米ドル円下落ここまで下がらなければ、このFXオプションポジションも利益になります。
なので、米ドル円相場が長期間方向性もなくズルズルとした値動きを続けた場合にはFXとFXオプションの両方で利益を計上できる可能性があります。
狭い値幅でズルズルとした値動きが続けば続くほどこの合成ポジションには有利になるということです。
上げても含み損に苦しまず、値動きが少なくてもイライラせずに済む。それが、この合成ポジションの大きなメリットです。
どっしりと腰を据えて、ここからの為替相場に付き合っていくための一策です。
今回使った口座はこちらです。
4月30日 ポジション引継ぎにて実験終了
諸情勢の変化により、この実験を終了します。
米金利先安観はあるものの、米国経済も強くなり金利引き下げはまだまだ先になりそうです。
米ドル円値動きが緩慢なお蔭で、この実験で保有中の米ドル円プットオプション売りに順調に利益が乗ってきています。
このFXオプションポジションは、この実験では円高時には決済予定のものです。
このまま決済してしまうのは、ちょっともったいないので、別の実験で活かすことにしました。
円高の可能性は消えていないので、米ドル円売りポジションはこのまま保有していきます。決済損益は、トライオートFX口座の売買記録に加えていく予定です。