下値メドは考えない アンカリング効果との付き合い方
FXで「どこまで落ちるかわからない」というのはとても不安で怖いものです。気持ちを落ち着けるためには、「●●円がメド」といった目安が欲しくなるものです。これはアンカリング効果とも呼ばれる現象なのですが、これが大失敗の元になることもあります。アンカリング効果による失敗は、私も過去に何度も経験しました。この失敗を防ぐために私がやっていることについてまとめました。
アンカリング効果 成功と失敗
豪ドル円は●●円が底値あるいは●●円が天井というのは為替見通しの解説でよく使われます。しかしながら、ほとんど当たりません。こういう予想は当たらないのが普通だとわかっていれば期待しないで済むのですが、なかなかそうはいかにんですよね。
わかっていても期待してしまう心理、参考にしてしまうというのは人間のサガなのでしょうね。
この期待してしまう心理が行き過ぎてしますと「損きりできない」ことに繋がってしまい、大暴落時期などには大怪我のもとになってしまうのが、ご存知のとおりです。
「●●が天井」と過度に信じてしまっう心理をアンカリング効果とも呼びます。
アンカー=錨(いかり)のことです。この図のようなものを船から海へ降ろすと、船の動きを一定範囲で固定させることができます。
FXにおいても、「ここが大底」と強く信じすぎてしまうことで似たような現象がおきることによりついた呼び名です。
アンカリング効果は、FXを始めたばかりの方ほど強い傾向があります。
そして、それが大成功につながることもあります。「●●円が底値」と強く信じいきなり大きなポジションで巨利を得てしまうパターンです。もともと直感の鋭い方に多いパターンで、最初は怖さも知らず純粋な目でみれるため見通しが合っていることも多いのです。「ビギナーズラック」とも呼ばれる現象でもありますが、これでいきなり億の利益を出す人もいます。
無論、逆にいきなり大損というパターンもあります。FXで揉まれてくるとアンカリング効果はだんだんと弱くなります。
それでも「抵抗線」や「大底の目安」「天井の目安」のようなものを意識することが多いため、アンカリング効果は残ります。
私のアンカリング効果 目標値は置かない
私の場合もかなり薄いのですがアンカリング効果はあります。
それは、「過去の最安値」です。豪ドル円専門で10年以上やっているのですが、過去の安値圏50円台は最悪のラインとして意識しています。ただ、「底値はいつか更新されるもの」でもあります。そういう意味では、豪ドル円が50円を割る時もいずれくるかもしれないと思っています。
いずれにせよ、90円台くらいに大きなポジションを保有したまま50円台に突入なんてなったら通常の口座はとても耐えられません。
なので、暴落期に入ったと判断したら最悪のことを考えて買いポジションは半分程度は損きりするなどの対応をしています。
今回の下げ時期は、もともとポジションは少な目のままだったのでほとんど損きりせずに下げ相場を過ごしています。
これ以外で私がアンカリング効果を意識することはほとんどありません。
日々場帖・グラフで感じるままに売買をしています。純粋に感じたことで売買判断をするため、「豪ドル円がいくらになるだろう」的な予測などはしません。また「豪ドル円下値メド●●円」などという考え方もしません。
たまに「豪ドル円底値はどの辺だと思いますか?」なんて質問を頂くのですが、「下値メドは考えないようにしているのでわからないんです」とお答えしています。人によっては「ちょっと教えてくれてもいいのに」と感じる方もいるのですが、教えたくても考えていないのでお答えできないというのが正確なところなのです。
日々1分程度の場帖・グラフ記入によって相場を感じながら売買判断を続けていくだけなのです。
今の段階で豪ドル円について感じていることも書いておきます。まだ、本格上昇期には入っていないという気がします。もう一波乱くらいはありそうです。もしも、そう一波乱あった時の立ち回りで次の収穫期の種まきができればと思っています。
私のやっているサヤすべり取りは、長期間の流れを意識しながらやっていきます。短期的に少々荒れ気味でも、いつも通りに淡々とやっていければ大丈夫です。これからも、このやり方を地道に続けていきます。