スワップポイント外貨発生(米ドル・英ポンド・スイスフラン等)について
FX口座によっては、ユーロドル・ポンドドル・ユーロポンドなどスワップポイントが米ドル・英ポンドのような外貨で発生するものがあります。外貨で発生したスワップポイントは、いずれ円に両替されるのですが、その両替タイミングはFX口座によって違いがあります。
この違いは、通常の運用法では気にする必要もないのですがスワップポイントサヤ取り(異業者両建)では注意が必要です。今回は、それらの留意点についてまとめました。
外貨発生口座と2つの留意点
くりっく365本日の為替レートとスワップポイント一覧です。画像右側がスワップポイントになっています。ユーロドルのー0.42の単位は米ドルであり、外貨でスワップポイントが発生していることになります。
この場合、1万通貨のユーロドル買いポジションで0.42米ドル支払となり売りポジションで0.42米ドル受取という具合です。
クロス円と呼ばれる円絡み通貨のスワップポイントは円で発生するのでわかりやすいのですが、クロス円以外はこういう外貨で発生するパターンがたまにあります。
スワップポイントサヤ取り(異業者両建)でよく使う主要FX口座の中で外貨発生パターンを採用しているのは以下の4口座です。
この外貨発生パターンのFX口座で留意すべきポイントが2つあります。
- 外貨スワップポイントが円に両替されるタイミング
- 決済時タイプが受ける為替影響
それぞれ補足させて頂きます。以下、外貨で発生したスワップポイントを外貨スワップポイントと呼びます。
先程の図で、ユーロドルの売りポジションでのスワップポイントは0.42米ドル受取となっています。この0.42米ドルが円に両替されるタイミングはFX口座によって2つに分かれます。
- スワップポイント発生時両替タイプ:スワップポイント発生時に外貨⇒円に両替される:トライオート
- ポジション決済時両替タイプ:ポジション決済時に円に米ドル⇒円両替:FXプライム byGMO・くりっく365・マネーパトナーズFXnano
*マネーパトナーズFXnanoは、スワップポイント振替実行した場合も外貨⇒円両替が実行されます。
スワップポイント発生時両替タイプでは、仮に本日の米ドル円レートが110円だとすると0.42米ドル受取のスワップポイントは0.42×110円=46.2円のスワップポイントが確定することになります。トライオートがこのパターンです。
このパターンは、米ドルでスワップポイントが発生するもののすぐに日本円に両替されるのでDMMFXなどの日本円28円表記のFX口座とあまり差はでません。
ただ、DMMFXなどの日本円表記のFX口座は円安になってもスワップポイントが大きく変動することは少ないのに対して、米ドルでスワップポイント発生するFX口座は米ドルでのスワップポイントは変動なしでも日本円に両替されたスワップポイントが為替相場の影響を受けて増減することになります。
ポジション決済時両替タイプでは、スワップポイントは決済されるまで米ドルのまま貯まっていきます。これは英ポンドなど他通貨で発生する場合も同様です。ユーロ・ポンド(EURGBP)などは英ポンドでスワップポイントが発生するので英ポンドでスワップポイントが蓄積していきます。
先ほどの例で0.42米ドルが変わらなかったとすると100日後には0.42米ドル×100日=42米ドルという具合です。
そして、決済時に日本円に両替されることになります。
このポジション決済時両替タイプは為替の影響を受けることになります。
先程計算した100日後、42米ドルが貯まったところでユーロドル売りポジションを決済したと仮定します。決済時の為替レートが米ドル円1米ドル=130円だとしましょう。この場合、日本円でユ−ロドルスワップポイントが発生するDMMFXなどの通常のFX口座とはちょっと大きな差がでることになります。
どれくらいの差がでるか、ちょっと比較してみましょう。
ポジション作成時
- ポジション作成時米ドル円レート:1米ドル=110円
- ポジション決済時両替タイプ(例くりっく365):0.42米ドル(日本円換算0.42×110円=46.2円)
- 日本円でスワップポイントが発生するFX口座(例DMMFX):46.2円
同じ日にポジションを作成して、100日後に決済するとします。その間、それぞれの口座のスワップポイントは米ドル・日本円で同じとします。100日後決済時の米ドル円レートは1米ドル=130円になったとします。
ポジション決済時
- 100日後決済時米ドル円レート:1米ドル=130円
- くりっく365スワップポイント:0.42×100日=42米ドル。42米ドル×130円=5,460円
- 日本円でスワップポイントが発生するFX口座:46.2円×100日=4,620円
5460円−4620円=840円の差がでました。米ドル円が110⇒130円となった分だけスワップポイントが増えたことになります。
1万通貨でこれだけの差になります。ユーロドルでスワップポイントサヤ取り(異業者両建)をする場合、50万通貨くらいの両建てポジションを持つのも珍しくはありません。
スワップポイント差が良好であれば、そのまま1年近く両建てポジションを保有することだってあります。そうなると、このスワップポイントの差は10万円単位となることだってあります。
既に、お気づきかもしれませんが、このポジション決済時両替タイプが受ける為替影響には円安時と円高時の2つのパターンがあります。ポジションによってはスワップポイント支払となる場合もあるからです。
その影響を表にまとめると以下のようになります。
為替変動 |
スワップポイント受取 |
スワップポイント支払 |
---|---|---|
円高 |
受取額減 |
支払額減 |
円安 |
受取額増 |
支払額増 |
*円安・円高はスワップポイント発生通貨に対するものです。英ポンドの場合、英ポンド高・円安=円安という意味になります。
既にお気づきになっているかもしれませんが、スワップポイントサヤ取り(異業者両建)でスワップポイント外貨発生口座を使った仕掛けは、利益増と利益減の両方の可能性があることになります。
スワップポイント外貨発生 まとめ
スワップポイントが米ドルなど外貨で発生するパターンは、スワップポイントサヤ取り(異業者両建)では利益の上乗せとなることもあれば利益減となることもあります。
利益減を重視してユーロドルなどでのスワップポイントサヤ取りはやらないという方もいるかもしれません。あるいは、利益が増えるチャンスを重視して積極的に仕掛けていくというのもあるかもしれません。
私自身は、「あまり気にしないでいく」ことにしています。
それは、スワップポイントサヤ取りで決済時期を選ぶことは基本的にできないからです。
私は、仕掛けたスワップポイントサヤ取りポジションは「スワップポイント逆転現象が起きた時」や「暴騰暴落時で相場が良く見える時期」などを決済時期としています。
スワップポイントが外貨で発生するポジションがこの時、利益増となる形になるかどうかは運次第です。しかも、長期間やっていけばその確率は大数の法則により50%前後に収束するだろうと思われます。
長い目でみて着実に利益を積み上げていくことに集中して続けていく所存です。