「迷い」がFXの失敗を招くのはなぜか?
迷っているうちはFXでは勝てない。これは過去にも何度か書きました(参考記事:小利大損の原因と対処法 迷いを無くすにはどうすべきか)。実は、これは学術的な視点からも証明されていることが先日わかりましたので記事にまとめさせていただきます。
私達がやっているサヤすべり取りも、迷いを無くすることで利益が増えていくやり方なのでこの辺の理解は重要です。
迷いは売買判断の遅れを招く
皆さんが資格試験を受けて終わったばかりだとしましょう。難関資格で一生懸命勉強したのでご褒美にハワイ旅行に行くつもりでいます。
- 合格したらハワイ旅行に行きますか?
- 落第してもハワイ旅行に行きますか?
2つのグループでこれと似たような質問(実際にはジャマイカなのですが日本なのでハワイに修正)をしたところチケットを買うと答えた人の割合は1でも2でも同じでした。
つまり、合格しようが落第しようが旅行には行くという結果になったのです。これは、資格試験の合否とハワイ旅行は関係ないということでもあります。
ところが、これに「まだ合格したか落第したかわからない」というグループを加えたところ「試験の結果が出るまで結論は先延ばしにする」という人が大多数となったのです。
最初の実験で「合格しようと落第しようとハワイ旅行には行くのだ」という結論が出たのに試験の結果がわからなければ判断しないというのです。
つまり「試験の結果がわからない」という「迷い」が「決断を伸ばす」という現象を引きおことしているということになります。
迷いと葛藤は、「選択を遅らせる」か「選択しない」という結果をもたらす。
これと同じ現象は、FXでもよくおきます。例えば、こんな感じです。
- 含み損が膨らんできている。
- そろそろ損きりしないといけない。
- でも、今日は●●の発表があるか売買判断を先遅らせる。
- 翌日になった。今日こそは決断しよう。でも、●●の発表まで待とう。
本来は、含み損が膨らんでマズいと思っている段階でポジションの全てまたは半分くらいは損きりすべきです。これは冷静な心理状態であれば、どなたでも同じ結論になるでしょう。先ほどの実験で試験に合格しようが不合格であろうがハワイ旅行に行くというのと同じ状況でもあります。
でも、「この指標発表を見てから」という条件をつけることで損きりの判断は先送りとなります。指標発表は毎日のようにあります。その先延ばしは、それからもかなり続くことになります。
FXでこういう先延ばしをしていたことで最悪の結果になることは多くの方が経験しています。私も過去に何度も経験しました。こういう決断の先延ばしだけはしてはいけません。
私達のサヤすべり取りでは、「迷う」ことは年に数回程度しかありません。そして、「迷いは敗北に繋がる」ではなく「迷うこと自体が敗北である」と強く自分に言い聞かせています。
日々の基本的な売買判断を1日1分の場帖・グラフでやってしまうのも迷いを無くすためです。場帖・グラフという限られた売買道具だけで十分に利益を出していくことができます。そして、他の要因を加味する必要もないので迷うことはありません。ここで「本日売買なし」と判断すれば、その後に大きなニュースがあっても売買はしません。翌日の場帖・グラフ記入時まで待って売買判断をするだけです。
日々、ニュースやチャートをみて考え込んだり悩んでいてはいけません。どのような運用法をするにせよ、「迷わない」というのは勝つための必須事項です。